結果を出せる人になる! 「すぐやる脳」のつくり方

発刊
2015年4月21日
ページ数
202ページ
読了目安
184分
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素早く決断し行動する脳のつくり方
ルールや規則が、脳を抑制し、ぐずぐずと物事を決められない結果を招く。何に対しても素早く決断し行動するためには、どうすればいいのかを脳科学者の茂木健一郎氏が解説。すぐにやる脳のつくり方を紹介しています。

真面目な人ほど動けない

世の中には2通りの人間がいる。何に対しても素早く決断して行動できる「すぐやる」人間と、なかなか物事を決められず、考え過ぎて動けない「すぐやれない」人間である。ビジネスの世界において、常に結果を出し続けている人は前者である。

 

「すぐやる」と「すぐやれない」という差には、脳の働きが大きく関係している。すぐに動けない人とは、脳の前頭葉が指示通りに機能して、抑制が利いてしまっている人の事である。「実行に移す前に、まずは慎重に検討しなければならない」「これが重要な事は理解できるが、常識で考えた場合・・・」、こうした決まりが脳の「抑制」となり、私達の行動にブレーキをかけてしまう。ルールに忠実で、真面目な日本人の脳が有効に働いているからこそ、すぐやれない「ぐずぐず脳」になってしまう。

 

深く考えない事を習慣化する

人間の脳には「すぐやる脳」と「ぐずぐず脳」が共存している。「すぐやる脳」の活性化は、脳の抑制を外せるかどうかにかかっている。これを「脳の脱抑制」という。

脳の抑制は、ほとんど無意識下で起こっている。自分自身も気付かない内に、脳が勝手に、やれないこと、やらないことを作ってしまう。そこで大事なのが、あまり深く考えない事を習慣化すること。仕事をバリバリやっている人や勉強を頑張っている人は、実は普段から仕事や勉強について深く考えていないし、考えないようにしている。

 

習慣化のためには「自分が何か特別な事をやっていると思わない」という「脳の脱抑制」が大事になる。目の前の努力を「頑張る行為」と意識せず、何も意識せずに行えるよう「習慣化」する事が成功への近道という事になる。最初は努力、つまり強度のある負荷がかかっても、いつかそれを「当たり前の行為」へと変身させるのが大事なポイントである。

 

「すぐやる脳」をつくる3つの法則

頑張らずに努力を習慣化させるのにおすすめなのが「脳内ダイエット」という考え方。一番大事な事は何かを考え抜き、目的達成に不要な要素であれば、思い切って脳の中から省いていく。何事も、頑張れば頑張るほど、一番重要な事に集中する必要が出てくる。

 

「何かをやらない」と決める事で、脳の中に空き地ができるのが脳の仕組みである。そうしてつくった空き地に、いろいろなアイデアや発想、ひらめきが入ってくる。但し、脳内にスペースをつくっただけで、行動力や創造力が勝手に生まれてくる訳ではない。行動力、創造力を生み出すためには、効果的な3つの方法がある。

 

①瞬間トップスピードを習慣化する
人間がいきなり行動を開始するためには、脳の背外側前頭前皮質という回路を鍛える事が必要。そのためには、特別に意識せず、その行為を習慣化する。あれこれ考える前にパッとやり、何度か試しているうちに、ある日考えずにできている事に気付く。

 

②雑談の時間をつくる
雑談は、特定の目的を持たない、創造性に富んだ自由なコミュニケーション。それは、脳のマッサージであり、同時に様々な価値観が芽生える脳のサプリメントでもある。この雑談の時間をつくる事で、創造力は大きく飛躍する。

 

③ベストエフォート方式をとる
諦めてやらないよりも、途中からでもやった方がいいじゃないかという考え方がベストエフォート(最善努力)方式である。やる気を持って何かをすぐやる時には「ベストエフォートでいいんだ」という事を、徹底的に自分に叩き込む事が大事なポイントになる。