集中力をコントロールするには習慣化すること
疲れていてもパフォーマンスが落ちない人たちは「自動化」「習慣化」という方法で、自分の集中力を維持している。集中力を発揮する時、人は脳の前頭葉を使うが、習慣化すると同じ作業を小脳が代わりに担ってくれる。すると、前頭葉の疲れる度合いが劇的に減り、集中力を発揮できる時間が延びていく。
大切なのは1つの行動にフォーカスし、1つずつ着実に習慣化していくこと。すると究極の集中力が手に入る。
集中力の高め方
集中力が湧き出す泉は前頭葉にある。前頭葉は、思考や感情をコントロールする力「ウィルパワー」を生み出す。ウィルパワーには一定の量があり、集中力を使う度に少しずつ消耗していく。集中力の源であるウィルパワーを高めるには、次の2つの方法がある。
①ウィルパワーの総量を増やす方法
日頃、無意識に行っている行為を「やらないようにすること」は強い集中力を必要とする。姿勢に気をつけるだけで集中力を鍛えることができる。無意識に行動に「はっ」と気づき、改めるという行動を繰り返すほどウィルパワーを鍛えることができる。
②ウィルパワーの消費量を、日々の行動や習慣を変えることで節約する
人は行動ではなく「意思決定」で疲れる。だから決断はすぐに下した方がいい。即決できる仕組みを作った方がいい。1日を通して集中できる人たちは、行動を習慣化させ、定着させることでウィルパワーを使うことなく集中状態に入っている。
集中力の高い人は、実は長時間集中していない
そもそも人間の脳は集中を持続させないようにできている。最新の研究では、十分に鍛えられている人で「120分」とされている。一見、集中力がずっと続いているように見える人ほど、うまく休憩を挟み、短時間の集中状態を繰り返している。
この「集中力は長く続かない」という性質を逆手に取り、集中できる時間を効率的に使っていく方法がある。それは、あらかじめ時間を短く区切り、「もうちょっとやりたかった」「もう少しやれたかな」というところで仕事や勉強を打ち切ってしまう方法である。途中で手を止めるメリットには、「疲れがたまりにくい」「時間管理がしやすい」「早く続きがしたいと思える」という3つがある。
集中力の高い人は「疲れ」を脳でコントロールしている
脳が感じる疲労感は単なる思い込みで、やる気やモチベーションが下がったというのも主観的なもの。脳の仕組みを知れば、疲れを切り離し、やる気と集中力を取り戻すことができる。
人は観念によって行動が変わる。暗示が脳に与える力は非常に強大で、これを意図的に利用することで集中力を高めることができる。それには「集中力を保つことができた」と、自分が感じられた環境や時間を記録する方法がある。自分がどのくらいの時間、どのような環境でいると集中できたのかを記録すること。それを繰り返すうち、脳にはプライミング効果による暗示がかかり、その環境、その時間帯には自然と集中できるようになる。