起業の目的を言語化する
漠然と起業すると、起業すること自体が目的となり、失敗する可能性が高くなる。「何のためにビジネスをするのか」という軸がないまま事業を立ち上げると、究極的にはお金を稼ぐことが目的になり、経済の奴隷になってしまうこともあるからである。それでは気持ちが続かない。
起業は「手段」でしかない。「起業という手段によって、自分がなし遂げたいこと=起業の目的」を実現するための「経営の軸」を持つことが重要である。起業の目的を言語化することで、会社が向かうべき方向が明確になり、取り組むべき事業かどうかの判断も悩まずにできるようになる。
ポジティブな感情を起点にビジネスを考える
同じ社会課題からの起業だとしても、感情の起点が「〜ねばならない」「〜すべき」というようなネガティブな感情ではなく、「こうなったら素敵だな」「こんな未来を見てみたい」というようなワクワクするポジティブな感情を起点にビジネスモデルを考えることこそ起業を継続するためには大切である。「自分自身がワクワクできるか」を起点に考える方が持続的なエネルギーが生まれる。
感情の起点によって、思考の過程が変容するため、生まれてくる事業の特色やビジネスモデルは異なる。ポジティブな感情でビジネスモデルを考えた方が、壁があっても、その先の美しい未来を見るのが楽しみで、どんな壁も躊躇せずに乗り越えようと自然と思考し、進める。
まず自分のために動く
環境や社会に対する関心が高まる中、世のため、人のためという考え方自体は大事である。ただ、物事を考える優先順位が「社会→相手→自分」となり、自分が置き去りになることがある。自分の気持ちと素直に向き合い、まずは自分のために動く。すると、動き出すための力が自然と湧いてくる。
やりたいことを選ぶ際、心に余白がある状態で意思決定することが大切である。気持ちが一杯一杯だと、余裕がなく、本当にやりたいことを素直に選ぶことが難しくなる。自分と対話し、自分の気持ちに正直に、本当にやりたいことを選んで、その道を進むこと。
自分の興味関心に意識のアンテナを向け続ける
己の人生をかけてすべきことを魅力的に語る起業家たちを見ていると「自分のやりたいことに運命的に出逢えて幸運な人たちだ」と思ってしまうかもしれない。しかし、そんな運命的な出逢いは急に訪れない。人生の蓄積の賜物である。
起業した頃は、明確ではないが「こういうことをやりたいのかも」という自分の意識の点を1つ1つ確かめると、行動が積み重なり線になる。そして線が面になり、ある日、運命的に出逢ったかのように、自分がやることが見えてくる。そうやって瞬間瞬間の自分の意識に素直に従い、機会を逃さずに行動を続けてきた人たちが、継続できる起業家になっている。
急に運命のように「やりたいこと」が降ってくるわけではない。「人よりも少しだけ、自分の興味関心に意識のアンテナを向け続けて生きている」ということである。時間をかけて自分の興味関心を探っていく経験はとても大切である。
自分の素直な気持ちと対話する
「やりたい仕事」を手にするには、どうしたらいいのか。まずは「自分はこれが好きだ」と言えるようになること。「これが好き」という感情は日々の暮らしの中で感じるものである。だからこそ、自身の内なる声に耳を傾けられるように、心の余白を生み出すことが大切である。心の余白を生み出す上で意識することは、自分に問いかけること。自分の中にいる自分に「どうしたいか」をいつも聞く。自分の素直な気持ちと対話することを習慣化できると、自分という人間への理解が深まる。
自分の「やりたいこと」に気づくためにも、まず「暮らし」を整えることが大切である。暮らしが整っていないと心も整わず、「本当は何がしたいのか」という自分の気持ちに気づきにくくなる。毎日1分でも良いので、自分の素直な気持ちを聞いてあげる時間をつくること。
そうして知った「私はこれが好き」という気持ちを言葉にして外に出す。つまり、積極的に人に伝えることで、自分を取り巻く世界が変わりはじめる。「今、こんなことをやっている」という現在進行形はもちろん、「やりたい」という未来への願望も発信することで、誰かがその願いを聞いてくれていて、「それなら一緒にやりませんか」と声をかけてくださり、実現できることが多々ある。
「やりたいこと」「得意なこと」「社会が求めること」のバランスを探る
「やりたい」ことだけでは事業を継続させることはできない。それが、需要を喚起できない商品やサービスだと、どれだけアピールをしてもお客様の目に留まらず、事業を継続することは難しい。
「どうすれば社会のためになるのか」「これからの社会で何が必要になるのか」という要素と、自分が「やりたいこと」と「得意なこと」のバランスを探り続けることが大事である。