竹之内の失敗

発刊
2024年6月17日
ページ数
208ページ
読了目安
226分
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成功と失敗から学んだユダヤファミリーの教え
マッサージ店「りらくる」創業者が、これまでの成功と失敗から学んだ経験こそ、「ユダヤファミリーの教え」だったと気づき、その教えを紹介している一冊。

美容師から独立して、マッサージ店を開業し、7年間で600店を展開し、270億円で企業売却。大金を得るだけでは幸福になれないとの気づきを得て、本当に必要なものとは何かについて買いています。

IDをインストールする

IDとは「アイデンティティー」のことで、「自分は何者なのか」という自己認識である。「自分が店長である」というIDを持つと、人間は自然にそれにふさわしい行動を取るようになる。同時に周囲の人もそういう風に見るようになる。成長したければ、自分より優れた人の真似をすることだ。

 

この考え方はマッサージ店「りらくる」を展開する時にも役立った。りらくるは創業当時、流行っていた同業のマッサージ店のいいところを徹底的に研究し、看板から接客、価格帯やお店の立地場所まで、同じようにやっていた。その結果、同じように成功し、その後も徹底的にそのスタイルを守ることで7年で全国に600店舗を展開することができた。

 

人は商品ではなく感情を買う

「人は感情を買っている」というのは、あらゆる商売の基本である。この言葉を忘れると、どんなに商売の経験が豊富でも失敗する。

りらくるが売っていたのも「マッサージ」というサービスではなく、「気持ちいい」という感情だった。「マッサージによって身体の不調を治療する」のが目的ではなく、あくまでお客様に「気持ちいい」という感情を味わってもらうことを目指していた。

 

否定から入らない

人は正しいことを言われても、最初に否定されると聞く耳を持ってくれない。相手の反感を買いそうなことを言う前には、必ず相手の心を開かせる言葉や、自分が相手の気持ちを理解していることを伝える言葉を前置きにする。そうすると、人は素直に言葉に耳を傾けてくれる。この会話の技術を「プリフレーム」と言う。

「相手のことを理解しているよ」というメッセージを前置きにすると、相手の受け取り方はガラリと変わる。

 

人がお金を払う三原則

人がお金を払う理由は、次の3つのパターンしかない。

  1. 相手が欲しいものを提供する
  2. 相手ができないことを提供する
  3. 相手はできるが面倒でやりたくないことを提供する

 

この三原則から導かれるのが、「みんながやりたがらないこと」を率先して引き受ける人にお金が集まるという法則。誰かの問題を解決できるとお金がもらえ、周りの人からもどんどん頼られるようになる。誰かに「悩んでいる」と言われたら、チャンスである。

 

自分の欲しいものを明確にする

人は明確に意識したものしか手に入れられない。脳は目や耳に飛び込んでくる膨大な情報を一瞬で選別し、自分が欲しい情報だけを取り入れる。だから、自分が欲しい金額、なりたい未来の姿を明確にすると、自然にそれを実現させるための情報が入ってくるようになる。

 

自分が欲しいものを明確にしないと、その目的に向かう正しい努力ができない。多くの人は目の前のことを一生懸命やっていれば、目標は実現すると思いがちである。しかし、現実はそうではない。努力している内容が「自分の目的地に向かっているか」ということを、常に意識する必要がある。

 

人の期待を上回り、信用を貯める

お金持ちになるには、まず信用貯金を貯めることが必要である。他人からたくさん信用されている人は、たくさんお金を持っているようなものだ。信用貯金が貯まるには、単に約束を守るだけでなく、相手の期待を上回ることが大切である。相手の予想を超える成果を出せば、より大きな信用を得ることができる。

人が「嫌がること」「面倒なこと」「困っていること」を見つけたら、それは相手の期待以上のことをするチャンスである。

 

数字と仕組みで会社を回す

「数字」と「仕組み」だけでビジネスを回そうとするのは、業態によっては正解である。りらくるのように多店舗展開できるようにするには「普通の人だけでお店を運営できるようにする」ことが必要である。優秀な人を採用したり、長期間のスタッフ教育をしなければお店が運営できないという仕組みにしていると、必ず店舗展開に必要な人材が足りなくなる。

りらくるでは、普通の人でもマッサージの施術を3日で覚えられる施術方法を考案し、誰もがお店の運営をできるような仕組みにこだわった。そして、この仕組みを回していくためには、すべてを数字で判断する必要がある。1人1人のスタッフを個人として認識したり、それぞれの事業を経営判断に持ち込んでいたら、多店舗展開は止まってしまうからである。

但し、「数値」と「仕組み」だけの経営では、人がどんどん離れていってしまう。

 

成功の要因を明らかにする

何かで成功した時に「運が良かった」で終わらせてはいけない。失敗した時、多くの人は反省して何が悪かったのかを振り返る。ところが、成功した時は「運が良かった」と言って成功の要因を考えようとしない。

成功の要因を突き止めることで再現性が生まれ、何度でも成功することができるようになる。成功の要因を明らかにすることで、他の人に伝えることができるようになる。