一流のリーダーがやっている部下のやる気に火をつける33の方法

発刊
2017年6月13日
ページ数
176ページ
読了目安
167分
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いまどきの若い部下の心を読み、動かす方法
部下の育成・指導に関する悩みが増えている。疲弊する上司に向けた、今時の若い部下の心を読み、動かす方法を紹介している一冊。

部下の本心を読み取り、適切な表現を発信することが必要な時代

今ほど上司にとって苦労の多い時代はない。その理由は3つ。

①全般的に若い部下が打たれ弱くなっている
②相次ぐM&Aやプロジェクトマネジメントの広がりで組織経営形態に無数のバリエーションが生まれ、急激に変化している
③個人のキャリア意識と組織観が猛烈に変化している

「仕事がつまらない、自分の能力が活かせない」と文句を言うのに全く自分磨きをしない社員がいる一方で、固定組織の範囲を超え、自由環境の中でフレキシブルに生きていく優秀な人もいる。この2群の距離が離れていく中、上司のリーダーシップがますます問われる時代になった。

今、上司に必要なのは、褒める以前に彼らが何を考えているかを一瞬で読み取る力である。そして彼らの感情が動くようにメッセージを発信することである。

言葉に出ていない部下の心を見抜く技術

①部下の目線に注目する
視線(アイコンタクト)は、一瞬でその人の本心を露呈するから、心を読み取る重要な手がかりとなる。慌てて下に視線を落とす。思わず瞬きをする。白目の真ん中で黒目がキョロキョロと一瞬左右に動く。それに気付いたら、話を止めて確認する必要がある。

②部下が真似をしている尊敬する相手を利用する
真似をするのは尊敬している証拠。部下の言動が誰かに似ていると気付いたら、話題の中に尊敬する相手の事例を出したり、場合によっては、リスペクトの相手に援護射撃を頼んだりすると効果的。

③同じリズム、言葉での反応が続く場合には注意する
部下の相槌が本物がどうか見抜くには「自動操縦」になっていないかに気づくこと。「ほう」とか「へえ」とか「そうだったのですか」などと、言葉が毎度同じリズムで同じ言葉が出てくるようになれば、自動操縦である。こんな時は、部下は内容を必ずしも理解していない。

④部下が笑っているからといって、信じない
笑いには「快のスマイル」と「社会的スマイル」の2種類がある。快のスマイルとは、自然と浮かぶ喜びの笑顔。社会的スマイルは喜びからきているとは限らない笑顔。その理由には「ネガティブな感情などを隠したい」「攻撃的な感情を悟られたくない」「相手に良い印象を与えて、自分の立場を確保したい」という理由がある。特に女性の場合、敵を作らないために社会的スタイルを浮かべることがわかっている。

⑤言葉と表情のズレで嘘を見抜く
その人が言葉で表している感情と表情がズレている場合、表情の印象が顔の上半分と下半分でズレている場合、口の周りがにこやかに動いているのに目の周りは動かず、0.5秒後に動き出す場合に注意して嘘を見抜く。

⑥弱気の仕草に気付き、言葉をかける
瞬きが増える、目を伏せる、唇を噛みしめる、唇が震える、舌なめずりをするなどの反応は、迷いや弱気がある時の反応。弱気の感情を隠している時こそ、人の提言を聞きやすいため、助け舟を出す。

部下の感情にまで届くメッセージ発信の技術

①理由を伝える
命令口調で指示を出しても、部下はついてこない。なぜこの仕事が必要なのか。やるとどんな良いことがあるのか。意義をしっかり伝える。

②「貢献」していることを伝える
若くて純粋な人ほど、人の役に立ちたい、「ありがとう」と言われたいという欲求を持っている。仕事は相手、社会、自分のためになると伝え、貢献しているという言い方でモチベーションをあげる。

③人づてに褒める
人づてに褒められれば、客観性を帯日、喜びを感じやすくなる。

④手柄を部下に渡す
チームで得た成果は、全て部下の手柄だと言う。