人は誰もが固有の天才性を持っている
天才は、まずは自らの天才性を発掘し、その天才性に忠実に生きることによって作られる。
つまり、天才=「天才性を知ること」+「天才性に忠実に生きること」
ここでいう「天才性」とは、個人が生まれた時に授かっている、他者と全く異なる特性のことである。天才性は個性や才能とも違う。個性は能力よりキャラクターに近く、才能は能力を表すもの。天才性は個々人に特有で、1つとして同じものがない。人間は皆、人と異なる特性を必ず持って生まれる。しかし、多くの人は自分の天才性に気がついていない。
自分の天才性を見つける方法
天才性に基づいた生き方を選択し、天才性に従って生きるための環境を設計する一連のプロセスをジーニアスファインダーと呼ぶ。ジーニアスファインダー(https://geniusfinder.me/)のステップは、以下の3つで構成されている。
①とげぬき
過去(記憶)を整理して幼少期に植え付けられた自己評価や偏見を洗い流す。まずは物心ついた頃に起こったこと、それに対する当時の感情、今思い起こしてみた時の感情などを洗い出す。沸き起こった欲望や妄想、持っていた偏見、強い怒りの感情や、後悔の念、消化されない憎悪、それらすべてを書き出してみる。
- 自分が本当に好きなこと(とその深い理由)
- 自分を突き動かすモチベーションの中心にあるもの
- 自分が遺伝的なレベルで得意なことや苦手なこと
- 自分の偏見とそれが生まれたきっかけ
- 普段、蓋をしている深い悩み(トラウマ)
まずは横軸に0歳から現在までを5歳単位で目盛りをつけて線を引き、縦軸に「やったこと」「感じたこと」「結果」を書き出す。これらを評価することなく「ふむふむ」と客観的に見つめる。過去のことを回想した最後に「繰り返さないために、今、何を自分と約束するのか」を明確にし、その行動を積み重ねる。その積み重ねが自己俯瞰の習慣として定着していく。
②天才性の抽出
自分のコア(存在の本質)から輝き出る光である天才性を明らかにする。天才性を言葉にする時には、抽象的であり、より微細であり、できるだけイメージがしやすい形にすることが必要である。そのためには、自分の天才性について解像度を上げて考える。この作業は「自分は何々が得意だ」といった主観的な認知に加えて、他者からの客観的なフィードバックがあった方が良い。
天性性のヒントは、昔からずっと好きだったこと、いつまでもやっていても飽きないことの中に埋まっている。①で作った「棚卸しシート」を用いて、「自分のコア」を探していく。シートの一番右に「自分のコア」を記載する。自分のコアとは、生来持っている天才性と、根源的に持つ願いである。
- 結果を見て、周囲の環境や関係性への変化に特にインパクトの大きかったものをピックアップする
- やったことを見て、その中で関心を引かれた対象や行動のパターンを言語化する
- 感じたことを見て、そこに込められた願い、全体に共通するものを探す
自分のコアが見えてきたら、「意識のマトリックス」というツールを使って、自分の意識が飛びやすい方向を見つけていく。天性性は、意識が吸着しやすい方向性で決まる。意識は大きく分けると、以下の4つの方向性がある。
- 国語(想う):目の前の人の感情を微細に知覚することに長けている。
- 算数(描く):物事を抽象的に捉えたり、イメージとして描くこと、考えることに長けている。
- 理科(感じる):自然や生命の仕組み、理を感じやすい。人を除いた世界のありようを感じる力が強い。
- 社会(観る):個人より人々に対する関心が強い。観察することに長けている。
4つの方向をさらに2つずつ分解し、8つのポジションに分け、実際に自分がどこに入るのかを考える。意識の方向性がわかれば、天才性を伸ばしやすい方向がわかる。
③再構築
天才性に基づいた生活環境や仕事を作り直す。具体的にどのような仕事に就き、どういったライフスタイルを取るのかを考える。この作業のポイントも、細かく解像度を上げて考えること。どんな業種や業態、会社でも通用する内容、つまり自分のどういう特性を使ってどのようなスタンスでどんな組織でどんな機能を提供し、価値貢献するのかまで考える。仕事だけでなくライフスタイルも同様で、誰とどこに住み、どういう環境が自分にとって快適かを考える。大事なことはライフスタイルが先で、仕事が後ということ。
これらのステップは順番に行うのではなく、いったりきたりしながら何回も行う必要がある。