THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法

発刊
2018年12月5日
ページ数
416ページ
読了目安
505分
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成功しているチームの文化はどこから生まれるのか
成功しているチームの文化はどこから生まれるのか。心理的安全性を確保できるチームをつくることこそが、優れたチームを生み出す方法だと解説し、その方法を紹介している一冊。

成功しているチームの共通する3つのスキル

成功しているビジネス、優勝したスポーツチーム、幸せな家族には、必ず力強いチームの文化がある。強固なチームの文化を築くにはどうすればいいのか。

成功しているチームには共通のスキルがある。スキルは大きく3つに分けられる。

①安全な環境をつくる
つながりを示すシグナルが、帰属意識とチームのアイデンティティを育てる。

②弱さを見せる
弱さを見せることで信頼関係を築く。

③共通の目標を持つ
物語が共通の価値観や目標を生む。

安全な環境をつくる

チームのパフォーマンスを考える時、「安全」や「安心」は大切である。安心は、ただの気持ちの問題ではない。むしろ強固なチームの文化を築く基盤である。大きな成功を収めているチームのメンバーに、お互いの関係について尋ねると、たいてい彼らは「家族」という言葉で表現する。活気に満ち溢れていると同時にメンバーは完全にリラックスしている。

私たち人間は、言葉以外の方法で「帰属のシグナル」を送ることで、「安心できる関係」を構築している。帰属のシグナルとは、集団の中で「安全なつながり」を構築するような態度のこと。物理的な距離の近さ、アイコンタクト、エネルギー、相手と同じ動作をする、相手を気にかける、ボディーランゲージ、声の高さ、といったことである。帰属のシグナルには、3つの特徴がある。

①エネルギー
目の前で起こっている他のメンバーとの交流を大切にしている。

②個別化
メンバーを独自の存在と認め、尊重している。

③未来志向
関係はこの先も続くというシグナルを出す。

これらのシグナルをすべて合わせると、最終的に「あなたはここにいて安全だ」というメッセージになる。帰属のシグナルも言葉と同じで、ある孤立した瞬間だけでなく、同じ内容のシグナルを一貫して出し続けることが大切になる。

弱さを見せる

卓越したチームワークを観察すると、お互いに信頼していることがよくわかる瞬間がたくさん存在していることに気づく。なめらかで調和のとれた動きの中に、どこかぎこちない瞬間も見つけることができる。気まずい空気が流れ、あえて言いにくいことも口にする。難題に直面し、緊張感が高まる。それはあらかじめ起こるようにデザインされている。この気まずい瞬間があるからこそ、互いに信頼し、結束力のあるチームが生まれる。

チームの人間関係では、弱さを見せることが大きな役割を果たす。弱さを見せることは「自分には弱点があり、助けが必要だ」という明確なメッセージになる。メンバーの誰かが弱さを見せると、チーム全体がリラックスした雰囲気になり、「このチームでは強がらなくてもいいんだ」と安心する。そこから思いやりと助け合いの精神が生まれる。

共通の目標を持つ

成功しているチームは、共通の価値観や目的がはっきりしている。そして、自分たちの物語を語ることにかなりの時間を割いている。自分たちが何者であるかを言葉で表現し、その言葉を無限に繰り返す。

目的意識を高めるには、誰でも覚えられる簡単な標語をつくり、それを延々と繰り返すこと。その結果、目的意識の高い環境がつくられる。目的意識の高い環境には、現在の状況と理想の未来を結ぶ、小さなシグナルがたくさん存在する。メンバーはそのシグナルを受け取って、自分が今いる場所を確認し、これから目指す場所を知る。