プロダクトリサーチ・ルールズ 製品開発を成功させるリサーチと9つのルール

発刊
2022年4月6日
ページ数
284ページ
読了目安
556分
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推薦者

製品開発を成功させるためのプロダクトリサーチのガイド
顧客のニーズを捉えたプロダクトをつくるには、リサーチが必要である。市場調査、ユーザーリサーチ、プロダクトアナリティクスの3つを駆使するプロダクトリサーチの手法と、それを成功させるためのガイドが紹介されています。

プロダクトリサーチとは

プロダクトリサーチとは、ユーザーリサーチ、市場調査、プロダクトアナリティクスを活用しながら、プロダクトチームが適切なタイミングで継続的にインサイトを手に入れるためのアプローチである。プロダクトリサーチでは、市場調査とユーザーリサーチを利用して、ユーザーのためのプロダクトを理解する。そして、プロダクトアナリティクスを利用して、リサーチクエスチョンを作り、行動のエビデンスからユーザーを理解する。

プロダクトリサーチには、先入観を疑う新しい考え方が必要である。私たちは、偏見、エゴ、意図を持っていて、ユーザーからインサイトを手に入れることを妨げている。プロダクトリサーチのアプローチは、こうした課題に正面から取り組むものである。

 

プロダクトリサーチを効率的かつ実行可能にするには、まずはインサイトを生み出すマインドセットを持つことが不可欠である。それと同時に、行き当たりばったりの結論を出したり、冗長な確認をしたりすることなく、確実にインサイトを手に入れるには、決められたステップを守ることも重要である。

プロダクトリサーチを成功させるには、次の6つの基本的なステップがある。

  1. リサーチクエスチョン(何を知りたいか)を設定する
  2. リサーチ手法と参加者を決定する
  3. データを収集する
  4. チームで分析する
  5. リサーチ結果を共有する
  6. 次のサイクルを計画する

 

プロダクトリサーチの9つのルール

①恐れることなく間違える準備をする

誰もが自分たちのアイデアを成功する、楽しめる、有名なプロダクトに変えたいと思っている。しかし、ほとんどのアイデアはひどいものである。思っていた以上に何度も間違えることになるが、間違っていても構わないと思うこと。
自分の間違いを受け入れることがプロダクトリサーチの核心であり、エゴを捨てたチームだけが、素晴らしいインサイトを手に入れられる。インサイトを生み出すマインドセットを持つリサーチャーは、オープンマインドであり、できるだけ判断を保留して、目の前のリサーチクエスチョンに集中する。

 

②誰もがみんなバイアスを持っている

人間はバイアスを持っている。バイアスは話をする時、考える時、考えを共有する時に登場し、ひどく間違った結論を導く。バイアスを完全になくすことはできないが、バイアスを認識し向き合うことはできる。リサーチをバイアスで歪めないための方法は以下の通り。

  • 鏡をよく見る
  • 第三者の視点を探す
  • バイアスを意識する
  • 会話のスタイルに注意する

 

③優れたインサイトは問いから始まる

優れたリサーチは、手法や作成物からではなく、問いから始まる。リサーチクエスチョンは、手元にあるデータから生まれる。優れたインサイトを手に入れるには、単一で明確なバイアスのかかっていないリサーチクエスチョンが必要である。
リサーチクエスチョンにたどり着くには、根本的な問題が見つかるまで、直感を様々なレンズで何度も眺める。そして、興味のある領域に関するリサーチクエスチョンを1つだけ作る。

 

④計画があればリサーチはうまくいく

手法の選択、参加者の選定、フィールドガイド、プロトコル、コミュニケーション計画の準備には時間がかかる。但し、こうした投資はセッションや分析の段階で回収できる。

 

⑤インタビューは基本的スキルである

ほとんどのリサーチにおいて、人と話す。インタビューはすべてのリサーチ手法の基本である。インタビューのテクニックが向上すれば、参加者との強い絆が生まれ、そこから個人的で豊かな学びが得られる。

 

⑥会話ではうまくいかない時もある

シンプルな会話だけでも学びは得られるが、深いインサイトを発見するには、その他のテクニックも必要になる。アナリティクスや量的データ分析も使うが、それ以外にも、参加者と一緒に作業をしたり、参加者にタスクを実行してもらったりする質的手法も使う。こうすることで、インタビューだけでは得られなかったインサイトが明らかになる。

 

⑦チームで分析すれば共に成長できる

リサーチ結果に対して同意を求める時は、ステークホルダーを巻き込んだ分析から始めるといい。分析にステークホルダーを巻き込むことで、リサーチ結果を受け入れてもらいやすくなる。また、結果を行動につなげてもらいやすくなる。

 

⑧インサイトは共有すべきものである

誰も読まないレポートにインサイトが書かれていても、プロダクトには取り込まれない。プレゼンテーションは、長く読みづらいレポートに頼ることなく、リサーチ結果を共有できる優れた方法である。

 

⑨リサーチの習慣がプロダクトを作る

リサーチは一度限りではない。プロダクトリサーチを取り入れているチームは、定期的にインサイトを明らかにするだけでなく、そのインサイトからプロダクトを素早く作り上げ、さらに改良したプロダクトを生み出していく。