Work in Tech! ユニコーン企業への招待

発刊
2022年1月28日
ページ数
240ページ
読了目安
261分
推薦ポイント 2P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

推薦者

自分の市場価値を高めるために重要なこと
文系学部卒業で営業職という一般的なキャリアからスタートした著者が、ビズリーチ、メルカリ、スマートニュースと急成長企業で働く中で、新しいスキルや職種、ポジションを獲得していった経験を語った一冊。
自分の市場価値を高めるためには、急成長企業に身を置くことだと説き、これからキャリアを積むために重要な考え方を紹介しています。

次なる急成長企業で働くことが個人の成長に繋がる

現在あらゆる業界でテクノロジーによる変革が進んでいる。あと10年も経てば「IT・ウェブ業界」「インターネット業界」という言葉は、なくなっているかもしれない。
あらゆる分野で進展するテクノロジーによる変化を捉えて共存を図る。それは今の時代においてキャリアを考える上での大前提であり、あらゆる人が押さえておくべき必須のテーマである。

 

テクノロジーによる変化は、ピンチとチャンスを同時に運んでくる。それを自分にとっての新たな「成長や変化の機会」にするには、テクノロジーとの共存を積極的に模索する必要がある。そして、テクノロジーを味方につける「最短ルート」は、次なる急成長企業(未来のユニコーン企業)を見極めて、そこに自分を投げ入れることである。

 

凡人を進化させる急成長企業のメカニズム

驚くべきスピードで事業が拡大する急成長企業で働くことは、平凡な人間でも強制的に進化させるブースト環境である。そのメカニズムは次の通り。

 

①業界や企業の成長を「かけ合わせる」

個人の頑張りだけでは、成長に限界がある。個人の限界を突破する上で重要なのは、業界や企業の成長と個人の成長を「かけ算」で考える視点である。急成長する市場に身を置くと、自分だけでは到底つくり出せない挑戦の機会が、次々とやってくる。そして、「なんとかそれについていこう」と努力しているうちに、以前はできなかったことが平然とできるようになっていたりする。

 

②会社が急成長する中で溢れてくる「抜擢のチャンス」を生かす

個人の努力は大事だが、それ以上に「どこで努力をするべきか」を考えることが、より重要である。環境ごと爆発的に成長する状況に身を置くと、急激な変化に伴って、普通の人にも抜擢と成長のチャンスがやってくる。

ユニコーン企業と呼ばれる会社では、圧倒的なスピードと裏腹に、圧倒的な「人材不足」がある。事業の成長とともに、組織の中では日々とてつもないスピードで新しい仕事やポジションが生まれる。それなのに、現場では常に人が足りない。成長途上の会社は知名度もなく潤沢な資金力があるわけでもないので、優秀な人材になかなか振り向いてもらえないからである。だからこそ、急成長の段階ではあらゆるポジションがオープンになり、積極的な採用活動が展開される。人材不足の状況下では、未経験者や経験不足の社員に対しても「とりあえず任せてみる」という抜擢人事が起こりやすい。

 

③職種や学歴、役職といった枠組みにとらわれず「境界線を越えて」自由に働く

急成長企業では、一般的に難しそうな「ジョブチェンジ」を果たすメンバーも少なくない。メルカリには、英会話講師として入社したメンバーがエンジニアに転身した例もある。他にも職種という枠を超えて活躍する人もたくさんいる。カスタマーサクセス担当が、データアナリストやプロダクトマネージャーにジョブチェンジし、後にその職種で転職した例もある。

誰かが決めた「職種」という枠に自分を無理に当てはめて考えるのではなく、とにかく成果を出すことに焦点をあてる。ジョブチェンジの機会は、そこにこそ転がっている。

 

市場価値はどうやって決まるのか

会社員の年収は「市場価値」によって決まる。そして、市場価値は次の4つの要素のかけ算で決まる。

  1. 「業界自体の成長」
  2. 「事業の成長と収益性」
  3. 「会社の人件費に関する方針」
  4. 「個人の実績」

そして、1→4の順番で、その影響は大きくなる。個人の年収に与えるインパクトは、個人のスキルや実績などの、いわば「内部要因」よりも、「業界や事業が成長しているか」「収益性は高いか」、そして「会社が人件費についてどう考えているか」という「外部要因」の方がはるかに大きい。

 

事業が成長しなければ、会社を支えながら年齢を重ねる社員たちに、新たなチャレンジやワクワクするような成長機会を提供できなくなる。社内では限られたポジションのいす取りゲームが始まり、そんな組織に嫌気がさした優秀な人材から会社を離れていく。

だからこそ若手も、経験を積んだベテランも、事業の急成長がすでに始まっていたり、これから大きく成長するポテンシャルがある会社を見つけたなら、なるべく早く飛び込んだ方がよい。

 

参考文献・紹介書籍