起業家をパートナーとして共に成長する仕組み
クラウドは、コロナ禍を経て一層需要が増え、複雑化するソリューションに業界全体で応えなければならない。しかし、ニーズがまだ知られていなかったり、最適な技術を持つ経営者候補や企業が気づいていなかったりして、手付かずになっている部分が少なくない。その中には、中長期的に大きく成長できるかもしれない事業分野もある。
そこで、能力があり、誠実で志を共にしてくれるアントレプレナーを、パートナーとして探している。そのパートナーを「バディ」と呼ぶ。複数のバディの起業・上場を並行して伴走・支援していく立場を「パラレルアントレプレナー」と定義する。
テラスカイはこの「パラレルアントレプレナー」として、共に成長してくれる経営者を探し、直接アドバイスしながら、資金、経営、営業、経理、採用などあらゆる面を支援し、同時に最速かつ最小のリスクで成長し、その利益を共有している。
クラウドの最盛期である今、中期的には最大限スピードを上げつつ、将来に向けた投資も並行して進める必要がある。それには、誠実な他のバディを見出してスカウトし、彼らの能力とモチベーションを最大化する環境を提供することが最も有効である。
起業の成功確率を高める
新たなアントレプレナーの活躍を多面的に支援し、確率高く、しかも素早く「量産」できる状況が連鎖すれば、イノベーションは格段に起こりやすくなる。パラレルアントレプレナーとして動く流れは、次の通り。
事業チャンスを見つける → バディとなる経営者を見つける → 新会社を作り成長する
シリアルアントレプレナーとの違いは、作った会社の経営者は、あくまでバディであること。上場した際は、成功の結果である創業者利益も、出資比率に応じて手にしてもらう。パラレルアントレプレナーは、すべての起業において、成功を当然の前提として考えている。つまり「10割バッター」が原則である。勝てる可能性の高い分野で、確実に素早く起業し、確度高く成功していくための仕組みと言える。
事業分野は、テラスカイやグループ会社が既に手がけている範囲や周辺で、明らかに成功確率の高い、ニーズの満たされていない事業領域を見つける。バディが設立する会社は、ゼロからマーケティングする必要はない。その時間や手間は、技術力の向上や人材の充実に当てられる。これも成長速度が上がる背景である。
クラウドの時代がしばらく続くとしても、長期的に安泰というわけではない。クラウド・コンピューティングの中でも様々な変化が起きている。その速度についていき、先行してビジネスチャンスをつかんでいくには、とにかくスピードが大切である。
バディの条件
パラレルアントレプレナーは、チャンスとなる事業機会を見出すよりも、バディ探しの方が難しい。バディに求められる条件は次の3つである。
- 能力:周囲からの客観的な視点で、高い評価を得られているか
- 意欲:優秀な技術者を集めるために必要となる「情報力」「熱意」「人望」があるか
- 誠実さ:自分の成功や利益ばかりを追わず、メンバーと分かち合えるか
パラレルアントレプレナーのバディとして選ぶ際の最終条件は「自分と志が合っている人」になる。
パラレルアントレプレナー6つのステップ
パラレルアントレプレナーの強みは、体系的に進めることで伸びる会社を量産化できる点にある。
①伸びるマーケットの勘どころを探す
ここで大切なのは「自分の勘を信じる力」である。数々の経験、予測、情報取集だけでなく、感覚や度胸のようなものが試される。
②経営者を見つけて口説く
重要なのは、会社立ち上げに共感し、一緒にやってくれる有能な仲間を連れて来られるかどうか。表向きの肩書きが社長なのかよりも、実はそちらの方が経営の核としては重要である。
③会社を設立する
テラスカイでは、当面の資金繰りの問題も心配ないように手配する。経営者本人は最低限、エンジニア、営業、マーケターを連れてこられれば会社を立ち上げられる。
④サービスメニューを固める、戦略を立案する
有望なマーケットがわかった段階で、あるいはわかっていることを前提としてスタートする。
⑤テラスカイの顧客3000社に提案・営業する
一般的なベンチャーのように、ゼロから情報を集め、宣伝をしたり、人づてを頼ったり、飛び込み営業を繰り返す必要はない。他のテラスカイグループから、営業なしに紹介されることも多々ある。
⑥KPIを定め、ブラッシュアップする
個々の会社に経営指標を定め、課題を検証し、価格や利益率、品質などをチェックする。そして、問題点を把握し解決策を見つける中で、常にブラッシュアップしていく。