読んだら忘れない読書術

発刊
2015年4月14日
ページ数
251ページ
読了目安
289分
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記憶に残る読書法
記憶に残らない読書は時間の無駄である。多くの本を読み、様々な書籍を出している精神科医が、知識を定着させる読書の方法について紹介しています。

記憶に残らない読書は意味がない

読書をしても、その本の内容を忘れてしまっては意味がない。具体的に記憶に残すにはどうすれば良いのか。脳科学研究を集約すると、最も効果的な記憶術として「最初のインプットから、7〜10日以内に3〜4回アウトプットする」という事が明らかになっている。

人間の脳には、膨大な情報が流れ込んでいる。そのため情報を全て記憶するとパンクしてしまう。そのため人間の脳は「重要な情報」以外は全て忘れるようにできている。脳が「重要な情報」と判断する基準は2つ。「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」である。前者は「1週間に3回アウトプットされる」情報を指す。

 

精神科医の読書術の3つの基本

①1週間に3回アウトプットする
・本にマーカーを引き、気づきやひらめきを書き込む
・複数の切り口で人に勧める
・Facebookなどで本の感想をシェアする
・書評やレビューを書く

②スキマ時間を利用して効率的に読書をする
・通勤時間など制限時間の決まった環境で集中力を高めて本を読む
・集中力を維持しやすい15分単位のスキマ時間を活用する
・記憶に定着しやすい寝る前の時間に本を読む

③速く読むよりも深く読む

 

アウトプット読書術

本を読んで「1週間に3回アウトプットする」と記憶に残る。具体的なアウトプットの方法は次の4つ。

①本を読みながら、メモをとる、マーカーでラインを引く。
②本の内容を人に話す。本を人に勧める。
③本の感想や気づき,名言をFacebookやTwitterでシェアする。
④Facebookやメルマガに書評、レビューを書く。

これら4つの内、1週間以内に3つ行えば、やらない時と比べて圧倒的に記憶に残る。

 

脳内物質読書術

「心が動いた出来事」は忘れにくい。喜怒哀楽に伴って、記憶力を増強する脳内物質が大量に分泌されるからである。ドーパミンは、私達のモチベーションを高めてくれる重要な物質であり、かつドーパミンが分泌されると記憶力も高まる。

興味、関心、好奇心が高まった時にドーパミンは出る。書店に行って「この本面白そう」と興味が湧いた本を発見した瞬間、ワクワク感に包まれる。「おもしろそう」と思って本を買ったなら、買った直後からすぐに読み始め、一気に読み終えてしまう。すると強烈に記憶に残す事ができる。

 

スキマ時間読書術

東京に通勤するサラリーマンの片道の通勤時間は平均1時間。2〜3日の通勤時間を合計すれば4〜6時間になり、本を1冊読むには十分な時間が積み上がる。電車の中でスマホを見るのは、最大の時間の無駄である。1日10回もメールやメッセージをチェックする必要はないし、スマホでメッセージを返信するよりも、パソコンで返信した方が何倍も早い。スキマ時間をスマホに使うのか、読書に使うのかで人生が変わる。今よりも多くの本を読みたいのであれば、まず「読書時間」の優先順位を考えるべきである。

スキマ時間に読書をした方が「記憶」において有利な点も多い。制限時間を決めると集中力がアップし、脳が高いパフォーマンスを発揮するからである。電車内で読書をすると、自然と制限時間が定められ、集中力と記憶力が高まる。

 

深読読書術

「本を読んだ」の定義は「内容を説明できること」、そして「内容について議論できること」である。本から学びと気づきを得て、「議論できる水準」にまで内容をきちんと理解するように深く読む。「深読」できるようになるためには、ある程度たくさんの本を読まなくてはいけないし、アウトプットしなくてはならない。

速読よりも深読が、読書の必須条件である。深読できるようになってから、より速く、よりたくさん読む事を目指せばよい。