全員“カモ” 「ズルい人」がはびこるこの世界で、まっとうな思考を身につける方法

発刊
2024年2月28日
ページ数
360ページ
読了目安
414分
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人はなぜ詐欺に騙されるのか
人間が持っている認知的な習性や癖を解説し、人はなぜ騙されるのかを紹介している一冊。

人間の持っている騙されやすい傾向を知ることで、重大な決断をする時には、どのようにすればいいのかが解説されています。詐欺行為に騙されないようにするために、正しく物事を判断するために、気をつけるべきポイントと対策を理解することができます。

人は目の前のものを信じやすい

人間には元々、目の前のものをそのまま信じやすい傾向がある。私たちは、はっきりとそれを否定する証拠が示されない限り、見聞きしたものが本当だと思い込む。この現象は「真実バイアス」と呼ばれている。人は今聞いて、すぐに信じ、後から時々確認するだけなのだ。

だから私たちは、相手の言うことを本当だと見なそうとする。「人は基本的に本当のことを話す」という共通の前提がなければ、社会は成り立たないからだ。けれども、そこには大きな問題がある。この真実バイアスは、あらゆる詐欺やペテン、悪徳商法にとって格好のターゲットになる。詐欺行為は、この人間の信じやすさを前提にしている。

 

どんな人でも騙される。どれだけ優秀で聡明な人でも例外ではない。真実バイアスに引きずられないようにするための、最初の重要な一歩は「少し受け入れ、多く確認する」ことだ。実践のポイントは、たくさん確認すべきなのはどんな時かを見極めることと、その方法を明確にしておくことだ。人間の認知的な癖や習慣、フックについて学び、詐欺や欺瞞の仕組みを知ることで、私たちは徐々に「少し受け入れ、多く確認」を実践できるようになる。

 

人間の認知的な癖や習慣

①集中

人間には、目の前にある情報に基づいて判断を行い、無関係な情報や邪魔な情報は無視する傾向がある。このような「集中」の習慣があるため、目の前にない情報の重要性や、そうした情報が存在することすら無視されがちになる。私たちがこの問題に対処するためには「何が欠けているのか」と問う必要がある。

 

②予測

私たちは世の中を理解するために、これまでの経験をもとに次に起こることを予測している。予測が間違っていれば、必要に応じて修正する。だが、予測していた通りのことが起こると、それに対して疑問を持たない傾向がある。また、予測が現実になるように働きかけてくる人に騙されやすい。
致命的な過ちを避けるためには、「これを予想していたか?」という、いささか逆説的な自問が必要になる。答えが「予想していた通り」であれば、それは確認が不十分であることを物語っている。こういう場合「もし正反対の結果を予想していたら?」と考えてみるといい。

 

③思い込み

私たちはある想定や考えに従うと心に決めると、めったに思い改めることはない。疑う余地のない想定の中には世の中を知るために不可欠なものもあるが、詐欺を見破り、未然に防ぐには、心に決めたことを進んで受け入れると同時に疑わなければならない。なぜなら、いつの間にか惑わされてしまうからだ。
結論を出す前に「自分はどう思っているか」と自問すること。当てはまる思い込みを明らかにして、一時的な想定として捉え直すことが、自分の判断が脆い基盤の上にあるかどうかを適切に判断する、唯一の方法である。

 

④効率

人は決断する時、徹底的に調べるよりも効率を優先して調べものの手間を省こうとしがちだ。だが、重要な決断時にはその習性を捨てなければならない。決断する前には、あとたった1つ、適切な質問をするだけで十分なこともある。私たちは、少し意識的になるだけで、相手の提案を受け入れてもいい時と、さらに詳しく調べる必要がある時を見極められるようになる。

 

人間の認知的なフック

①一貫性

一貫性を品質や本物の証として見ることは多いが、本物のデータにはほぼ必ずばらつきや「ノイズ」がある。現実的なレベルの脈絡のなさや誤差を探せば、騙されずに済むだろう。私たちはむしろノイズがあるのは当然だと見なし、ノイズがないことを問題にすべきである。「ノイズはどこにあるのか?」と問えば、滑らかなパフォーマンスを疑わしい目で精査するきっかけになる。

 

②親近性

親近性は真実性と正当性の大雑把な指標として利用される。私たちは、その親近感が元々ネガティブな情報に根差したものだということを忘れると、ポジティブな合図と捉える傾向がある。心当たりがあるが、理由がわからない時、本物に似ているだけで騙されているのかもしれないと疑った方がいい。「ただ知っているだけ」のことを頼りに重大な決断をする時、本当はそうでないのを知っていると思い込んでいないか「できる限り」見定めるべきだ。

 

③正確性

人は、正確性が厳密さや現実主義の証だとし、曖昧さはデタラメの証だとみなす。具体的で詳細な情報を与えられると、それが正確でよく調査されたものに違いないと思い込みがちだ。この種のカムフラージュをかいくぐって物事を見るためには、私たちは視野を広げ、対象を正しく比較しなければならない。

 

④有効性

小さな原因から大きな効果が生まれると主張する人がいれば用心すべきだ。有効性には必要以上に人を信じ込ませる大きな力がある。効果が現実にはあまりにも良すぎる話かどうかを判断するには、「何と比べて効果があると言えるのか」自問するとよい。