Unlearn 人生100年時代の新しい「学び」

発刊
2022年1月20日
ページ数
256ページ
読了目安
229分
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学びの効率を高めるための思考の整理法
新しいインプットのためには、過去の知識や経験からなる思考のクセを整理する必要がある。いかに過去の習慣化した思考を見直し、新たな学習のための基盤をつくるかについて、土台となる考え方を紹介している一冊。

無意識のうちに固定化している、これまでの思考を見直すきっかけとして、必要なことが書かれています。

思考のクセを取り除く

学びというのは、知識や情報をどんどんプラスしていくこと、自分の中に溜め込んでいくこと、それによって思考の力を高めていくことである。しかし、そのプロセスの中で「インプット」以上に大切なことがある。

 

「アンラーン」とは学びの否定ではなく、これまでに学んだ知識や身につけた技術を振り返り、さらなる学びや成長につながる形に整理し直すプロセスである。学びによる知識や経験をよりよく活かし、長いスパンで活躍し続けるための、重要なステップである。

アンラーンをわかりやすく言い換えると「これまでに身につけた思考のクセを取り除く」ことである。「思考のクセ」とは、環境に適応してパターン化した思考のこと。私たちは、仕事でも日常生活でも、発想や選択をある程度パターン化することで、よりスムーズに物事を進めることができる。しかし、ある1つの環境に適応しすぎると、一度環境が変わった時にはこれまでのパターンが通用しなくなってしまうという事態を引き起こす。「やったことがない」「前例がない」という理由で何も決められない。すぐに対応できない。

パターン化された思考のクセは、柔軟な発想を妨げになるだけでなく、自分自身の成長を止めてしまう可能性もある。そうならないために、思考のクセをまずは捨て去ること。その上で、より良い学びを実践することが必要である。

 

アンラーンの技術

アンラーンの最初の一歩となるのは、自分の思考習慣を疑ってみることである。「効率ばかりを重視していないか」「環境になじむことを最優先していないか」など、常に思考回路や行動がパターン化されていないか、ルーチンとして対応していないかを自分に問いかける。まずはパターン化やルーチン化に気づくことが重要である。

 

①自分自身の「思考の固定化」に気づく

思考や行動、動作が無自覚のままに固定化・パターン化されていないかを自問する。「それは本当にベスト、あるいはベターな対応なのか?」ということが意識に上ることもなく、自動的に実行してしまうことが日常の中でいかに多いかに気づくことが重要である。

 

②アンラーンすべき対象の見分け方

アンラーンは、やみくもにすべてを片っ端から「一旦忘れて考え直せ」ということではない。アンラーンの対象とすべき最大のものは、日常の判断や習慣に大きな影響を与えている、会社や組織におけるしきたりやルールである。しきたりやルールの中で当たり前のように行っている判断や行動は、自分特有のクセというよりは、周りの環境やカルチャーに発想ややり方を合わせてきた結果という面が大きい。

 

固定化した思考を発見する方法

①無意識にやっていることを洗い出す

日々の仕事や日常生活を振り返って「朝のルーチン」や「会議の準備」などと時間帯や業務種別のテーマを決め、その時にやっていることをすべて書き出す。その中から自動化・無意識化していることをピックアップする。

 

②「いつも」「これまでは」「通常は」の思考にとらわれていないかをチェックする

洗い出した物事について、「なぜそうするのが他に比べてベターなのか?」「それが正しいという理由は何なのか?」を、第三者を説得できるような客観性を持って言葉で明確に説明してみる。それができないなら、アンラーンすべきタイミングである。

 

アンラーンを習慣化する方法

アンラーンは「価値観の180度転換」というような劇的な変化を伴うものとは限らない。小さな驚きや気づき(違和感)を無視したり、拒んだりするのではなく、自分の「当たり前」の方に少し疑問を持つことが大切である。

日常の仕事や生活の中で「こまめに」アンラーンをしていくための方法は次の通り。

  1. 「これは、今の会社(環境)じゃなくても通用するだろうか」と問う
  2. 今の仕事に就こうと思った理由を問い直す
  3. 専門外・業界外の人と話す
  4. 多様な人、異質な人と接する
  5. 自分がどう見えているか、どうなったらより良いと思うかを、周囲の人にインタビューする
  6. 「行動を言葉だけ」で、「自分の仕事を専門用語抜き」で表現する
  7. 副業をする
  8. 「早くなじもう」「それらしくなろう」としない