GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略

発刊
2021年12月3日
ページ数
338ページ
読了目安
434分
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GAFAによってこれからどうなるのか
コロナによって、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の成長は加速している。GAFAを含む巨大テック企業の現状のビジネスモデルや、今後の戦略、問題点などを解説している一冊。
今後、GAFA+Xがあらゆる業界を破壊し、業界は再編されていくとし、巨大テック企業の独占がもたらす社会的な課題を紹介しています。

「赤」と「青」に分岐するGAFA+X

プロダクト時代の基本的なビジネスモデルは2つある。

  1. 商品を製造コストより高い値段で売ること。こちらの代表はアップルである。iPhoneは400ドル相当の回路とガラスに過ぎない。アップルはそれを1200ドルで販売している。
  2. 商品を無料で配り、他の企業に利用者の行動データを有料で販売すること。

 

テクノロジー主導の経済に移行するにつれ、第2のビジネスモデルの方が利益が上がるようになった。それと同時に問題も増えている。昔の広告の時代、私たちは広告に少しばかりの時間と注意を割けば無料で興味のあるものを手に入れることができた。広告主がその代金を払ってくれたからだ。
しかし、その関係がオンラインになると、無料でものを提供していたはずの企業が、突然、私たちに関するあらゆるデータを手にするようになる。彼らはそのデータを使って、私たちをネタにさらに大きな金儲けをしようとする。

 

産業界は次第にこの2つのビジネスモデルに分岐していくだろう。既にスマートフォンでその兆候が見られる。アップルのiOSは前者だ。高品質でブランド力があり高価格だが、裏でデータ利用されることが少ない。こちらを「青」のビジネスモデルとする。

一方、グーグルのAndroidは後者である。まずまずの品質で初期費用は安いが、ユーザーのデータとプライバシーを広告主に差し出さなければならない。こちらを「赤」と名付ける。世界全体がAndroidかiOSに分かれつつある。

 

YouTubeは赤の動画サイトだ。一方、ネットフリックスは「青」だ。個人情報へのアプローチ(赤)かプライバシー(青)かという観点からすると、現在のソーシャル・メディアはすべて赤である。無料サービス、完全な搾取構造、しかも時には当人にはわからないやり方でである。今後、ソーシャルメディアのiOSになりそうなプレーヤーが数社出てくる可能性がある。

従来のSNSの問題は、ボットやロシアの妨害行為を招きやすいことだけではない。SNSは内容がなく人の感情を煽るだけの投稿を撒き散らし、さらに勢いづかせる。憤りが高まれば人々はますますSNSを利用するようになり、結果としてくだらない広告が増えることになる。

グーグルとフェイスブックは、憤り=関与(エンゲージメント)のモデルで運営されているが、ネットフリックスとリンクトインはサブスクリプション・モデルで動いている。私たちはみんな、フェイスブックとツイッターに、リンクトインのようなソーシャルメディアになって欲しいと思っている。

 

検索エンジンはこれまで赤一色だったが、青の検索エンジンもぼちぼち現れている。アップルはiOS専用の検索エンジンを用意する必要がある。アップルはやがてダックダックゴーを買収するか、あるいは独自でそれを開発するはずだ。

 

アマゾンのサードパーティーの小売店いじめは有名だ。この10年で誕生した革新的な企業の大半は、それをビジネスチャンスとして伸びてきた。その代表がショッピファイである。ショッピファイの価値提案はシンプルかつパワフルである。データ、ブランディング、消費者保護をコントロールするのは、あなただ。

 

このような二分化が、これからますます多くの分野で見られるようになるだろう。低コストを目指す赤い企業は、顧客データを蓄積し、それを本当の顧客に渡す。プレミアムな企業は自分たちをプライバシーという青い旗でくるみ、顧客データを利用しないという礼儀を尽くす。そして素晴らしい利益をあげることになるはずだ。

 

GAFA+Xの3つの力の根源

パンデミックは、少数のテック企業が私たちの生活や経済を支配するという流れに一層拍車をかけた。ビッグテックの勝者がさらに大きな利益を得ているのは、より優位な立場にいるからだ。これは特に四騎士に当てはまる。

ビッグテックはいかにして、今の地位に辿り着いたのか。そのアルゴリズムは次の3つである。

 

①イノベーション

テック企業の独占は、イノベーションが基礎となっている。

 

②不明瞭化

オープン・フィールドに出ると、テック企業は自分たちの優位を守ることに専心するようになった。彼らは薄っぺらいプロモーション動画で、自分たちの独占的な地位を覆い隠している。そして、ワシントンでのロビー活動と広報のおしゃべりに何百万ドルも注ぎ込む。

 

③搾取

市場支配力に対する通常の規制をすり抜けた大企業は、特権的な地位を活用して大きな成果をあげることができる。彼らのビジネスの中心には「フライホイール(はずみ車)」がある。ビジネスにおいては顧客を集める「目玉商品」である。フライホイールが回転すればするほど、インプットやコスト以上に収益が増大する。
一旦、フライホイールが回り始めると、独占の時代が到来する。ネットワーク効果、安価な資本、イノベーターへの偶像崇拝、司法省や公正取引委員会の無気力さなどがフライホイールの回転を助ける。