リアルタイム・マーケティング 生き残る企業の即断・即決戦略

発刊
2012年4月26日
ページ数
392ページ
読了目安
586分
推薦ポイント 14P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

これからの顧客対応に必要なこと
リアルタイムに顧客対応をしなければ、ネットで炎上するという事例を紹介。ソーシャル・メディア時代の顧客対応のあり方を説明している。

ソーシャル・メディアの社内利用を禁止している企業も多いが、そうした対応は、機会損失につながるとする。これからのマーケティング、PR戦略にとって大切なこととは何かがわかります。

『United Breaks Guitars』の教訓

シンガーソングライター、デイブ・キャロルは、ギターをユナイテッド航空に預けてあった。しかし到着後、ギターは壊れていた。

デイブは修理代を取り戻すために、何ヶ月にもわたってユナイテッド航空に電話をかけたり、メールを送ったが、一切補償に応じないという通告を受けた。

 

そこで、デイブは『ギターを壊すユナイテッド航空』という自作の曲をユーチューブに投稿した。この動画はわずか4日で再生回数100万回に達した。これに対し、ユナイテッド航空は、何の対応もしなかった。

一方で、この件に対し、ギターの製造元であるテイラー・ギターは、社長自らがユーチューブに登場し、ミュージシャン向けにギターの梱包法などをアドバイスした。この動画は50万人超もの人々に視聴された。この件以降、同社のギター製造本数は記録的な水準に達している。

 

スピードと機敏さが大切

メディア広告で消費者の注目を引き、思うままに誘導できた時代には、大企業のペースで世の中を動かすことができた。しかし、最近では、消費者は自分たちでペースを決めている。

「リアルタイム性」を特徴とする最近の事業環境では、世論はもはやマスメディアに左右されない。今日、重要なことは、企業規模やメディアを動かす力ではなく、スピードと機敏さである。

 

大企業はスピードの重要性を認識し、いざという時には猛然と動く事の重要性を肝に銘じながら、ビジネスに臨まねばならない。そのためには、以下の点に注意する。

・チャンスが逃げないうちに行動する
・その時々の状況に応じて動く
・部下に裁量を与える
・顧客のペースに合わせた対応をする

 

従業員が多いほど、リアルタイムでのコミュニケーションは難しくなる。指揮命令型の組織では、権限のないまま行動する訳にはいかず、自分から動こうとする人は押さえつけられてしまう。リアルタイムの発想を行き渡らせるには、指揮命令を当然とする意識を打ち破り、従業員に進んで行動するように促す必要がある。

 

リアルタイム・コミュニケーションを奨励せよ

大まかに調べたところでは、大企業の25%は従業員にソーシャルメディアの利用を禁じている。企業がリアルタイム・コミュニケーションを禁止する理由は以下の通り。

・何か都合の悪いことを書いて会社の評判を落とす可能性がある
・ツイッターでは、重要なビジネスに結びつくはずがない
・ソーシャルメディアに関わる時間を取られすぎる

 

この新しい時代には、現実を受け入れ、つながりを促し、持続的な成長へと結びつくコミュニケーション体制を取り入れた方が、企業が繁栄する可能性は高い。組織は、リアルタイム・コミュニケーションの手引きを設け、研修を行い、話し合いをすることが求められる。