AI人材の分類
一般的なAIプロジェクトでは、プロジェクトをマネジメントする人材や、AI技術に詳しい人材、AIシステムに詳しい人材など、様々な役割を持った人材が登場する。
①AI研究者
AIアルゴリズムの研究/開発を行う。最先端のAIアルゴリズムを研究し、学術論文として発表する。多くは大学や企業の研究機関に所属。
②AIプロジェクトマネージャー
AIプロジェクトのマネジメントを行う。AIの企画から導入・活用まで、様々な知識を幅広く身につけておく必要があるジェネラリスト型。
③AIプランナー
AIを活用したビジネスを企画し、業務をデザインする。対象とするビジネス領域のドメイン知識と、AIに関する知識をかけ合わせて、AIを活用した業務や事業を企画する。企画力とドメイン知識を武器とするスペシャリスト型。
④AIエンジニア
AIモデルを設計/開発し、システムに実装する。課題解決のための分析プロセスを設計し、様々なデータ解析手法を組み合わせてAIモデルを開発する。そして、開発したAIモデルをシステムに実装し、エンドユーザーがAIを活用できるようにする。AIエンジニアは、AIシステムにおけるアーキテクトの役割も担う。AIシステムの開発で扱う並列処理や分散処理など、AIに特化した技術に関しては、通常のシステムエンジニアでは対応が難しいため、AIエンジニアが中心となって、AIシステムを設計する。
⑤システムエンジニア
AIを活用するためのシステムを開発/運用する。AIシステムの開発では、対象となる業務領域のドメイン知識が欠かせない。そのため、AIを実装する業務システムが既に存在している場合は、以前からその業務システムを担当していたシステムエンジニアがAIプロジェクトにアサインされる。システムエンジニアは、AIエンジニアが実施するAIモデルの開発も支援する。
⑥AIユーザー
AIを業務に利活用する。AIを改善するための情報をフィードバックする役割も担う。AIユーザーが業務の中で修正した内容や、間違っていると判断した内容をAIへフィードバックすることによって、AIの精度向上につなげる。
AI人材に求められるスキル
AI活用に関わるすべての人材が押さえておくべきスキル
- AIリテラシー:AIができることを理解し、正しく活用する力
- データリテラシー:データを適切に読み解き判断する力
- AIプロジェクト遂行スキル:AIプロジェクトを協力して遂行する力
AI人材タイプごとの専門スキル
- AIプロジェクトマネージャー:AIプロジェクトを推進し、必要なタイミングで意思決定する力
- AIプランナー:AIを活用した業務/事業をデザインし、現場に浸透させる力
- AIエンジニア:分析プロセスをデザインし、本番導入するAIモデルを開発する力
- システムエンジニア:AIを活用するためのシステムを開発し、安定的に運用する力
- AIユーザー:AIシステムを使いこなし活用する力
AI人材の育成
AI人材を育成するためには、3つのプログラムに取り組む必要がある。AIを活用するための知識を学ぶ「研修プログラム」、研修で学んだ知識を自らのスキルとして定着させる「模擬演習プログラム」、模擬演習で習得したスキル/知識を実際のAIプロジェクトで活用し、実践力を身につける「実践プログラム」である。これらを効果的に組み合わせて、AI人材の育成に取り組む。
①研修プログラム
- 座学:AIプロジェクト全般に関する知識の習得
- グループワーク:AI企画、PoC計画、要件定義などの練習
- マシン学習:データ収集、AIモデル開発、システム開発などの練習
- 知識補完:AIモデル開発やシステム開発などの知識の習得
②模擬演習プログラム
- PBL演習:課題定義およびAI企画、AIモデル開発の体験
- プロトタイプ開発:アーキテクチャ検証およびシステム設計、システム開発の体験
- アイデアソン:アプローチ設計および業務設計、ビジネス価値設計の体験
- 分析コンテスト:分析プロセス設計およびAIモデル開発、AI改善の体験
③実践プログラム
- OJT:AI活用に関わる一連のタスクの実践
- 継続学習:情報収集、自己研鑽