編集者のように考えよう コンテンツマーケティング27の極意

発刊
2014年1月28日
ページ数
327ページ
読了目安
468分
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コンテンツを作成するための教科書
ブログ、ソーシャルメディア、動画共有サイトなどでコンテンツをつくって、マーケティングに活用するための基本的な考え方が書かれた本。様々なマーケティング事例などが紹介されています。

コンテンツマーケティングとは

マーケターならば、誰もがコンテンツを生み出す。ウェブサイトやソーシャルメディア、ブログ、動画共有サイト、メルマガなど、様々なデジタルチャネルを使って、それらを世の中に広げようと躍起になる。そんな時代がきている。デジタルの世界においては、編集者のように考え、編集者のように情報を発信する方法を身につけなければならない。

 

コンテンツを使うことは販売でもなく、広告でもない。相手を引き付けるマーケティングである。消費者が必要だと探している時に、信頼できて、わかりやすく、役に立ち、思わず注目したくなり、面白い情報がそこにあるという状態にすることだ。

調査会社の統計によると、ビジネスにおける意思決定権を持つ人の80%は、企業の広告よりも記事本編から情報を得る事を好むとしている。そして、その内の70%は「コンテンツマーケティング」が企業の役に立つ事に気付いている。コンテンツマーケティングはブランドの認知や、信用、権威、忠誠、安心感を得るための助けとなる。

 

コンテンツマーケティングのキモ

コンテンツマーケティングを、コンテンツをつくって発表する事だけだと考えているなら、考えなおす必要がある。オンライン上の声に耳を澄ます事が、コンテンツマーケティングの基礎となる。オンラインでの理性的な会話やニュース、ブログ、インフルエンサー、および他のオンラインコンテンツの声を聴く事なしには、効果的なコンテンツマーケティングの戦略を練る事も、ましてや実行する事もできない。

 

コンテンツマーケティングのキモは、聴いて、対応すること。そして受け手の声に基づいて、適切なコンテンツをつくる事だ。オンラインコンテンツの制作については、次の割合でリソースを配分するのがいい。

・聴くこと:25%
・コメント&対応:50%
・つくること:25%

 

編集者になったつもりで考えよう

IBMの発表によると、ブログをはじめた企業の約80%が、5つ目の投稿をする前に早くも更新をやめてしまったという。多くのマーケターが忘れているのが、継続的に情報を発信するための基本的な心構えだ。メディアは無料で手に入るようになった一方で、広告主は自社のメディアを運営するという新たな困難に直面する事になった。一番大変なのが、空白のページをコンテンツで埋めるということ。しかも、それを継続的に行うという事だ。企業はメディアに、マーケターは編集者になる必要がある。コンテンツの真のプロになるためには、14のステップがある。

 

①読者を知る
②カギとなるメッセージを設定する
(まず製品やサービスが、読者の日常生活にどのように関わるかを想像する事から始める)

③更新頻度を決める
④詳細な編集カレンダーをつくる
(コンテンツの種類と更新タイミングをマッチさせる)

⑤お決まりのコンテンツをつくる
(漫画、星占い、天気予報、上映中の映画リストなど定期的なコンテンツは、読者の再訪を促すのに効果的)

⑥インタビュー記事をつくる
(自分のアイデアが枯れたら、他の人に話してもらえばいい)

⑦マルチメディアを使いこなす
⑧エキスパートの力を借りる
(1回だけでも寄稿してもらう、連載もらえるように頼む)

⑨ユーザーが作成するコンテンツの力を借りる
(コメント、評価、感想、投票などが代表例)

⑩ニュースへの見解を述べて、編集する
⑪コメント機能をオンにする
⑫注意深く耳を傾ける
⑬リサイクルする
⑭見込み客の属性を把握する

 

他者のコンテンツを活用しよう

調査によれば、コンテンツマーケティングでマーケターが直面する最も大きな課題は、オリジナルコンテンツの作成(73.6%)、次いでコンテンツをつくる時間(73.0%)とされている。オリジナルコンテンツの制作には時間や人などの資源が必要になる。それゆえ、マーケティング上級職に就く人たちの約半分は、コンテンツキュレーションを使用している。

 

コンテンツキュレーションとは、あらかじめ設定した基準やテーマに沿って、デジタルコンテンツを選定眼を持って積極的に発見、収集、整理、共有を行うアプローチである。

オリジナルコンテンツを持っていなくても多くのウェブサイトにとっては大きな問題とはならない。Googleが良い例だ。そして、サードパーティのコンテンツを選別して集約する事が、オリジナルコンテンツを定期的に生み出し続けるよりも、制作者サイドにとって低い労力での運用につながるというのは明らかだ。