15秒以内で短く話す
人の集中力は15秒も持たない。このルールから、15秒を過ぎて同じ話を続けてはいけないことがわかる。30秒の時間がある時は、前半と後半15秒が2セットあると考えて話題を展開する。45秒であれば「序破急」の3分割、60秒であれば「起承転結」の4分割。いずれも15秒単位で話を組み立てるのが理想である。
話にメリハリをつけても、時間を持て余すことがある場合には、話の前か後に「無意味な余白」をつくる。例えば、ものをゆっくりと取り出すのに3秒を使い、残った秒数で取り出したものについて説明する。
伝わりやすい話し方、声の質を意識する
基本的には誰もが「高い声」と「低い声」を持っている。高めの声の方が人に話を聞いてもらいやすい。声が低くても通じるのは、みんながすでに集中して聞いてくれるという前提がある場合である。自分がどういう声を使ったら、他人に受け入れられるかを知っておくことが大切である。つまり、プライベートと人前での話し方の使い分けを意識する。
伝わりやすい声は、ただの大声とは違う。ポイントは、頭蓋骨を震わせて骨全体を響かせること。「んー」とハミングしながら、頭蓋骨が震える感覚を見つけるとよい。
また、声に緩急をつけてメリハリで伝える方法もある。話すスピードにメリハリをつけるのが有効である。ゆっくり区切って読むと「この単語を強調して伝えたい」という意図が伝わる。
余計な言葉を入れないことを強く意識する
人は話の中で言葉を選びきれない時、「えー」「あのー」などの場つなぎの言葉を入れがちである。一般的に「えー」「あのー」「まあ」などを連発していると「イエス・ノーの結論が出せない」「思考がまとまっていない」と受け取られる。「えー」「あのー」と言ってしまうクセを直すには、言わないように強く意識するしかない。
同時に話したい内容を明確に持つクセをつけることも重要である。話す内容がハッキリしていると、無意味な音を挟む必要がなくなる。「これだけは伝えたい」という情報を強く意識して、優先順位の高い情報から話すことを意識すると、余計な言葉が少なくなっていく。
「たとえ」はできるだけ具体的にする
話をする時、何かに例えると、相手の理解が格段にスムーズになる。例える時は、できるだけ具体的にすべきである。色々な選択肢の中から最適な具体例を提示することは、自分の記憶という池の中から、釣り針で特定の魚だけを釣るようなもの。普通の人にとっては至難の業なので、普段から具体例を出す訓練が必要である。
視覚的なイメージで例える訓練もしておくとよい。何かを見た時に、似た映像を記憶の中から探し出して、パッと口にする。これを普段から繰り返しておくと、いざという時に絶妙な例えを繰り出せるようになる。
語尾に曖昧な言葉を使わない
語尾の使い方で話の印象は大きく変わる。例えば「○○ですね」のように語尾に「ね」をつけると、途端に話やすくなる。確かに「ね」は、柔らかくて親しみやすく聞こえる効果があり便利である。但し、語尾に「ね」をつけすぎると、ちょっと押し付けがましい印象も出てくる。自分が「ね」を多用していると気づいたら、意識して削るべきである。
「〜と思います」のように、話を曖昧にする語尾も要注意である。厳しくみると、まわりくどい。大事なのは、自分の話がどの程度曖昧なのかを、自分自身が意識することである。