スイッチ!

発刊
2010年8月6日
ページ数
384ページ
読了目安
561分
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「変われない」ことを変える思考法
会社や人生に持続する変化を起こすのが難しい。その原因は私たちの脳の中の「理性」と「感情」の葛藤にある。

大きな権限や強固な意志の持ち主ではない「ごく普通の人たち」が、会社や国を動かすような変化を生み出した例を豊富に挙げながら、変化を生み出す方法を解説する。

理性と感情

人間は二重人格である。理性と感情という二つの人格を持っている。理性では朝早く起きたがっていても、感情はあと何分か眠りたいと感じている。

心理学者ジョナサン・ハイトは、理性を「象使い」、感情を「象」として2つの葛藤を表現する。象に乗る象使いは、一見リーダーに見えるが、巨大な象のコントロールは難しい。象使いが象に屈する場面は多い。食べ過ぎたり、仕事を先延ばしにしたり、禁煙に失敗したりと心当たりがあるだろう。

象と象使いの特徴は以下の通りである。

象(感情・本能)
強み:愛や思いやり、豊かな感情を持つ。
弱み:怠け者で長期的な報酬よりも、短期的な報酬に目を奪われてしまう。

象使い(理性)
強み:長期的に考え、計画的である。
弱み:物事を分析しすぎたり、頭を空回りさせてしまう。

変化を生み出す方法

変化を生み出すには、象と象使いの両方に訴えかける必要がある。象使いだけに訴えかけても、象に訴えかけなければ、頭では理解できても、やる気はでない。変化を生み出すには、以下の3つを行えば良い。

①象使いに方向を教える
・ブライト・スポット(手本となる成功例)を探してまねる。
・スタートとゴールを明確に示す。
・明確な指示を与える。
・ゴールを目指すメリットが何か理解させる。

②象にやる気を与える
・感情を芽生えさせる。(感情に訴えかける)
・変化を細かくする。(成果を簡単にあげやすくする)

③道筋を定める
・環境を整える。(仕組みを考える)

大きな変化は、ほんの小さな1歩から始まることがある。しかし、変化を起こすのは簡単ではない。
明らかなことは、変化が成功する人には、明確な方向性、十分なやる気、それを支える環境があるというパターンがある。