東大式時間術

発刊
2021年7月2日
ページ数
256ページ
読了目安
277分
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東大生による効率的にタスクをこなす時間の使い方
現役東大生が、効率良くタスクをこなすコツをまとめた一冊。多くの人が時間が足りないと感じている中で、どのようにすれば時間を有効活用できるのか。

「無駄を省く」「効率を上げる」「やる気を出す」という3つの方向性で、少ない時間で成果を上げるために必要な考え方が書かれています。

ムダを省く

タスクにあてる時間を増やすためには「1日の中で、ムダに消費している時間を減らしてタスク消化にあてられるようにする」という方法しかない。睡眠時間を削るといった方法は、短期的なブーストには使えるかもしれないが、長期的には不利益になる。

 

・考えている時間のムダをなくす

考える時間にはムダがある。「考える」というツールは適切に用いなければ全く機能しない。自分がどのような結論に辿り着くことができれば良いのか、という思考の目標をしっかり見据えていなければ、思考という行為は全くの徒労に終わる。

目的地の設定が曖昧であるがゆえに、ただボーッとしているだけなのに、考えていると自分では思い込みながらムダな時間を過ごしている人が多い。考えるという行為は素晴らしいが、考えれば何でも解決する訳ではない。

考えるのがうまい人は、単に「目的地を設定する」という技術に長けているだけである。まず考えるべきは「自分には何がわかっていないのか?」ということである。

 

さらに具体的な目標を掲げながら、頭を抱えて知恵を絞り、何時間も考え続けても、全く進まないことがある。考えが同じ論理を何度も何度も繰り返し駆け巡る。こうした考えのループは、適切な選択肢を選び損ねていたり、適切な選択肢が見えていないのにもかかわらず、その事実に気づかないまま手持ちの選択肢だけで状況を打破しようとしたりするから生じる。

つまり、前提条件から間違えて思考している。この間違いのループから抜け出すためには、散歩が有効な手段となる。自分の脳内だけでは手持ちのカードが少ないのであれば、物理的に新しい選択肢を与えてやればいい。思考の幅は自分の視野の広さに比例する。

 

・時間の属性を意識する

時間は、ただ過ごすだけでは意味がなく、「何をするための時間なのか」ということが習慣として意識の中に刷り込まれてこそ効力を発揮する。「自分がどのような意図を持ってその時間を過ごしているのか」ということが重要である。

それぞれの時間について、今はどのような時間なのだと、それぞれの時間の持つ属性を意識して過ごすことによって、作業効率は大幅にアップする。どの時間は自由時間で、どの時間はタスクにあてるのかなど、しっかりと考えて臨むと良い。

 

・タスクを整理する

タスクをこなす際には、タスクの「性格」「量」「〆切」という3つの尺度に基づいて、優先度を決める。

  • 性格:自分一人で完結するのか、自分以外も関わるのか
  • 量:それを終えるまでに必要な作業量
  • 〆切:いつ〆切なのか

 

この3つを考えながら、マトリクスを用いてタスクを整理する。基本的には、自分が動かなければ、他の人に迷惑がかかるタスクを最優先にこなし、余ったところに自分一人で完結するタスクを入れていく。そして、〆切も作業量もきつい仕事を最優先で終わらせる。但し、時により、自分のスイッチを入れるために比較的〆切の近い楽な作業を一旦こなすこともある。

 

効率を上げる

自分の集中できないタイミングで頑張っても、全く効率が落ちたムダな作業をしてしまう可能性がある。そのため、1日の内に「捨てる時間」をある程度作っておき、そこで切り替えができるようにしておく必要がある。

 

時間の効率化をする時には「今自分はどのような状況に置かれているのか」ということを考え、何を最優先にして動くべきなのかを決めなければならない。目的もなしに必要以上に時間を切り詰めても、結局それはムダな努力でしかない。

本当に時間を大切にするのであれば、逆に時間は贅沢に使うこと。急ぐ必要のない時に、わざわざ急いで物事を片付けても、それは時間のエアーポケットを生み出すだけに終わってしまい、何のために作業を効率化したのかわからなくなる。

 

やる気を出す

仕事や勉強などの集中するべき時には、それだけを考えて行い、普段は全力でリラックスするという切り替えこそが、モチベーションの維持に必須である。

 

ずっと走り続けられる人が存在しないように、誰でも集中力には限界がある。そのため、あらゆる手段を講じて、自分を切り替えるための「スイッチ」を作るとよい。

  • 場所で切り替える
  • 服装で切り替える
  • ルーティンを作る
  • やめ時を見失わない