起業のはじめ方
①副業としてはじめる
・メリット
安定した収入源を持ちながら、副収入を得られる。経営者としての視点を身につけ、それを本業で活かして活躍できる可能性も生まれる。
・注意点
本業やプライベートな時間とのバランスを考え、副業のための時間を計画的に確保する必要がある。
②独立して、事業に専念する
・メリット
雇用されている時と異なり、自分の都合に合わせて働くことができる。自分の事業に時間を割けるので注力しやすい。
・注意点
事業が軌道にのるまでは、収益はあまり見込めない。あらかじめ、生活資金はしっかり確保する必要がある。
③個人M&A(事業の買収)
・メリット
既存の事業を行なっている経営者から、事業を引き継ぐ。既存のブランドや顧客などを活用でき、ゼロから起業するよりもリスクが少ない。
・注意点
なぜ事業を譲りたいのか、相手の状況を把握する必要がある。立地が悪い、赤字体質などの問題が隠れていることもある。
事業に必要な資源
現時点で自分に足りないものを確認し、準備をすることが大切である。
①ヒト
社員や役員、顧客になってくれそうな人や外注先など、ビジネスにつながる人だけでなく、困っている時に助けてくれる人たちなど、人脈を広く築けているか。
→今の人間関係を大切にすること以外にも、業界セミナーや異業種交流会に参加するなど人脈を増やす
②モノ
オフィスや店舗のほか、自分が商品・サービスを提供するために必要な機材、技術、ノウハウなど事業を運営する上で必要になる物資やリソース。
→資金が足りないなら、中古品やレンタルなど、費用を抑えて準備できる手段を考える。
③カネ
事業のために使える資金。預貯金や退職金といった現金だけでなく、株などの金融資産も含まれる。
→まずはできるだけ自分で貯める計画を立てる。不足しているなら事業規模の縮小や起業の延期も検討する。
事業選びのポイント
次の3つが重なる部分で起業すると、成功の確率が上がる。さらに、現実的に考えて成功しそうかどうかも考えられるといい。
①社会が求めていること
ニーズがあるものを考える。自分がいいと思う商品・サービスでも、欲しいと思う人がいないとビジネスとして成り立たない。見つけるためには、周りの人に困りごとや関心があることを聞く、街を歩く、新聞やネットで情報収集する。
②自分ができること
商品・サービスを思いついても、実現できる力がないと提供できない。自分にどんな強みがあるのかを考える。見つけるためには、自分の性格や特技、持っている人脈や経験してきたことなど、自分について、なんでもいいから書き出してみる。
③自分がやりたいこと
起業で成功するためには、多くの労力を必要とする。「自分のしたいこと」のためだとモチベーションを保てるし、その熱意が人に伝わり、信用を得ることにもつながる。見つけるためには、自分が興味のあることを考える、自分のなりたい未来を想像する。
ビジネスアイデアの生み出し方
世の中には、既にたくさんのビジネスがある。その中で自分のアイデアに活かせるものを探してみる。既存のビジネスと自分のアイデアを掛け合わせるといい。そのためには「オズボーンのチェックリスト」が役に立つ。
- 転用できるか? 広く認知されていないものを導入したり、改良したりして新たな使い道をつくり出す。
- 応用できるか? 成功している商品・サービスの中に真似できる要素がないかどうかを考える。
- 変更できるか? 色、音、匂い、材質など、変更したり、追加したりすることで使える要素があるものを考える。
- 拡大できるか? 大きくしたり、強く、高く、長く、厚く、広くする。時間を延ばしたり、頻度を増やしてみる。
- 縮小できるか? 小さくしたり、弱く、低く、短く、薄く、狭くする。手順を減らすなど、削れる要素を考える。
- 転用できるか? 材料や素材、方法、動力など、代わりに使うことができるものがないかどうかを考える。
- 再利用できるか? 要素や型、レイアウト、順序などを変えてアレンジできないかどうかを考える。
- 逆転できるか? 前後左右などの順番や、役割や目的、長所や短所を逆転させて使えるものがないかを見つける。
- 結合できるか? 他の商品・サービスから、組み合わせることができそうな、異なる要素を考える。
提供価値とUSP
普段から、あらゆる商品・サービスに提供価値を考えるクセをつけること。提供価値とは、本質的な価値。「この商品・サービスによって、何が得られるのか」を突き詰めて考えることで見つけることができる。
そして、「それは優れているものなのか」「ライバルにないものなのか」どうかを考えていく。するとUSPも見えてくる。USPとは、他社と差別化でき、顧客を獲得するための武器となるような「独自の強み」のこと。USPが他社と差別化できるほど、ブルーオーシャンで戦えて有利と言える。