決める すべてを一瞬で判断できるシンプルな技法

発刊
2015年4月17日
ページ数
272ページ
読了目安
351分
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結果につながるタスクを選べ
目先のタスクに追われていては、人生の目標は達成できない。いかに、人生に大きな影響を与える結果を生み出すタスクにフォーカスすれば良いのかを紹介している一冊です。

自分を動かす2つの衝動

人が日々様々な行動を取る理由は決まっている。心理学の研究の多くは、人間のモチベーションの源は「獲得(ゲイン)」(利得を得たい)と「苦痛(ペイン)の回避」(損失を回避した)の2つに分けられるという意見で一致している。この事は、健康、お金、食事、仕事、家族や趣味のための行動など生活のほぼすべてに当てはめる事ができる。

 

この2つの最も重要な違いは、それから生み出される結果である。ゲインのモチベーションに駆られて行動すると、ペインを避けたいというモチベーションに駆られた時よりも、自分のプライベートや仕事のためになる成果が生まれる。

 

ゲインがモチベーションとなって行動を起こしている時、意識は自分が「望んでいること」に向き、自分が進む方向を与えてくれる。すると、ペインを避ける時とは比べものにならないほど、人生に大きな意味を持つ結果が生まれる。

 

「する必要のないこと」を選べ

生活に必要なタスクを終わらせてペインを避ける事ばかり考えていては、いつまでたってもゲインに取りかかれない。ペインを避ける事はできても、残念ながら人生を前進させる事は不可能だ。

ペインを避けるためのタスクには「放置しておくと、他の誰かから指摘される」という共通点がある。ここにゲインのための行動との違いがある。ゲインタスクには「しなくてはいけない」という要素はない。なぜなら、しないと決めても、対処が必要になる状況が発生しないからだ。ゲインタスクは、する必要のないタスクである。しかし、プライベートや仕事に大きな影響を及ぼす結果を生むのはこちらだ。

 

「何をまかせるか」を決める

ゲインタスクには特有の性質がある。

①緊急性がない
②しなくても困らない
③誰にもまかせられない

 

これら性質を把握すれば、それに時間を費やして得られる事も見えてくるので、自分の時間を使うべきかどうかを判断しやすくなる。何よりも大切なのは「そのタスクを委ねる事で生まれる時間に何ができるか?」を考える事だ。大抵の場合それは、人生のどこかの部分にプラスを生み出そうとする行動になる。

 

「結果」にフォーカスする

ほとんどの人が、物事に取りかかる優先順位を「締め切りはいつか」で決めている。締め切りが近いものほど、優先順位は高くなる。締め切りがあるタスクはすべて、それを優先順位の基準とするのが一般的だ。この取り組み方では、最終的にはすべてのタスクがいずれは緊急を要するタスクとなり、本当に重要なタスクとそうでないものの区別がつかなくなる。そして、意味のある成果を何も生み出せていないのに、生産的な事をしているという錯覚が生まれる。ゲインタスクには、締め切りは存在せず、緊急を要しないものである。

 

効果的な優先順位づけをしたいなら、締め切りや緊急度で決めてはいけない。基準とすべきは「結果」だ。「このタスクを実行すると、自分の人生にどんな結果がもたらされるのか」と問いかけをする必要がある。また、何をする時も、ゲインタスクの2番目を思い出す事である。ゲインタスクは「義務」ではない。

 

時間を決めて、目標の実現を確定する

人生の最優先事項を明確に意識しながら、一瞬一瞬の目の前の行動を決断する事はめったにない。時間の使い道についてより良い決断を下せるようになるには、まず自分の時間を占めるものについて理解する必要がある。私達が日々時間を使っているものは、「習慣」「やる事リストのタスク」「カレンダーに記入した約束事」の3つに分類される。

 

目標を実現できない人が大勢いるのは、実現に向けて動く時間を確保しようとしないからである。ペイン回避タスクに追われるサイクルを壊す方法はただ1つ。カレンダーに目標を組み込むしかない。