10倍速で「未来の自分」になる方法

発刊
2024年10月29日
ページ数
352ページ
読了目安
427分
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目標から逆算することで自己実現する
多くの人は目先のことに捉われて、本当に大切な目標を達成できない。目標を明確にし、「未来の自分」を確信することが行動につながり、自己実現につながるとし、そのための課題と手段を解説しています。

「思考は現実化する」のアプローチを行動科学の観点から整理し、人生で重要な目標を達成するための方法を紹介しています。

人間の行動や振る舞いは目標に突き動かされている

科学では1900年代後半にかけて「人間とは当人の過去から直接つくられる副産物だ」とされていた。この考え方は「決定論」として知られている。人間の行動とは、その前にあるドミノによって倒される、1つのドミノに過ぎないという考え方だ。

しかし、現在の研究では、ある人物の行動や振る舞いは、その人の過去によって突き動かされたり、左右されたりするものではないことが示されている。それどころか、人は未来に引っ張られている。人は、自分の未来を考える能力を持つだけでなく、未来の可能性を描くシナリオを無数に持つことができる。私たちの行動は、すべてこの未来の展望によって突き動かされているのだ。

 

人の行動の背後には必ず、動機あるいは目標がある。人が活動する際には常に、目的あるいは理由があるのだ。目標や目的を意識的かつ明確に選べば選ぶほど、「どのように」という手段は自然と、なんとかなるようになる。そして目標にかなった行動をとるようになる。

「未来の自分」とのつながりの質が、今の人生や行動の質を決める。「未来の自分」とのつながりが強ければ強いほど、今ここで下す決断が賢明になることが、研究では示されている。「未来の自分」に思いを馳せれば、引退後の豊かな生活に向けて投資したり、運動したり、健康的な食事をしたりする可能性が高くなり、違法行為や自己破滅的な行為をする可能性は低くなる。

 

質の良い決断を下すには、その決断によって自分がどこに向かうかを知ることだ。まずは自分が何を求めているのかを考え、そこから逆算すること。目標を考えてから行動するのだ。但し「未来の自分」から切り離されていると、目先のゴールに夢中になってしまい、今の行動の質が低くなってしまう。「未来の自分」につながることで、幸せで生産的になれるし、成功できる。

 

「未来の自分」のステップ

①現状に即した目的を決める

人生全体の目的を決めようとするよりも、今この瞬間に、自分にとって最も重要だと思う「今の状況に合った目的」を決める。その目的は、10年以内のものにする。目的を明確にするには、次の3つを行う。

  1. 遠い先の「未来の自分」とつながる
  2. 最優先事項を3つの絞り、現状に即した目的を明確にする
  3. 3つの最優先事項に基づき、今後1年の大きな目標を立てる

 

②重要度の低い目標は排除する

今の生活の習慣、言動、人間関係や日々下す決断は、重要度の低い目標によってつくられている。重要度の低い目標を取り除いて、人生をシンプルにすること。全力で取り組んでいるということは、重要度の低い目標を追いやったということだ。

 

③「必要」から「欲求」、さらに「確信」へと高める

何かが既に自分のものであると確信している時、人はしていない時とは異なる行動を取る。「未来の自分」を詳細に想像し、そのビジョンを既に手に入れているものと確信して受け入れること。実際に手に入る前に確信すること、そして手に入れたいその状態になること。既に成功したと確信し、「未来の自分」の立場とマインドセットから行動を起こす。

 

④欲しいものははっきりお願いする

自分が全力で取り組んでいるか否かは、お願いすればわかる。直接的に、大胆に、悪びれもせずにお願いすればわかる。お願いをすれば、受け取り始める。時にはしつこくお願いしなくてはいけない時もある。恥だと思ってはいけない。欲しいものをはっきりとシンプルにし、お願いするのがうまくなっていくと、受け取るタイミングはどんどん早くなっていく。

 

⑤「未来の自分」を自動化・体系化する

行きたいところに速く、楽に行くには「未来の自分」を自動化・システム化することだ。戦略的なシステムを実装すると、その分の思考力が解放されて、焦点を絞ったり、自由に考えたり、計画したりできるようになる。システム設計とはつまり、目標を達成するために、できる限り摩擦がない自動的なルーティンをつくることだ。そして回避したいところに、摩擦や障壁をつくる。賢くシステムを設計するには、目標をはっきりさせ、それを簡素化することだ。

 

⑥「未来の自分」のスケジュールを決める

「未来の自分」になるためには、「未来の自分」に関するスケジュールを決めることだ。時間の自由を手に入れるには、スケジュールの責任を自分で負うこと。一番大切なものを最優先し、大切でないものを取り除く。時間と意識をどこに向けるかの責任を負うほど、「未来の自分」の実現はよりシンプルで楽になる。

 

⑦不完全な作業は積極的に完成させる

物事を始める唯一の目的は、終えることだ。手がけるプロジェクトが本当の意味で終わることはないが、それでも出荷しなければならない。出荷とは、自分の仕事と外の世界とがぶつかり合うことだ。完璧を目指すよりも、たくさんつくり出す方がいい。何であれ、完了させれば次のプロジェクトで活用できる何かが学べる。