ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力

発刊
2019年10月3日
ページ数
267ページ
読了目安
266分
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自分の感情を丁寧に扱うことで世界が変わる
モバイルゲームやエンタテイメント施設などを運営するアカツキの代表が、モノが溢れている時代、感情価値こそが重要になると言い、自分の内面の感情を大切にすることを説く一冊。

目に見えないものが大切な時代

これからの時代は、ハートやつながりといった目に見えないものが中心になる。合理・論理など目に見えるものが中心の時代から、感情・ハートが中心の時代だ。「遊びやワクワクだけじゃ生きていけない」という言葉がこれからは逆になる。今まで、無駄だと言われた子供のような好奇心が価値を持つ。

頭で考えて社会に合わせて生きる時代は終わった。外側ではなく、自分の内側を大切にする時代だ。内側にあるハートに従って、自分の可能性を開いていく。そして、やること(Doing)だけでなく、自分の在り方(Being)も大切にしていく。

それは1人1人が自分らしくハートに従って生きる時代。そして、多様な生き方をお互いに認め合えて、みんなの人生がカラフルに輝く「ハートドリブン」な時代だ。ハートを大切にする人が、結果として社会的な成功も得られる。

感情価値の重要性が増す

人は物質的に豊かになり、安心・安全に対する欲求が満たされると、充実感やつながりといった心の欲求にシフトする。物質的な満足より精神的な満足を求めるようになっていく。

だから相対的に見れば、モノや便利さの価値はどんどん減少していく。その中では次のことが起きる。

・エンターテインメント、体験の価値が増大する
・全ての商品・産業が感情価値を中心にエンタメ化する
・働く人も感情価値を求めて集まる

感情価値は、エンターテインメント産業以外の領域でも、今後ますます重要になってくる。全てのモノやサービスの価値の源泉が、機能的価値から感情価値へシフトしていく中、感情価値で差別化することが求められる。それは、サービスに心が動く体験を加えるということだけではなく、自分たちの思想・哲学を大切にして差別化することと同じである。

これからの時代、購買行動は、その人の哲学・信念を世界に表現することと同じ行為になってくる。哲学に共感する商品を購入することで、自分も同じ信念を持っていること、会社がその商品を通して作りたい世界に貢献する仲間であることを感じられる。

自分の感情を丁寧に扱うこと

これからの時代は、正解がない、多様な時代だ。そこには人によっては、不安がつきものだ。ハートに従って生きていくのは簡単ではない。ビジネスの世界では、目に見えないものは取り扱われにくい。説明ができないものも許されにくい。

時代が変わった今は、正解は1人1人違うから、自分の中の答えが大切になる。外に正解を探しに行くのではなく、自分の内側にある正解に向き合う必要がある。多くの人が自分の内側の感情には気づかず、外側のことばかりに意識を向けがちだ。自分の内側に意識を向けて、感情を丁寧に扱うこと。自分の本当の想いに気づいていく。それを見つめていく。感情を丁寧に扱うと、自分の内側が成長・進化していく。それにより、世界の見方が変わる。見方が変わると、行動が変わり、人生が変わっていく。

この内側の進化のことを「魂の進化」と呼んでいる。内側が進化すれば、自分にとっての真実が変わる。感情を鍵に、心の扉を開く。内側が世界を創る。内側が変われば世界が変わる。

万人に好かれようとしない

1人1人価値観が違うし、色んな生き方があっていい。これからは、周りと同じ生き方じゃない方が、社会的にも成功しやすい時代になってくる。人々や自分の色を表現するカラフルな時代だ。

多様化が進む時代は、万人に好かれようとしないことが大切だ。1人1人信じるものや正しいと思うものは違う。共感するものも人によって違う。だから、ビジネスでも誰からも「いいね」と言われることより、熱狂的に共感される何かが大切だし、その方が成功の可能性が高い。