思いが伝わる! 心を動かす! アイデアを「カタチ」にする技術

発刊
2015年9月18日
ページ数
224ページ
読了目安
175分
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いい企画のつくりかた
選ばれる企画をつくるにはどうすれば良いのか。博報堂グループで数々の実績を上げてきたクリエイティブ・ディレクターの著者が、企画のつくり方について、解説している一冊。

秀逸な企画から学ぶ

自分に合った企画スタイルを見つけるためには「外の世界に目を向ける」必要がある。つまり、他の人がつくった企画に目を向ける。多くの人は自分の中に答えを求めるという落とし穴に陥っている。「自分の企画がいい」と思った途端に、それ以上の成長は止まってしまう。企画づくりにおいても、外に師匠(人や作品)を見つける事がプラスになる。

師匠を見つける方法は、自身が単純に「おもしろい!」と思えるかどうか。出会った企画を分析していく中で、自分に合う企画のスタイルが見つかる。まずは企画のフレームワーク(骨格)を軸に、企画の大きな流れを見る。どのような目次で構成されているか、大まかな流れを確認する。次にフォントやタイトルの入れ方といったディテールを研究する。秀逸な企画には、必ず細部までこだわりがある。これを探し、真似する事が一番の近道になる。まずは「自分の企画」を捨て、伝わりやすい印象を受けた企画書が、なぜ伝わりやすかったのかを分析すること。

 

身近なイベントの企画からでも実績を積み上げる

企画体質を高めるためには、実績の積み上げが大切である。クライアントは、本当に実現してくれる人なのかどうかを見ている。その時の説得材料になるのが、過去の実績である。最初は小さなものでもいいので、実績を積み上げていくこと。そのためには、最低でも月に1件、実績と呼べる企画をつくる事を目標にする。内容はプライベートでもよい。結婚式の二次会の企画、パーティーの開催、飲み会の幹事など、身近にあるイベントでも、企画の積み重ねが実績をつくり上げる土台になる。

 

アンテナを張り、企画のタイミングを逃さない

企画には「食べごろ」がある。時間が過ぎると鮮度が落ちる。古くさい企画や流行遅れの企画は見向きもされない。クライアントは常に、時流を捉えた「旬の企画」を欲している。企画の内容と相手のニーズをうまく合致させる事が、打率を上げる事につながる。ここで大事なのがタイミングとなる。タイミングを捉えるには、日頃からアンテナを張り、感度を高めておくこと。そして、いざそのタイミングがきたら、即動ける瞬発力を鍛えておくこと。

 

「いい企画」とは

「いい企画」は、人の心を動かすチカラがある。そもそも「いい企画」とは、「やられた!」と感じる企画である。なんとなく感じていた事を、改めて言葉で浮き彫りにしたような企画に触れると、人は「やられた!」と感じる事が多い。また、社会のトレンドの半歩先をいくような企画にも「やられた!」と感じる事が多い。既に頭の中にあったけれど、まだ誰も形にしていないところに「いい企画」のヒントがある。

 

投資したお金と時間を回収する方法を考える

いい企画には、モレなく費用対効果がくっついてくる。その企画を実行した場合、どんなメリットを生むのか、どのようなリターンを生むのかが明確である。つまり、普段の生活の中で、投資額を上回るリターンはどこにあるのか探すクセをつけておけば、企画も自然と考えられるようになる。普段から投資したお金と時間、そしてそれを回収する方法をセットで考えるようにすると、これまでとは違った世界が見えてくる。

 

心をつかむ企画には、アイがある

心を動かす企画には「愛」と「i」がある。「愛」とは相手への想い。困っているクライアントの話を聞き、一緒に解決策を考える事である。伝わる企画を考える人ほど、クライアントに対して並々ならぬ想いと覚悟を持ってプレゼンに臨んでいる。
「i」とは、interactiveの「i」。お互いに作用し合う、相互作用の事である。新たなコミュニケーションを生むきっかけが企画の中に入っているかという事である。この2つの「アイ」が込められている企画こそ、人の心を動かす。次の3つのポイントを意識する事で、飛躍的に企画づくりが上達する。

①見た人の反応がリアルに見えるポイントは用意されているか
②見た人が、思わず会話したくなるようなつくりになっているか
③見た人が、他の人につい言いたくなるような流れができているか

 

クライアントの期待を超える

ワンランク上の企画制作を目指すには、クライアントからのオーダーを、いい意味で裏切らなくてはならない。そのためには、企画の狙いや目指すゴール、実現するための予算と納品までの希望スケジュールなど、あらかじめ仕入れている情報を一度疑ってみる事である。

①先方の要望に忠実な企画(ストライク企画)をつくる
②本命の企画をつくる
③ストライク企画と本命の企画をつなぐ発展企画を考える

①→③→②の順番でプレゼンをする。あらかじめ決められた要望の枠を、どうやって面白く超えられるかを考えるくらいがいい。