複業コンパス 100社経験から語る複業実践ノウハウ

発刊
2024年3月4日
ページ数
252ページ
読了目安
241分
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推薦者

複業のはじめ方
これまで数々の複業で実績を積んできた著者が、具体的に複業を始めるための実践的なノウハウを紹介している一冊。
時間がない、自分の強みがわからない、仕事を受注できないなど、複業におけるハードルに対して、解決策を提示し、複業を成功させるために必要なことが書かれています。複業においては、特殊なスキルは必要ないとし、多くの人が複業するための再現性の高いノウハウを紹介しています。

複業で成功するために必要なこと

複業で成功するために必要なものは、決して特殊なスキルではない。大事なのは「複業先である企業の経営者・決裁者・責任者の要望を、周到なヒアリングを基に実現し、その期待を超えていくこと」である。そのためには、企業の要望を的確に把握し、課題の解決策を明快に提案し、担当者と強固な信頼関係を構築するためのスキルが不可欠である。

 

複業の準備をする

複業を始めるにあたっては、まず自身の適性・価値を把握する必要がある。そのために実践したいのが、次の3ステップである。

 

①職務経歴書

自分がこれまで行ってきた業務を時系列で洗い出し、自分のスキルや実績を俯瞰する。職務経歴書を作成したら、それが客観的に妥当な内容か第三者の目から評価してもらうことも重要である。

 

②ポートフォリオ

複業活動で判断される要素は、何よりもその人が持っているスキルである。しかし、文章ベースの職務経歴書を見せただけで、企業に「何ができるか」を的確に読み取ってもらうのは容易ではない。そこで、職務経歴書を図式化し、実績やスキルをより分かりやすく、解像度を上げた形で提示できるように可視化することが重要である。

ポートフォリオでは、強みとして打ち出したいキーワードを強調する形で提示する。さらに「スキルセットの一覧」を作成するといい。実績は過去の仕事から拾い、具体的な数値を示す。定量的な成果がない場合には、お客様から感謝されたエピソードなども1つの実績として伝えることができる。

 

③ハッシュタグ化

スキルや強み、実績の中から抽出したキーワードを作り、端的に表現できるようにする。複業クラウドのようなプラットフォームでは、どんな企業が見た時でもアピール度が高くなるように、多岐にわたるハッシュタグを見せておくことが重要である。実際に企業に提案する際は、企業側が求めているスキルや強みに合わせたハッシュタグに照準を当ててセレクトし、提示する必要がある。

 

複業をスタートする

複業は現状とは異なる「新しい仕事」をスタートする試みだから、実践していくには相応の馬力が必要となる。その馬力を有効に活用するためには、事前に「勝ち筋」を見つけておくことが肝心である。自分がどのようにチャレンジすれば良いか、どうすれば勝てるのかを知るためには、まず情報収集からスタートすることが鉄則である。現実に今ある複業の中で、どんな複業の仕事が自分に当てはまるのかを調べる。

 

具体的な情報の探し方としては、WEB上の複業マッチングプラットフォームを参照する方法がある。スタート時点で複業のプラットフォームを訪れて情報を吟味することが重要である。

ex. クラウドワークス、ランサーズ、複業クラウド

 

現在は多様な複業マッチングプラットフォームが存在する。その中から自分に合うものを選び、2〜3程度のプラットフォームに登録するといい。登録する時に気を配る見せ方のポイントは次の3つに集約される。

  1. 写真を掲載する(顔が見えない人はスカウトしにくい)
  2. スキルや実績を端的にまとめる(企業が1人の情報閲覧にかける時間は短い)
  3. ポートフォリオを登録する

 

プラットフォーム上で、企業からピンポイントでのスカウトを待つのは非現実的である。膨大な数の登録者の母集団の中から、企業側が人材を探していくのは困難だからである。企業からのスカウトをただ待っているのではなく、登録者が自ら募集案件にエントリーすることが受注の近道といえる。

 

マッチングプラットフォーム以外にも、複業先を見つける手段はいくつかある。

  • 複業エージェントに依頼する
  • リファラルを通じて企業とつながる
  • SNSを経由して複業先を見つける

 

複業案件を獲得する

複業の一般的な流れとしては、企業からオファーを受けた後で、その企業と面談の場を設けることになる。自己紹介のポイントは、「自分のスキルや実績をひけらかさないこと」である。最初に企業が提示したオーダーに対して、いきなり自分の得意分野をアピールしてしまうと、思うような成果につながらないことが多い。

なぜなら、企業が複業人材を募集する段階では、当面の課題が定まっている一方で、その先にある要望が意識されていないことが多いからである。自社の要望が曖昧な状態で、企業は複業人材に「とにかく成果を出してほしい」と期待するため、ミスマッチが起こりやすい。重要なのは、企業側が提示する課題をそのまま受け止めるのではなく、その根底にある要望を引き出して、その解決策を示すことである。

 

初回面談では得意分野のアピールではなく、相手企業から課題を聞き出すことに時間を使うべきである。いきなり得意分野をアピールせず、丁寧なヒアリングを基に、自分の関わり方を「後出し」することで、自分の価値を正しく伝えられる。