「気くばり」こそ最強の生存戦略である

発刊
2024年10月30日
ページ数
232ページ
読了目安
197分
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推薦者

良い人間関係を構築するための基本
気くばりをすることで、人間関係を良いものにする。気疲れせずに、本心で相手と向き合って、気づかいをするために必要なマインドセットと手法を紹介している一冊。

様々な人との付き合いがある中で、いかに気疲れせずに、気くばりをして、良い人間関係を構築するための基本的な方法が書かれています。

本当に大切にしたい人に気くばりをする

「気くばり」は、突き詰めると仕事も人間関係も、あらゆることが好転するほどの威力を持つ。ご縁もチャンスも、人生をより良くしてくれるものは、大抵「人」が運んでくれるものだからである。

 

但し、みんなに好かれるために気くばりしないこと。気づかいで疲れてしまう人は、他人にどう思われるかを気にするあまり、無理してしまうからである。無理をして気を遣うのではなく、相手を思う気持ちを言葉や行動にすること。まず好きな人に「気くばり」をすることから始めるといい。

「ただ単に親切であること」と「本当に相手のために心を砕いて気くばりをすること」は違う。「気くばり」とは、単なる親切よりもずっと深い、いわば「愛の為せる業」とも呼べるものである。「みんなに等しく」ではなく、「本当に大切にしたい人」に思いっきり気くばりをする。そうすれば、必然的に人間関係が濃く強くなり、全方位的にいいことが起こる。

 

自己肯定感が大事

上手に気くばりができない人の根っこには、「私なんか」というマインドがあるケースが少なくない。「私なんか」が気くばりをしても、相手に喜んでもらえないのではないか。こうした自己肯定感の低さゆえに、相手に心を寄せているのに、伝わりづらい。完璧ではない、ありのままの自分で大丈夫である。

 

気くばりにおいて何よりも大事なのは、自己肯定感である。人を否定しない、ジャッジしない、肯定する、丸ごと受け入れる。自分自身に対してできないことを、人に対してするのは至難の業。まず、自己を肯定すること、ありのままの自分を丸ごと受け入れることができて、人のことも丸ごと受け入れ、心からの気くばりができるようになる。自分を削ってまで相手を満たそうとするのではなく、相手を満たすことで自分も満たされるというのが、気くばりである。

 

自己肯定感を上げていくには、次の3つを1ヶ月ごとに分けて、3ヶ月行うこと。

  1. 「私は、私のことが大好き」と口に出して言う
  2. 毎日、自分を褒める(必ず1日に3つ褒める、行動を褒める、同じことで褒めない)
  3. 毎日、他者を褒める

 

相手に興味を持つ

相手がどんな人物で、どんなことを喜ぶのか、あるいは好まないのか。こうしたことがわからなければ、的を射た気くばりができず、喜んで欲しい相手に喜んでもらうこともできない。つまり、気くばりをするためには、相手をよく観察する必要がある。

相手に興味を持つと、相手の日頃の言動にアンテナが張られ、相手がどんなことを喜ぶのかが見えてくる。それが、誰に対しても杓子定規ではなく、本当に相手のことを思った気くばりにつながる。

 

相手に興味を持つには、まず相手との「共通点を探す」のがいい。人は自分と共通点が多い人に対して親近感を抱きやすい。但し、いきなり、プライベートすぎる切り口から、質問してしまうことには注意すること。あくまでも、答えやすい質問から始めること。

即興で相手との共通点を探すのが難しいという場合には、事前準備ができる場面で、相手のことを徹底的にリサーチすることから始めるといい。

 

相手と本心で向き合う

気くばりをする際、相手に「気を配ること」と、相手に「合わせること」は全く違うということを覚えておく。相手の機嫌を取るだけでは、いつまでも表層的な関係が続くだけである。好かれようとして、ご機嫌取りに終始し、言葉が上滑りするほど、相手の心は離れてしまう。正直でない人は、信頼も信用もされない。つまり、深い関係を築くには、相手と本心で向き合うことが一番である。

 

相手に興味を持って観察し、相手が喜びそうなこと、なおかつ、自分が心からしたいと思うことだけを、心を込めて行動に移すこと。

 

皆を等しく扱う

気疲れを防ぐには、「上下関係」や「損得勘定」といった意識を捨てるのも効果的である。相手との上下を意識しすぎると、自分より「上」の人に対しては、失礼がないようにと気になって、なかなか本当の自分で向き合うことができない。また、自分より「下」のように見なすと、ちょっと偉そうな態度になってしまうなどいいことがない。「損得」も同じである。

 

自己肯定感を高め、相手に合わせたり、疲れる気づかいをしたりするのではなく、その人との会話を思いっきり楽しむことが大切である。皆をフラットに扱うように意識すること。誰に対しても敬意を払い、丁寧な態度で接することが重要である。