マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

発刊
2017年1月24日
ページ数
388ページ
読了目安
551分
推薦ポイント 12P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

社員の創造性と生産性を高める方法
社員の創造性と生産性を高めるために、マネジャーはどうすればいいのか。ハーバード・ビジネススクール教授が研究から導き出した、社員のパフォーマンスを高める方法が紹介されています。

インナーワークライフとは

ビジネスの成功と社員の幸せという二重の楽園を築くにはどうすればいいか。その実現の秘訣は豊かなインナーワークライフ(個人的職務体験)を生み出す環境を作り上げること。ポジティブな感情、強い内発的なモチベーション、仕事仲間や仕事そのものへの好意的な認識を育める状況を作り出すことだ。

インナーワークライフとは、職場での出来事に対する反応や状況認識を通じて体験する認識、感情、モチベーションから成り立つ。パフォーマンスにとって不可欠なインナーワークライフは個人の職場での経験にとって重要なものだが、普通周囲からは認識できない。そのため、インナーワークライフの重要性を理解しているマネジャーでさえ、目で見て計測できないのに、どうやって対処すればいいのかとジレンマを抱えることになる。

インナーワークライフはパフォーマンスに影響する

インナーワークライフは、人間の認識と感情、モチベーションが1日の中で織りなす相互作用である。この3つの要素は互いに影響し合い、その人の主観的な体験を形作る。

インナーワークライフ効果には3つの現れ方がある。作業への集中、プロジェクトへのエンゲージメント、懸命に働こうという意欲である。インナーワークライフがポジティブな状態の時、人はより仕事自体に注意を払うようになり、よりチームのプロジェクトに深く関わるようになり、素晴らしい仕事をしようという目標を強く持つことが多い。インナーワークライフが悪い状態の時、人は仕事から気が散り、プロジェクトに積極的に関わらず、定めていた目標へ到達する努力を放棄することが多い。

進捗こそがインナーワークライフを向上させる

インナーワークライフを向上させる最も強力な要因は「やりがいのある仕事が進捗すること」である。これを進捗の法則と呼ぶ。

一方でインナーワークライフの最大の低下要因は「障害」である。障害は、マネジャーや仕事仲間がアイデアを切り捨てたり、必要な時に手を貸さなかったり、人の努力を台無しにするなど、他人の振る舞いによって直接的あるいは間接的に引き起こされる。そうした場面では、進捗の障害となるものを取り除くか無効化する必要がある。こうした出来事が重なると、組織に対するバックストーリーが悪化の一途をたどる可能性がある。

マネジャーの最も大切な仕事

進捗を手助けすることこそ、マネジャーにとってインナーワークライフに良い影響を与える最も効果的な方法である。たとえ進捗が小さなものであっても、重要な目標に向けて着実に前進しているという感覚は、その1日が素晴らしい日になるか散々な日になるかの大きな分かれ目となる。

やりがいのある仕事と言っても、それは社会にとって甚大なる影響を持つ仕事である必要はない。大切なのは自分の仕事が何かや誰かにとって価値のあるものだと自分が認識することだ。

マネジャーは仕事にやりがいを与えるために特別長く時間を費やす必要はない。現代社会のほとんどの仕事は、それに従事する人々にとってやりがいを秘めたものだ。一方で、マネジャーは社員にその仕事がどのように役立っているかを伝える必要がある。そして、最も重要なのは、マネジャーは仕事の価値を失くす行動を避けるべきだということだ。やりがいを失わせる確実な方法には次の4つがある。

①自分の仕事やアイデアがリーダーや仕事仲間から相手にされないこと
②自分の仕事から当事者意識が失われること
③自分たちが従事している仕事は日の目を見ないのではないかと社員に疑念を抱かせること
④頼まれた数多くの具体的な作業に対して、自分にはもっと能力があるのにと感じてしまう時