脳神経外科医が教える! 「疲れない脳」のつくり方

発刊
2017年5月19日
ページ数
206ページ
読了目安
210分
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冴えた脳を維持するために大切なこと
冴えた脳を維持するためには、生活習慣の改善が最も効果的である。脳神経外科医の著者が、冴えた脳、疲れない脳をつくるために大切なことを紹介している一冊。

脳を冴えた状態にするには、正しい睡眠が必要

脳には、次の活動のための休息時間である睡眠が毎日必要である。人の身体は約60兆の細胞でできている。そして、その細胞の1つ1つに時計がついている。その時計の周期は約25時間。1日は24時間であるため、どこかで合わせる必要がある。人の脳は朝起きて太陽の光を浴びると、「朝だ」と時間を認識する。そして、身体の各組織を構成する細胞の時計を順次リセットする。

脳を冴えた状態にするためには、この「身体の標準時間を整える」ことがとても大切である。喉が乾いて水が欲しくなった時に水を飲むように、眠くなった時に眠る。これが正しい睡眠の取り方である。脳は正しく睡眠を取り疲労を回復すると、また効率よく働けるようになる。「正しい」の基準は、朝が来た時間、「太陽」を参考にすると良い。

起床時間と就寝時間を規則正しくする

脳を冴えた状態にして、1日の仕事を順調に進めるためには、「起床の時間」「食事の時間」「休息の時間」「睡眠の時間」これらの規則正しい時間割づくりが必要である。

冴えた脳が使える時間をつくり出すためには、起きる時間・寝る時間などを固定しなければならない。起床時間、就寝時間は生体時計に直接関係する時間である。これらが毎日きちんと揃っていなければ、身体全体のバランスは簡単に崩れてしまう。

徹夜してでも、仕事が終わるまでは無理して頑張るというのは、いつまでも冴えた脳を維持するための脳や身体の体調管理としては、必ずしも正しい方法ではない。「仕事を途中で止めて見る」というのは、終わらない仕事に対する理性的な対応である。自分の感情を常にコントロールしている、これは冴えた脳を維持するためには、とても重要なことである。

調子の悪い時は生活習慣を見直す

誰もが毎日、調子がいいわけではない。こんな時、身体的にも精神的にも安定している人は「調子のいい日もあれば、悪い日もある」と割り切って考えることができる。しかし、体調の不安定な人は、割り切ることができない。人の思考は「脳」が司っている。脳は機能を担当する部位が大きく3つに分かれている。呼吸・心臓・睡眠、体温などを管理している「脳幹」、やる気、食欲など感情機能を管理している「大脳辺縁系」、思考などを担当する「大脳皮質」の3つである。体調が悪く、一番の基礎機能を司る脳構造、脳幹に問題がある時には、一番高度な機能である思考機能も、スラスラとうまく働かない。精神的に不安定な状態が続く時には、もう一度原点に戻って生活習慣から考え直すこと。案外原因が、睡眠不足や食事習慣の不規則といった身体的な不調にあることも多い。

心の安全地帯を増やす

ネガティブな状態に陥っている時は、感情の中枢・大脳辺縁系が安定状態にないと考えられる。基礎的な生活習慣から安定させることに加え、「心の安全地帯」を確保することも有効な対策となる。心が安全地帯にあるというのは「これならば自分にも確実にできる」というように、感情が物事を気持ちよく行えているのと同じような状況にあることを意味する。

安全地帯を作るためには、とにかく自分が確実にできることに目を向けること。1つ1つ確実にできることを増やすことは、安全地帯の数を着実に増やすことにつながる。安全地帯の数が増えると、気持ちは次第にポジティブに切り替わっていく。

効果的に「脳」を味方につけるための5つの習慣

①決まった時間に寝起きする
②朝起きたら、まず日の光を浴びる
③しっかり脳を目覚めさせる
④朝食をしっかり食べる
⑤体重、血圧、歩数を測る