アイコン的組織論ー超一流のコンサルタントたちが説く「能力の好循環」

発刊
2017年10月25日
ページ数
268ページ
読了目安
313分
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卓越した組織に共通すること
「アイコン(象徴的な存在)」となった組織や企業にはどのような共通点があるのか。卓越した組織に共通する仕組みを紹介しながら、組織作りにおいて大切なことを説く一冊。

アイコン的組織に共通する「能力の好循環」

アイコン(崇拝の的)となるには、2つのことさえできればいい。

①あなたのいる分野で、称賛されるトップの存在になること
②想像を絶する期間、その状態を保つこと

とはいえ、ほとんどの組織はそこまで到達しない。それでも、そこにいきつく少数の精鋭もいて、50年、100年以上と長期にわたってその座を保っている。名門オーケストラやミシュランで星を獲得しているレストラン、無敵のスポーツチーム、卓越した企業。どの組織も並外れたものを作ったり、特別なことをしたりすることを目指し、それを何十年も続けている。その結果、誰もが認めるアイコン的な存在となっている。

アイコン的な組織では、成長を持続し、非凡な結果を生み続ける能力の循環が働いている。卓越したパフォーマンスが最高の「人材」を引き寄せ、素晴らしい働きをする「チーム」ができ、その人たちが目標を持って比類なき結果を「時間」を経ても生み出し続けている。こうして好循環は、自動的に持続していく。条件が整い、この循環を維持できると、時が満ちればその組織はアイコン的な存在となる。

人材

①最高の人材を惹きつける
アイコン的な組織は、その地位が持つ力を使ってトップレベルの人材を惹きつける。Aプレーヤーは、Aプレーヤーと一緒に働きたいし、学びたいと考えるからだ。この現象は、アップルでもマッキンゼーでも、コンセルトヘボウでも見られる。

②厳密な人選
トップクラスのオーケストラと、主要なコンサルティング会社の採用プロセスでは、驚くほど共通する点がある。第一に、能力テストで選考が行われる。第二に、実際に仕事をしている、将来的には同僚となる人達が選考を行う。第三に、求める水準が高い。候補者は選考するメンバーの大半に認められなければならない。

③パフォーマンス不足に不寛容
選定プロセスを通過した後も、アイコン的組織の求めるレベルでのパフォーマンスが常に要求される。

チーム

④継続的な能力開発
アイコン的な組織は、才能溢れる人達にとってこの上ない成長の場と言える。最高の人材から学ぶことができ、やりがいのある仕事で、自身の能力を最大限に発揮できるからだ。優れたリーダーは、メンバーの学ぶを組織内での機会にとどまらず推奨する。そして自身を高めるモチベーションを与え続ける。

⑤完全な能力主義
一番成果を上げれば、一番の報酬がもらえて重要な地位にもつける。報酬や特権が、一番大きい声を出した者、影響力を持つ知り合いがいる者、政治的なゲームが得意な者が手にするそうな組織は、アイコンとして成功することはない。

⑥相補的なリーダーシップ
リーダーは、優位に立ちつつ、権威主義的にならないように気をつける。チームの利益を自己利益に優先させ、既にある資質をスタート地点として、そこに付け足していく。つまり、リーダーとチームは相互補完的だ。

時間

⑦継続的なフィードバック
常に成長していくためには、継続的なフィードバックは欠かせない。個人レベルでもチームレベルでも必要だ。

⑧伝統に根ざした改革
アイコン的な組織では、伝統は継続と成功のために大切だ。だが「伝統」は、必要な革新を阻むための言い訳に使われるようなことがあってはならない。伝統と革新の程よいバランスはどこか、という問いには簡単な答えはない。大切なのは議論が続いていくことだ。

⑨限りない向上心
限りない向上心を持つ組織は「自身を上回る」、もっとよくしようという意欲が衰えることはない。その意欲こそが、アイコン的な状態を保つのに必要なものだ。

好循環はビジョナリー・リーダーから始まる

アイコン的組織の好循環は、1人あるいは複数のビジョナリー・リーダーが、はっきりと目に見える比類なき成果を上げるところから始まる。それを使って必要な人材を集め、しっかりとした結果を出していく。