リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル

発刊
2015年12月17日
ページ数
216ページ
読了目安
217分
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推薦者

リモートワークで働ける組織をつくる方法
オフィスに通勤しなくても働くことのできる「リモートワーク」を実践している企業経営者が、その実践方法を紹介している本です。

リモートでもチームで働く

これまでの一般的なリモートワークのイメージは、個人で働くフリーランスの人が、東京や地方などの場所にとらわれる事なく、クライアントから発注された仕事ができるというものである。会社の中にいて協調しなければならないような仕事は、同じ場所にいて一緒に働かなければできない仕事と考えられていた。

しかし、顔を合わせて一緒に働いて、相談しながら作り上げていくような仕事であっても、離れた場所でやっていく事ができる。これこそが本当のリモートワークである。

アウトソース先とのリモートワークの関係ではなく、それぞれが1つの会社の仲間として互いに相談しながら、仕事そのものを模索しつつ、価値と成果を一緒に作り出していくチーム、それをリモートワークで実現するためのスタイルを「リモートチーム」と呼ぶ。オフィスで働くのも離れた場所で働くのも、チームで取り組む仕事の本質は同じである。そのためにも信頼関係に基づく「チームワーク」は非常に重要である。

 

いつでも相談できる環境が必要

リモートチームのメンバー同士は発注ー外注の関係ではないので、仕事中はオフィスにいるのと同じように、いつでも相談や雑談ができて、ときには利害関係を超えて助け合えるかどうか、という点が非常に重要になる。

離れて働いていても社員であり仲間であるという認識を持つためには、これまで以上に会社やチームの本質をマネジメントのレベルから検討し、より一層働く仲間同士の絆を深めるような取り組みをしていく必要がある。

 

存在感と雑談を生み出す環境をつくる

チームワークを高めるために大事なのは、メンバー同士がいつでも相談し合える状態にあるという事である。同じチーム内の仲間同士なのに、相互にまるで干渉しないという関係性では、一緒に働いているとは言えない。

リモートチームの最大の課題は、リモートワークをしている人の「存在感」と「雑談」に関するものである。リモートワークの際に、普段社内に対して何も発言しないで、ずっと黙々と一人で仕事をしていると、その人の存在感は薄くなる。さらにお互いの関心を高めるきっかけになったり、チームの問題を解決する、思わぬアイデアや新規事業の発想が生まれる機会となる「雑談」の機会が減ってしまう。

この問題を解決するために、Skypeをずっと起動したままにして、リモートの人と常に音声でつながるようにした。そうしておく事でオフィスの雰囲気もわかるし、声を掛ければすぐに反応も返ってくる。

次に全員が参加するチャットを導入し、特定の相手に通知しなくても良い、自分専用に書き込める場所をつくった。書き込んだ言葉はチームの全員の目に触れる場所に流れ、その独り言が誰かの目にとまって雑談をするきっかけになる。

 

リモートチームのための3原則

①仕事中の雑談を推奨する
特に大事な雑談は、チームや働き方などの仕事についての話をする事である。リモートワークの弱点は、廊下や食堂などでの自然に交わしていた会話が失われてしまう点である。それを補うためには意識的に雑談をする必要があるため、雑談を推奨するくらいでちょうどいい。

②ワークタイムを揃えて働く
チームであるからにはいつでも話し合える事が重要である。そのために、だいたい同じ時間に働く事を前提にする。

③社員全員でリモートワーク
リモートワーカーを社内の少数派にしない。社内でイレギュラーな存在になってしまうと、オフィス側にとっては負担に感じるし、リモート側は改善の提案がしにくくなる。オフィスも含め全員がリモートワークをしているという前提にして、それが特別なものではないようにするべきである。