スタートアップス 日本を再生させる答えがここにある

発刊
2022年3月10日
ページ数
288ページ
読了目安
331分
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推薦者

これからのスタートアップの動向
大企業とスタートアップの共創や、ESG投資の動向、これから10年先のスタートアップをテーマに、対談や起業家へのインタビューが収録された一冊。
VC、CVCの投資担当者が推薦するESG投資に関連するスタートアップ企業の一覧などが掲載されています。

国際競争を勝ち抜く必要がある

今日本がイノベーションを起こし成長するために必要なことは、規制緩和と、良質な意味での「飢え」に尽きる。エンターテインメント市場の動向から、韓国の成長を見ていると、世界で勝つことに対する渇望、焦りや危機感、こういったところで日本は大きく水をあけられている。人口が5000万人ほどで、内需に依存するだけでは不十分、海外を最初から視野に入れなければならない、という市場性の違いが、ビジネスパーソンや民間のマインドにも大きな影響を与えている。

 

日本でも格差の問題から分配の重要性が指摘されることがあるが、分配には原資が必要である。であれば成長、つまり市場で勝ち抜いていく以外の答えはない。

中国をはじめとして成長している国には勝つことへのこだわりを強く感じる。高度経済成長期を支えた日本の団塊の世代も、飢えた状態で世界と戦ってきたはずである。その世代のおかげで今日本に住む我々世代は豊かに過ごせているのを忘れてはいけない。

 

スタートアップに優秀な人材が流れれば日本は強くなる

日本にはユニコーン企業が少ないと言われるが、スタートアップの活性化は不可欠になる。資金調達や特区の承認など、支援するシステムはこの10年でだいぶ整ってきた。確実に世界で戦える商品力を持つスタートアップは存在する。

 

一番重要なのが人材の配置。個別の企業を考えても、最大の利益を上げるためには、一番利益が出る部署に一番優秀な人材を配置するし、人数もおのずと増えていく。国全体で見れば、今後成長する分野や産業などに、より多くの優秀な若い人材が向かう仕組みが、これから作れるかどうか。

 

人材が力を発揮する場所として、急成長の可能性があるスタートアップは間違いなく重要な存在である。ただ、スタートアップは良くも悪くも大企業と比べて、リスクが高い面がある。安定志向が強まっているのか、若い人材が大企業に進みがちなのも事実である。将来性のあるスタートアップを安定成長に入った大企業が支える構造、両者の共創が広がれば、日本のユニコーンはもっと増えるし、もっと日本は強くなる。

 

優秀な起業家というのはアイデアに溢れているクリエーターなので、大企業に納まっていると、どうにもウズウズしてくるもの。そのウズウズがどんどん強くなってくると、退社してまた新しいスタートアップを作る。

人がウズウズする対象は2種類ある。1つは純粋にわかりやすく、お金。「めちゃくちゃ稼げるかも」という気持ちを原動力にして動く人はいる。もう1つが、企て。新しいことや面白いことをやりたいと考える「ワクワク感」、何かを企てたい、みんなをあっと言わせたい、この仮説がハマったら世の中どうなっちゃうんだろう、と妄想していると、ふつふつと湧き上がってくるエネルギーである。

 

痛みをインプットすることが起業の源泉

起業はおすすめである。但し、「起業」という響きが荘厳で敷居が高い感じがするのであれば、あまり深く考えず、まずは軽い気持ちで自分が欲しいと思うサービスなり製品なりを最小限の状態で作ってみればいい。その後、作ったサービスや製品に心から熱中したり、何度も使ってくれて、大切にしたりしてくれる10人を見つけられたら、その時、起業を考えればいい。

「何をやったら課題が解決するのか」「何かをやったら誰かが喜ぶのか」といったことから始めるのが大切で、それが事業とか会社になっていくものである。会社を作るから事業ができるわけではなく、むしろ逆である。

 

起業を目指すなら、「自分の痛みをどれだけ言語化できるか」、そして、「自分以外の痛みをどれだけインプットできるか」が大事である。なぜなら、痛みを解決することが、強力な起業アイデアの源泉になるからである。

自分自身の痛みや課題、辛さも大切だが、自分では感じていなかった世界中の痛みにも目を向け、できるだけ多くインプットできれば、膨大な量の起業アイデアを持つことになる。本当にシンプルな痛みやアイデアで良い。

 

「ひとまず企業に入ってみる」というスタンスもあり。やりたいことがあれば起業すればいいし、逆にやりたいことが見つからないのであれば無理に起業することはなく、働きながらやりたいことを見つければいい。

世界のユニコーンの起業家の半数以上は企業での勤務経験者である。学生起業家は注目を浴びやすいが、必ずしも多いわけではない。起業しても、会社に勤めてもどちらでもいいので、「まずやれることから始める」のが大切である。