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発刊
2022年4月21日
ページ数
320ページ
読了目安
589分
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成功するコミュニティのつくり方
「GitHub」「Ubuntu」「X PRIZE」など数々の巨大なコミュニティのディレクターを務めた著者が、コミュニティを構築し、成功させるためのメソッドを解説している一冊。

企業や組織、個人でもコミュニティを構築し、成功させることは様々な有益な価値を生む。Salesforce、レゴ、任天堂など、ユーザーコミュニティをうまく構築できている企業にはどういう共通点があるのか。
コミュニティを設計し、成果を出すための方法が書かれています。

人がコミュニティに帰属するまでの心の動き

コミュニティが成功する保証や万能の裏技はない。コミュニティを構築するのは難しい。コミュニティをつくりたなら、人間の心理と人間同士がどう関わるかについて理解する必要がある。

 

①アクセス

コミュニティの成功事例はすべて、人々がコミュニティの新参者として、何かを貢献するのに役立つものにアクセスすることから始まる。それはツールかもしれないし、二次創作の許可やガイダンスかもしれない。コミュニティが成功するためには、シンプルで簡単に利用できて直感的なアクセス方法が不可欠だ。

 

②貢献

誰かがコミュニティに新しい貢献をして、価値を提供できた時、それはその人の自尊心につながる。

 

③自信

褒められた人は「それが他の人に認められている」と感じ、自信が芽生え始める。1人が自信を持つことで、コミュニティが問題をより積極的かつ論理的に解決することにつながり、その集団の社会的結束力も強くなる。

 

④尊厳

自尊心が強まってコミュニティへの貢献が増えると、尊厳とでも言うべきものができあがっていく。それは私たちに誇り、平穏、社会的な受容、自分には本質的な価値があるという感覚を形作る。
尊厳を持つために重要な心の動きは、「自分がやっていることには意義/意味がある」という感覚だ。成功しているコミュニティは明らかに、各メンバーの仕事とコミュニティ全体の広い使命との間に明確なつながりを持たせることができてる。

 

⑤他人へのインパクト

自分の仕事に意味があると感じると、もう一段頑張って、インパクトをもたらそうという自信が魔法のように湧いてくる。ここから勇気ある大胆なアイデアが生まれ、尊敬されることで大胆になれる。

 

⑥帰属意識

自信→大胆な行動→尊敬→さらなる自信という回路がうまくできたら、それはコミュニティの心理的な宝物と言える帰属意識になる。

 

明確でシンプルなアクセス、効果的に貢献してもらう方法、そして経緯と帰属意識の提供に至る回路を作り上げることが成功への道だ。成功するコミュニティ構築の各種要素を検討する時には、次の3つの要素に注目すること。

 

  1. 参加者が貢献しやすく、価値を生み出せるようにするにはどうすればいいか?
  2. 彼らがその貢献を何度も何度も繰り返し、ソーシャル・キャピタルを貯めるにはどうすればいいか?
  3. 「自分は歓迎されている」「コミュニティの一部だ」をいう帰属意識をどう築いていけばいいか?

 

コミュニティを構築するためのメソッド

①ミッションとバリューを作る

一番大きな範囲の全体図をズームアウトして考える。最も広い意味でのミッションは何か。自分の組織だけでなく、潜在メンバーたちに提供したい価値とは何か。

 

②自分のコミュニティでのエンゲージメント・モデルを選ぶ

次の3種の中から、どのようなコミュニティを作り上げるのかを選ぶ。

  • コンシューマー:共通の興味を持つ人たちを集めたコミュニティ
  • 支援者:コンシューマーモデルの上に構築され、コミュニティの成功を支援するために積極的に働こうとする
  • コラボレータ:支援者モデルの上に構築され、共有されたプロジェクトのため能動的に協働作業する

 

③自分自身が提供したい価値をきちんと言葉にする

すべてのことは価値から始めなければならない。メンバーたちのためになる価値には以下のものがある。

  1. 他の素晴らしい人々に会う
  2. メンバーの体験を豊かにする興味深いコンテンツ
  3. ハイクオリティな学びとヘルプ
  4. スキルアップ
  5. メンタリングとコーチング
  6. 専門知識とキャリアアップのための経験

 

④明確な担当者、成功基準、高い目標を作る

次年度以降のやや遠目で広めな目標を作成し、別部署や様々な利害関係者からの賛同と主体的な参加を得るように方法を提案する。賛同と主体的な参加はチームが粘り強く、完全に連携して計画に取り組むために不可欠だ。

 

⑤オーディエンスを知り、理想のオーディエンス・ペルソナを構築する

どのようなオーディエンスが最も重要なのかをデザインする。彼らにどのような価値をもたらせるのか、彼らにとっての成功のために何が必要なのかについて考える。

 

⑥導入路とエンゲージメント・モデルを設計する

コミュニティ参加について、次の3つのフェーズに分けて考える

  1. カジュアル:導入路を上がり、自分自身とコミュニティのために何か価値を生み出した時になる
    レギュラーになってもらうために習慣を身につけてもらう。そのために66日間参加を続けてもらう
  2. レギュラー:新しいメンバーが長期にわたり持続的に参加した場合になる
    面倒な手続きなしに参加できるようにし、コミュニティの構造や戦略に深く広く組み込む
  3. コア   :最も献身的で頼りになるメンバー
    コミュニティのリーダーシップの一部と感じられるようにする

 

⑦四半期実施計画をたてる

⑧成熟した状態や成功を測る指標を創造する

⑨ケイデンス(律動)を実施する。。何度も繰り返して組織に筋肉を作っていく

⑩自分のインセンティブマップを作成する