幸せになれる脳をつくる 「ポジティブ」を取り込む4ステップの習慣

発刊
2015年4月25日
ページ数
329ページ
読了目安
447分
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幸せな脳をつくる方法
脳はポジティブな体験を繰り返すことで、変化し、より幸せを感じるようになる。神経学者である著者が脳の特性を解説し、ポジティブな体験を自らに簡単に取り組む方法を解説しています。

内面的強さを育てる

人の内面的強さには、ポジティブな気持ち、良識、誠実さ、内的な安らぎ、固い意思、温かな心、思いやり、愛着、EQ、レジリエンスなどがある。つかの間の心的状態とは異なり、内面的強さは安定した特性であり、幸福や賢明で効果的な活動、他者への貢献などの持続的な源泉となる。

内面的強さは、幸せと愛に満ちた実りの多い人生の基盤となる。平均すると、人間の強さの1/3は遺伝に基づいた気質や能力、気分、性格特性に組み込まれている。残りの2/3は時間をかけて発達していくものである。それらは、育てる事で自分のものになる。

脳は学習する器官であり、体験によって変化するように設計されている。私達が繰り返し感じる事、触れる事、望む事、考える事は、ゆっくりと神経構造を変化させていく。これは体験に依存する神経可塑性と呼ばれている。

 

ポジティブを取り込む4つのステップ

心の中でポジティブなものを育てるには、そうした体験を取り込む事である。そうする事で体験は脳に織り込まれ、その神経回路が構築されるので、どこに行こうとも、それらの体験を携帯できるようになる。長い間には、ポジティブな体験に対する脳の反応は徐々に俊敏にできるようになり、その結果、ポジティブな体験は迅速に、内面的強さになる。

ポジティブな体験を潜在記憶内に慎重に内在化させるには、4つのステップがある。

 

①ポジティブな事を体験する
体を動かす楽しみ、何かを決意した時の感覚、誰かに感じた親しみなど、既に自分の意識の前景や背景にあるポジティブな体験に気づく。あるいは自分でポジティブな体験を創る。例えば、ありがたいと感じている事柄について考えたり、誰かと友人を1人思い浮かべたり、自分のやり遂げた仕事を認めたりする。そして、考えた事を、できる限り感情に訴える報酬を伴う体験にする。

 

②それを強化する
5〜10秒、あるいはもっと長く、そのポジティブな体験を味わい続ける。その体験の中に感じられる感覚を受け入れ、それを体で感じようとする。その感覚で心を満たす。それを楽しむ。その体験に優しく働きかけ、それがより強い印象を与えるものになるようにする。それについて何か目新しい事を見つける。それがどう自分に直接関係しているのか、どう自分を育み、どう自分の力になり、どう自分の人生に変化をもたらしうるのかを評価する。

 

③それを吸収する
体験が自分の中に入り込んでくるようにするつもりで、そうなっていくのを感じ取る。それを自分の心にしっかり着地させる。

 

④ネガティブなものとポジティブなものをつなぐ
意識の前景に、ポジティブな体験の鮮明で安定した感覚があり、同時に、背景には何かネガティブなものがある事にも気づく。もしネガティブなものに注意を奪われたら、それは切り離して、ポジティブなもののみに集中する。ポジティブなものの中で再び心が安定したと感じた後、ネガティブなものも意識内に存在させてもいい。

 

ポジティブを取り込むための上達法

①ささやかな事の良さを味わう
良い体験をする機会は大抵地味にやってくる。Eメールを送り終えた時、電話が通じた時、友人がいる時など。

 

②ふさわしい時を見つける
朝目覚めた時に、他者の幸せを祈る、食事時に感謝の気持ちに浸るなど。

 

③自分のやり方でする
やり方は人それぞれである。

 

④楽しむ
ポジティブを取り込むときは「今」に留まり、自分の意識の中を流れていくものを掴み取ろうとしたりせず、流れていくままに楽しみ、それに心を開いて、それが自分の中にしっかり入り込むようにする。

 

⑤自分の味方になる
ポジティブを取り込むためには、自分自身を助けたいと思わなくてはならない。