アマゾンの最強の働き方

発刊
2022年1月26日
ページ数
504ページ
読了目安
647分
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アマゾン流の仕事の進め方
2003年から12年間にわたって、ジェフ・ベゾスの近くで働き、アマゾンの急成長を支える様々な仕組みの構築に携わってきた著者が、アマゾンで取り入れられている経営の「仕組み」の数々を紹介している一冊。

アマゾンの初期の頃から、様々な課題に対して、試行錯誤しながら作り上げられた仕組みの数々を、その経緯とエピソードともに解説しながら、アマゾンの本質的な強さを解き明かしています。

土台:「プリンシプル」を心に刻む

アマゾンが際立っているのは、望ましいリーダーシップのあり方があらゆる業務プロセスや機能に深く浸透している点だ。多くの場面で、アマゾンの行動規範に従うことは、他の多くの企業とは違った考え方、違った行動を選択することを意味する。

そこで、アマゾンに採用されたばかりの社員は、数ヶ月間苦労して新しい方法論を学び、順応していく。こうした業務プロセスや慣行は、会議の進め方、社内文書の書き方、意思決定、採用面接、評価面談などに組み込まれている。アマゾンで経験を積むにつれ、そういった行動は習慣化する。

アマゾンのすごいルール

 

リーダーシップ・プリンシプルは、アマゾンのビジョンを明確に示す宣言であり、全社員に適切かつ迅速な決断を呼びかけるものでもある。規範を体系化することは大きな前進だが、大切なのは、それを会社の重要なプロセス(採用、業績管理、計画立案、オペレーション、社員のキャリア開発など)に組み込むことである。

 

採用:「バー・レイザー方式」で厳選する

従来の面接手法の多くは、これといったガイドラインを持たない面接担当者の「直感」に依存しており、バイアスが忍び込む余地がある。

アマゾンのバー・レイザー(バーを上げる人)方式とは、常に最適かつ信頼性の高い採用判断を促す、拡張性と再現性のある公式のプロセスである。バー・レイザーたちは、採用プロセスについて特別な訓練を受け、すべての面接ループに必ず一人参加する。バー・レイザーという名称には、採用に関わる社員全員に対し、新規採用のたびに「バーを上げよ」というメッセージが込められている。

バー・レイザー方式の採用では、以下の点に注意しながら、個人的バイアスの排除を目指す。

 

  • 面接に先立って候補者の行動を探る一連の質問を用意する
  • 面接の内容を文書で記録するよう徹底する
  • 面接後、評価する前に記録を読む
  • 面接の記録に基づいて、採用会議を実施する
  • 評価は周知徹底された規範に基づいて行う

 

組織:「シングルスレッド・リーダー」が率いる

「シングルスレッド・リーダーシップ」と呼ばれる方式では、目標の達成に向けて、両立が難しい他の責任を負わない1人の人物が、1つのプロジェクトを統括し、全体から切り離せる自律的なチームを率いる。

自分たちがコントロールできる領域と他のチームの影響が及ぶ範囲の間に明確な線を引くのが、分離可能なシングルスレッドのチームである。シングルスレッド・チームは、全体から切り離すことができるチームを基本モデルとし、プロジェクトの規模が大きくても小さくても、それに対応して効果を発揮できる。このチームは、担当する商品やサービスについて明確なオーナーシップを持ち、外部への依存も外部からの影響も最小限に抑えて、自律的にイノベーションを追求しなくてはならない。

 

コミュニケーション:「6ページ」で伝える

アマゾンの会議では、議論を始める前に6ページの資料に目を通さなければならない。アイデアを発展させ伝える手段として、アマゾンは大多数の企業より、文字による伝達を多用し、信頼を置いている。パワーポイントは物事を単純明快にするどころか、重要な意味があるはずの行間をめぐる議論の機会を奪ってしまう。

 

6ページ資料では、自分の主張を展開するだけでは十分ではない。説得力のある資料は、反論、論争になりそうな点、誤解が生じやすい記述について事前に周到な準備が施されているものだ。

「6ページ資料」に定型があるわけではない。アマゾンで好んで使われるセクションには「基本的指針(提案を行う基本的理由の提示)」と「FAQ(よくある質問)」がある。

 

ワーキング・バックワーズ:「理想的な顧客体験」からスタートする

2004年以降に誕生したアマゾンの主要なプロダクトや新規事業には、アマゾンらしい共通の特徴がある。それらの多くが、顧客体験を起点として開発に取り組む「ワーキング・バックワーズ(逆向きに取り組む)」と呼ばれるプロセスによって実現したということだ。

これはアイデアを吟味し、新しいプロダクトの創造に結びつけるための体系的なアプローチである。まずあるべき顧客体験を定義し、それを実現するために今何をすべきかと、さかのぼっていく形で考える。どんなプロダクトを作ればよいのか、関係するチームの思考が明確になるまで、この作業を繰り返す。

Amazon Mechanism イノベーション量産の方程式

 

評価指標:アウトプットより「インプット」を見る

CEOにも企業にも、アウトプット指標を直接的にコントロールする力はない。大事なのは「コントロール可能なインプット指標」だ。コントロール可能なインプット指標とは、組織としてどれだけ顧客の利益に貢献し続け、それによって望ましいアウトプット指標のトレンドを実現できているかを定量的(データ)かつ、定性的(個別事柄)に把握できる情報だ。コントロール可能なインプット指標は、適切に管理すれば利益を押し上げる原動力となる。

インプット指標は、顧客が気にかけている事柄を反映していることが多い。例えば、低価格、在庫の充実、迅速な配送、手続きの簡単さ、ウェブサイトやアプリの高速化などである。