リデザイン・ワーク 新しい働き方

発刊
2022年10月14日
ページ数
370ページ
読了目安
475分
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これから企業はどのように働き方を設計すればいいのか
新型コロナによって、企業、働く人々の双方が働き方を見直す中で、企業はどのような視点で、働き方を再設計すれば良いのかを提案しています。
単純にリモートワークを取り入れるかどうかという話ではなく、自社の職種ごとに生産性を高める要素を洗い出し、それに対応した働く場所と時間を組み合わせることが必要だと説いています。

人生100年時代に働く人々も変化していく中、将来を見据えて、企業はどのように働き方を提示すべきなのかがわかります。

仕事をリデザインするための4ステップ

新型コロナをきっかけに、働き手が仕事と職業生活に何を求めていて、リーダーが自社でどのようなことを促進・導入したいかについて、改めて考え直す好機が訪れた。コロナ禍は、いくつもの根本的な前提を問い直し、新しい行動パターンを採用し、仕事のやり方に関する新しい物語を紡ぎ出す機会をもたらした。

問われているのは、昔の働き方に再び戻るのか、それともこれをきっかけに仕事のあり方を根本から設計し直し、すべての人がやり甲斐と生産性と充実感を高められるようにするのかという点だ。こうした選択をするためのデザインプロセスは4つのステップで構成される。

 

①自社の重要な要素について理解する

新しい働き方をデザインするプロセスの出発点は、社内の様々な職種、自社で生産性を生み出すために必要とされる能力、社員のニーズと体験、社内の人的ネットワークと知識の流れを深く理解することだ。これらの点についての深い理解が伴わなければ、新しいプロセスを導入しても、一時の流行とみなされたり、忘れられるリスクが高い。

具体的には、自社の状況に関して4つのテーマを検討する必要がある。

  1. 生産性を支える行動と能力
    自社の生産性を支える社員の行動や能力を引き出す上で最善の方法を知る必要がある。社内の様々な職種について知るための1つの方法は、ある程度大雑把なカテゴリーごとに考えることだ。そして、ある職種を構成する業務を洗い出すことにより、その職種で生産性のどの要素を重んじるべきかが見えてくる。その土台をなす要素は「活力」「集中」「連携」「協力」の4種類である。その職種群で最も重要な要素は何かを判断する。
  2. 知識の流れと人的ネットワークの仕組み
    社員とその職および業務は、人的ネットワークの中に存在している。そのような社内の人的ネットワークを通して、様々な知識や知見や新しい考え方が行き交う。仕事のあり方を設計し直そうとすれば、意図せずにこれらの要素にダメージを与える可能性がある。働き方のリデザインに関して指摘される2つの大きな懸念材料「若い社員が職場に馴染む機会が奪われること」「偶然の出会いの機会が奪われること」も人的ネットワークと知識の流れに悪影響が及ぶ結果として生じるものだ。

  3. 社員が仕事と会社に期待すること
    人が仕事に関してどのようなニーズを持っていて、どのような働き方をしているかは、1人1人異なる。それを単純化して理解しやすくするためには、架空のキャラクターを用いることが有効だ。そして、そのキャラクターをめぐるストーリーを軸に議論を進める。

  4. 現場で何が起きているのか
    ある人が仕事に何を求めるかは、その人がどのような人間か(年齢、人生のステージ、性別、私生活上の経験)に影響される。そのため、企業が仕事のあり方を設計し直す過程では、こうしたことを理解する必要がある。その際は、「人々が仕事で実際にどのような体験をしているのか」と考えることが重要だ。この点を知ることにより、新しい働き方のデザインを採用した場合の影響が見えやすくなる。

 

②未来の仕事のあり方を新たに構想する

働く場所と時間の設計をどのように選ぶべきか。それぞれの弊害を認識して対処しつつ、利点を最大化させる方法を考える。

  1. 場所:集合型(オフィス)、分散型(自宅)
  2. 時間:同時型(会議)、非同時型(業務への集中)

 

重要なのは、自社の主な職種で生産性を支える4要素(活力、集中、連携、協力)を後押しするために、どのような労働環境(働く場所と働く時間)が最適化を検討することだ。働き方の設計においては、しばしばトレードオフの関係が生まれる。

集合型(オフィス):活力−、協力+
分散型(自宅):活力+、協力−

同時型:集中−、連携+
非同時型:集中+、連携−

 

③モデルをつくり、検証する

検証作業は次の3つの要素に照らして行う。

  1. 新しいデザインは未来にも通用するか
    人口構成の変化は、新しい働き方を設計する際に考慮すべき重要な問いを生み出す。高齢化が進む国では、人々が60代、70代、80代になるまで働けるようにするために何が必要かを問う必要がある。長寿化によって働く人々は、3ステージの人生からマルチステージの人生への転換が避けられない。働き方のモデルは、マルチステージの人生における人々のニーズに応えられるか。
  2. 新しいデザインはテクノロジーの変化に即しているか
    新しいモデルをつくり検証する時は、その働き方により、新しいテクノロジーをどの程度活かせるかも考える必要がある。
  3. 新しいデザインは公平で正義にかなうものか
    働き方のリデザインは新たな機会を生み出す半面、大きな不公平を生む可能性もある。新しく導入する働き方が公平なものかを考える際は「結果」「手続き」「意思疎通」の3つの要因それぞれを検討する必要がある。

 

④モデルに基づいて行動し、新しい働き方を創造する

未来に対処でき、社員が胸躍らせて参加意識を持つことができ、組織を成長させて繁栄させることができる働き方を確立するためには、積極的な行動が不可欠だ。それに成功する企業は、多くの利害関係者を取り込んで、そのプロセスにマネジャーや社員やリーダーを参加させている。

また、働き方のリデザインに成功している企業は、それをトップダウンで行うのではなく、社員とのコ・クリエーションを実践しているケースが多い。そして、仕事のあり方を設計し直すためには、優れたマネジャーが欠かせないことがはっきりしている。