ぜんぶ、すてれば

発刊
2020年4月17日
ページ数
206ページ
読了目安
134分
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人生に迷った時に読む、捨てる生き方の指南書
台湾企業の経営に携わった後、寺田倉庫で経営改革を行った風変わりな経営者として知られる著者が、自分なりの人生をどのように生きればよいかを説く一冊。自分の好き嫌いを大切に、何事にもとらわれずに、執着しないことの大切さを書いています。

今日がすべて

情報が多く、将来のことも、周りの人も気になる時代において、「今に集中する」のはどんどん難しくなっているかもしれない。しかし、事実として、夢中になって楽しむことができるのは今しかない。今この瞬間、ここにいる自分をもう一度見つめてみる。過去にとらわれず、未来に揺さぶられず、確かに味わうことができる今日に集中して精一杯楽しむ。その結果は、先々にいろんな形となって巡って来る。

 

今日できることは、今すぐやる

本当に明日が来ると信じてはいけない。今日できることは、今日のうちやる。今すぐやる。「何から先にやればいいのか」なんて考えなくていい。思いついた順に、なんでもすぐやれば、後悔することはない。

 

自分の中のレジスタンスを守り抜く

大きな何かを成し遂げようなんて、思わなくていい。自分の中に自然と生まれる「小さなレジスタンス(抵抗)」に目を向けて、蓋をしないようにするだけでいい。「自分はそうは思わないんだけどな」とふと感じた違和感を大事にすること。周りになんて、合わせなくていい。

 

準備万端の日は一生来ない

野球は打席が回って来るけれど、仕事や日常生活では打席のタイミングは自分で決めなきゃいけないことの方が多い。「まだ早すぎる。準備ができていないから」なんて言っていたら、いつまで経っても打席に立てない。「準備万端の日」は一生やって来ないと思った方がいい。何も考えず、思いきればいい。

 

目標はいらない

始める勇気と同じくらい、大事なのは「やめる勇気」。どうやってやめ時を見極めるかは「頑張りすぎている」と気づいた時ではないか。こだわるべきは細部ではなく、大きく自然な流れをつくること。不自然な力みが生じたり、「どこか自分らしくないな」と感じたら、そろそろやめる時期だと思った方がいい。

 

世の中に安定はない

世の中に安定というものは存在しない。永久に存続する企業もないし、自治体だっていずれは消えていくと言われる。そもそも自然世界そのものが、常に流れ、変化をし続けているのであって、今日と明日で1つとして同じものはない。

そんな世界の中で必要になるのは、安定を求める心ではなく、変化に対応する力。冷たい風を一瞬感じて立ち止まる力。そして、足先の方向をクルッと変えて、また颯爽と歩き出す力。

 

人生は取るに足らないもの

宇宙空間から眺めてみれば、自分の人生なんて、見えるか見えないかの取るに足らないもの。人が1人生まれて死ぬまでの時間は、宇宙に流れる時間のほんの一瞬。この世に存在するものすべてがそう。この世に永久に役立つものなんてつくり出せない。そう思えば、なんでも気楽にやってみてもいい。

 

捨てるセンスを磨く

何を捨てて、何を残すのか。その時々で「好き・嫌い」をハッキリ意識すること。理由は後付けでもいいから、直感で主観を示していく。それを何とかつくりあげていかないと、自分の中に主たる軸というものができない。

人間は慣れるとバカになる。頭を使わなくなって、衰えていく。だから、できるだけ不慣れな機会に身を置くことが大切だと普段から意識する。いつも同じ面子と会って、同じような会話をしてばかりだと、どんどん頭が衰える。大事なのは、自分に「負荷」をかけ続けること。むしろ見知らぬ町の市場に飛び込んでいって、店内で買い物をしているおばちゃんと3分話す方が刺激になる。毎日を豊かにする刺激は、日常の中にたくさん隠れている。

 

諦めて次に進めばいい

人はある種の諦めがないと、次に進めないことがある。向き不向きがよくわからなければ、もっと単純に「やりたいか、やりたくないか」で判断したっていい。どうも気持ちが向かないのに「あれもこれも、なんとしてでもやらなければ」と、なんでも抱えすぎていてはいけない。