大局観 自分と闘って負けない心

発刊
2011年2月10日
ページ数
234ページ
読了目安
238分
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勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
考え抜いても結論がでなければ「好き嫌い」で決めていい。
年齢を重ねるごとに強くなる「大局観」の極意を公開。

大局観とは

「木を見て森を見ず」という格言があるが、これは「部分だけしかみず、全体を見ていない」という意味でその反対の意味が「大局観」である。具体的に、全体を見渡す、上空から眺めて全体像がどうなっているかを観ることである。
「大局観」では、終わりの局面をイメージする。最終的に「こうなるのではないか」という仮定をつくり、そこに「議論をあわせていく」ということである。簡単に言えば、勝負なら「勝ち」を想像する。
若い人は「大局観」がないが、経験を重ねて「大局観」を身に着けていくと大筋で間違っていない選択肢ができることになる。大局観を身につけ、全体を検証するのである。

 

リスクをおかせ

将棋の世界では、リスクをとらなければ棋士の成長は止まってしまう。だから、新しい手を見つけたら、実際の対局で試すようにしている。本番で試すリスクを犯さない限り、プロ棋士としての成長はない。むしろ、リスクをとらないことが最大のリスクだと考えている。
なぜなら、今日勝つ確率が最も高い戦法は、3年も経てば時代遅れになっているからだ。同じ戦法を手堅く取り続けるということは、最もリスキーなやり方なのである。リスクにきちんと正面から向き合い、リスクに伴う恐怖や不安に打ち克つことが、永続的にリスクをとり続ける王道といえる。

 

集中力を高めるトレーニング法

①何も考えない時間を持つ
何もしないでボーっとしている時間を意識的に作ることが大切である。

②一つのことをじっくり考えることに慣れる
自分にとって不慣れなテーマを選んで、それについて掘り下げて考え、それに慣れたと思ったらやめて、次のテーマを探すようにするのが良い。

③時間と手間のかかることに取り組む
嫌でも集中して取り組まざるを得なくなるようなテーマを探すこと。さまざまなテーマについて集中する経験を積み上げていくと、それに慣れるペースも速くなっていき、全体像を思い描くことも次第に容易になっていく。

 

負け方について

負けも進歩の一プロセスと考えプラスの材料とし、成長していこうとする姿勢が大切だ。打たれ強さは重要な素質といえる。
また、負け方も大切である。なぜなら、勝っているときや順調なときに方向転換するのは難しいが、負けているときならば様々な変化をしやすいからだ。

 

情報化社会を上手に生き抜いてゆく方法

大切なことは、供給サイドに軸足を置くことである。自分自身は常に消費サイドにいて消費を続けているわけだから、自主的に、半強制的にでも出力を上げる必要がある。
必要な情報・知識というのは、日々刻々と変わってゆくものだから、大胆に捨ててしまい必要なタイミングで拾い上げればいい。そして、拾い上げた情報を基本に新たな創造をして、供給側に回るわけである。