メールマーケティングの教科書 誰でも成果を生み出せるメルマガの定石

発刊
2024年7月22日
ページ数
232ページ
読了目安
374分
推薦ポイント 8P
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メルマガで成果をあげるためのテクニック
メルマガでマーケティングの成果をあげるために必要なテクニックがまとめられた一冊。
SNSが普及した現在においても、メルマガは優れたマーケティング手法であるという調査を示し、メールマーケティングにどのように取り組めばいいのかが丁寧に書かれています。

B2BでもB2Cでも、コストをかけずに運用できるメルマガを効果的に取り入れるための具体的なテクニックが紹介されており、マーケティング手法の1つとして取り入れる場合には役に立ちます。

メルマガの成果をあげる3要素

メールマーケティングの成果は、次の3つの要素のかけ算で決まる。

 

①リストの質

態度変容を起こす可能性のある顧客をいかに多く集めるかが、質の高いリストの条件である。リストの質を闇雲に増やすことではなく、態度変容を起こす可能性がある質の高い人たちを大切にし、そのリストに対して適切にアプローチすることが重要である。

質の高いリストを作るためには、次の4つのプロセスを経る必要がある。

  1. 能動的な受諾を増やす
    受諾を増やすには「スムーズな登録導線」「コンテンツの事前明示」「魅力的なオプトインオファー」が有効である。
  2. 動的なセグメンテーション
    リストを興味・関心などの条件で分けてそれぞれに刺さるメッセージを出す
  3. 日常的なメンテナンス
    メールアドレスの入れ間違いと変更・更新漏れを防ぐ
  4. リエンゲージメントで復活
    無反応な購読者を隔離し、再びエンゲージメントが構築できるよう特別なメールを配信する

 

②コンテンツ

メルマガの平均的な閲覧時間は76%の人が「7秒以内」である。メールは140文字程度しか読まれない。そのため「冒頭の挨拶」も「編集後記」も不要。1通のメールに記載するコンテンツは1つにする。その理由は4つある。

  1. 件名に記載したコンテンツしか読まれない
  2. ファーストビューにすべきことを書かないと、顧客はアクションを起こさない
  3. コンテンツを作る手間を削減できる
  4. 開封率を最大化できる

 

読者がメールを開封するか決定する判断軸の1位は「メールの件名」である。メールの件名の基本は次の3つである。

  • 短くすること(15文字異程度)
  • 重要な情報ほど左に持ってくること
  • 読む動機を与えること

 

③タイミング

メルマガを読むか読まないかの判断基準は、「件名で判断」「送信元で判断」「気付いたものを読む」の順に多い。つまり、多くの人はメールボックスの一覧を確認して判断している。そのため、そもそもメールボックスを確認するタイミングで一覧にあるかどうかが最も重要である。

多くの顧客がメールボックスを確認するのは「手が空いたタイミング」である。BtoB企業なら平日の通勤時間やお昼休み、BtoC企業なら夜の余暇時間がベストタイミングと言われている。また、月曜や金曜よりも週の半ばの火曜から木曜にかけての方が開封されやすいとも言われるが、大事なのは自社の顧客の行動パターンを考えることである。

 

配信頻度を増やし、顧客がメールを見るタイミングでメールボックスの一覧画面に存在する可能性を高める方が、差出人名や件名を工夫するよりも効果が大きくなる。広告や宣伝を目的とする場合は、月に1、2回では少なすぎる。

 

ベンチマークとすべき指標

①不達率

計算式:エラーアドレス数/リスト数×1oo
基準値:5%未満(初回配信時)または1%未満(2回目以降の配信時)

不達率が高いと、迷惑メールフィルタによって迷惑メールとして判定される可能性が高くなるため、リストの定期的なクリーニングは欠かせない。

 

②開封率

計算式:開封数/配信成功数×100
基準値:15%以上(BtoBの場合)または10%以上(BtoCの場合)

リストを集めるだけ集めて一方的に情報を配信しているだけの企業では1桁台になることもある。リストとの関係性以外で開封率に影響するには次の4つである。

  • 配信タイミング
  • 差出人名
  • メールの件名
  • プリヘッダー

 

③クリック率

計算式:クリック数/配信成功数×100
目標値:1%以上

メールマーケティングの目的が態度変容を起こすことであるなら、最も重要なのがクリック率である。多くの顧客はコンテンツを「じっくりと読まない」「スクロールしない」ということを頭に入れてコンテンツを作る必要がある。ランディングページへの誘導などを目的としているならば、誘導するリンクとなるCTA(行動喚起)は必ずファーストビューに入れる。CTAはURLの文字列をリンクするよりも、テキストリンクで3倍、ボタンリンクでは8倍クリックされる。

 

④反応率

計算式:クリック数/開封率×100
目標値:5%以上

開封率とクリック率をそれぞれ単体で見ると誤った判断をしてしまう可能性がある。非常によくある間違いは、開封率を最大化すればクリック率も比例して増加すると思われがちなこと。実際には開封率が高くてもクリック率が低くなる場合は往々にしてある。「開封率が高く反応率も高い」状態を目指す必要がある。

 

⑤購読解除率

計算式:購読解除数/配信成功数×100
目標値:0.25%未満

購読解除率が高い場合、顧客のニーズと配信しているコンテンツのメッセージが合致していないことを示している。0.25%を恒常的に超えている場合は、メルマガの設計自体を見直す必要がある。購読解除率を下げるためには、リストの精査を行うことでターゲット外の顧客を減らすとともに、「リスト内の顧客とメッセージが一致しているか」ということも確認する。