自分の可能性を知る「リフレクションの本質」
脳は見たいものしか見ていない。つまり、あらゆる可能性が手に届くところにあるにもかかわらず、脳はごく限られた視界しか選択していない。これは自分自身についても同様である。誰もがごく限られた自分しか知らない。多くの人が、目の前のことに手一杯で、自分自身に意識を向ける時間や機会をほとんど取れていない。
自分自身を映す心の鏡を持ち、心の鏡に映る自分を見て自分自身を深く知る、自分の可能性を広げるのがリフレクションの技術である。リフレクションとは自分自身の未来や現在、過去をすべてありのままに客観的に映し、知ることである。その本質とは、見失っている自分の可能性を知ることである。
それは、心から望む自分の目的地と、ありのままの今の現在地、その道のりに自分の可能性があり、支えとなる仲間がいるということを、心の鏡に照らし映すことである。心から望む目的地を知ると迷いがなくなり、現状を超える圧倒的な行動と結果につながっていく。
リフレクションの3つの視点
リフレクションの実践で大切なのが、心を向ける3つの視点である。自分で決めた限界の外側に目を向けると、現状を超える心から望む自分の可能性を知ることができる。
①心から望む
現在は未来が作っているとも考えることができる。「今日の夜に◯◯を食べる」という未来を決めるから、決めた未来に向かって食事の準備を進める。すると、現在の行動が決まってくる。
決めた未来が原因となり、結果として現在の行動が決まる。そして、現在の捉え方が原因となり、結果として過去の認識が決まる。私たちは過去からの積み上げで現在の自分を決め、過去に囚われて未来を制限している。しかし、自分が未来を決めれば、過去の認識も変わる。未来を決めるからこそ、現在が作られる。
「夢を見たい」と思わない限り、夢を実現する手段に脳は気づかない。脳の本来持つ力をうまく利用するには、自分が大切にしたいこと、心から実現したいことを、一切の制約なく夢を描くことである。心から見たいもの、心から大事にしたいものをリフレクションすることである。
②今を生きる
心から望む目的地に正しく向かうには、目的地を知るのと同様に、今の現在地を正確に知ることが重要である。正確に現在地を知るからこそ、目的地に辿り着ける道が見つけられる。現在地を知るには、脳の仕組みを理解して、偏ってしまう視点をニュートラルにすることが大切である。
脳の働きの95%以上は無意識の働きである。無意識に作った「自分らしさ」という行動基準に基づいて、自律的に自動的に、高速であらゆる行動につなげる。この無意識を鍛え磨くことが、すべての行動に大きく影響を与える。無意識に意識的に介入することが、運命を決める。
無意識に意識的に介入するリフレクションの代表的な手段は次の通りである。
- アファメーション:心から望む自分らしさを言語化し、日々意識的にリフレクションを実践する
- ビジュアライゼーション
- セルフトーク:無意識のセルフトークを意識的にリフレクションする
③自分と仲間の可能性をつなぐ
自分自身が持つ関係性が自分自身の存在を定義している。すべての関係性は絶対的なものではない。自分が刻々と選ぶ関係性によって、常に変化し続けている。どのような関係性が必要かと選ぶのも自分次第である。
日本ではこの関係性を「ご縁」と言い、人との関係性を大切にするように育てられる。今あるご縁に気づき感謝する。ご縁をつなげ広げる。ご縁を信じ頼る。ご縁に頼ることで、心から望む自分らしいコネクションは築ける。
未来を見据えたリフレクションの実践が結果につながるという実感は、自分だけでなく、仲間にも広げることができる。自分に当然のようにある可能性は、仲間にも同様にあるということが、実感を持って理解できるからである。仲間の可能性を根拠を持って知ることができるため、挑戦を心から応援できる。
仲間の挑戦を心から応援する姿勢は、自分自身がリフレクションの効果を実感しているからこそ伝わる。自分自身が可能性に挑戦している実績が、挑戦する人の根拠となり、より仲間を勇気づけるのである。
仲間の可能性を知り、挑戦を応援する人を「ドリームサポーター」と呼ぶ。ドリームサポーターであることには、与えるだけでないメリットがある。なぜなら、心から仲間の可能性を応援する姿勢や言葉は「自分に対してのリフレクション」としても効果があるからである。