アンチ・サボタージュ・マニュアル 職場防衛篇: 組織を破壊から守る9の戦術

発刊
2018年1月15日
ページ数
232ページ
読了目安
317分
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組織はこうしてダメになる
行き過ぎた従順さや過度な用心深さ、延々と続く演説、委員会の冗長な運営、細かい言い回しをめぐる論争など、CIAの前身OSSが第二次世界大戦中に作成した「組織をダメにする」スパイマニュアルをもとに、組織を破壊させないための対策を紹介している一冊。

サボタージュ・マニュアル

第二次世界大戦の最中、現CIAの前身である米国戦略諜報局(OSS)は、類まれな機密文書を発行した。OSS工作員は、ヨーロッパのレジスタンスに参加するメンバーを組織し、サボタージュ戦術の訓練をした。これらの手法は「サボタージュ・マニュアル」というごく薄い冊子で発行された。このマニュアルには、気づかれることなく敵組織を混乱させ、士気をくじくための簡単な方法が詳細に記載されている。

「タイヤに切り込みを入れること、燃料タンクに穴を開けること、出火させること、口論を始めること、おかしな振る舞いをすること、電気回路をショートさせること、機械部品を摩耗させることなど、めったに気づくことができない無数の個人的な行為を積み重ねることによって、枢軸国を消耗させ、目的の遂行を防ぐことができる。OSSとレジスタンス工作員は、内部から攻めるために、このマニュアル技術を使用した。

『サボタージュ・マニュアル』
http://www.bookvinegar.jp/book/12939/

1. 何事をするにも「決められた手順」を踏んでしなければならないと主張せよ。迅速な決断をするための簡略した手続きを認めるな

対策
・職務明細書や役割を見直して、個人的な判断が期待され、必要とされていることを明確にする
・能力評価基準と奨励制度を再考する
・極端な「継続的改善」を防ぐ
・間違いを寛容し、良い判断を称賛する
・確立されたプロセスの論理を問い、検証する

2. 「演説」せよ。できるだけ頻繁に、延々と話せ。長い逸話や個人的な経験を持ち出して、自分の「論点」を説明せよ。適宜「愛国心」に満ちた話を入れることをためらうな

対策
・タイムキーパーを任命する
・議題や明確な目標など、具体的に使えるものを提示する
・適切な参加者を決める

3. 可能なところでは「さらなる調査と検討」のために全ての事柄を委員会に委ねろ。委員会はできるだけ大人数とせよ

対策
・発端当初から役割を決定し、説明責任を明確に指定する
・その作業に委員会が必要か否かを確認する
・委員会は極力小さくする
・重要な委員会に誰が仕えるかを管理する
・明確で実行可能な期日を設け、進捗状況について定期報告を求める

4. できるだけ頻繁に無関係な問題を持ち出せ

対策
・会議やミーティングの際に共通の焦点やゴールを明確に言葉で表現する
・グループの活動から推測されることを理解し説明する
・ペース、形式、プロセスを設定する
・進行のためのテンプレートを準備する
・会議内容のレフリーを指名する

5. 通信、議事録、決議の細かい言い回しをめぐって議論せよ

対策
・フィードバックの主旨を問い、敷居を高くする
・手に入れたいフィードバックに焦点を絞り、会話を再構成する

6. 以前の会議で決議されたことを再び持ち出し、その妥当性をめぐる議論を再開せよ

対策
・その方向性にとどまることによる損失と利益、そして再検討することによる損失と利益を天秤にかける

7. 「用心深く」するように主張せよ。「合理的」になれ。他の会議出席者にも「合理的」になるように要請せよ。後に恥をかいたり、問題となるような軽率さを避けなければならない、と。

対策
・事実を要求し、メリット、デメリット比較表を作成する

8. あらゆる決断に対する妥当性について懸念を示せ。計画された行動はそのグループ権限内にあるのか、それが上層部の方針と矛盾していないのか懸念を投げかけろ。

対策
・到達すべき決定を明確に定義し、その過程の中でそれぞれが担う役割を明確に理解する