ビジョナリー・カンパニーZERO

発刊
2021年8月19日
ページ数
520ページ
読了目安
823分
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偉大な企業をつくるための原点
偉大な企業の分析を続け、そこに共通する法則を導き出した『ビジョナリーカンパニー』の原点。偉大な企業になる前の起業に焦点を当て、優れたリーダーシップやビジョンのつくり方、戦略などを紹介しています。

Netflix創業者リード・ヘイスティングスが若手起業家へのアドバイスとして、本書の一部(3,4章)を丸暗記せよと言わせた本。

最初に人を選ぶことが最も重要

偉大な企業を動かす要因について四半世紀以上にわたって徹底的に研究する中で、わかったことがある。何よりも大切で、絶対に失敗してはならないのが「最初に人を選ぶ」原則だ。あらゆる事業活動の中で正しい人材をバスに乗せること以上に重要なものはない。

正しい事業のアイデアより、正しい人材の方がはるかに重要だ。特定の事業アイデアは失敗に終わる可能性が高いのだから、なおさらだ。今考えているアイデアにしか適性のない人材ばかり集めたら、そのアイデアが失敗し、別のアイデアに挑戦しなければならなくなった時にどうするのか。特定の戦略だけに適した人材を採用するのは、最初から失敗の確率を高めるようなものだ。偉大な企業をつくるための最も重要なスキルは、人材について優れた意思決定をする能力だ。

 

真に偉大で永続性のある会社を築くには「バスの重要な座席の内、そこにふさわしい人材で埋まっている割合」を最も重要な指標に据えなければならない。偉大な企業をつくるには、常に重要ポストの90%がふさわしい人材で埋まっているように努力しなければならない。重要なポストとは、次の3つの条件の「いずれか1つ」を満たしていることである。

  1. 人材にかかわる重要な意思決定をする権限がある。
  2. この職務での失敗は、会社全体に重大なリスクあるいは大惨事を引き起こす可能性がある。
  3. この職務での成功は、会社の成功に極めて大きな影響を与える可能性がある。

 

重要ポストにいる人の育成に努めるべきか、交代させるべきかという葛藤をあらゆる組織が抱えている。そして毎回必ず正しい答えを出せるリーダーはいない。重要なのが次の問いだ。「境界線を越えたかどうか、育成か交代へシフトするタイミングをどうやって見極めるべきなのか」。

最適なアプローチは、次の7つの問いを投げかけ、答えを導き出すことだ。

  1. この人物を重要ポストにとどめているために、他の人材が会社を去りはじめていないか。
  2. 価値観の問題か、意思の問題か、あるいは能力の問題か。
  3. 「窓(物事がうまくいた時には他の人に光を当てる)」と「鏡(失敗は自分の責任だという)」をどう使うか。
  4. 仕事を「業務」と見るか「責任」と見るか。
  5. ここ1年で、この人物に対するあなたの信頼は高まったか、下がったか。
  6. バスの問題なのか、座席の問題なのか。
  7. この人物が退社したら、あなたはどう感じるか。

境界線に達したと判断し、重要ポストにいる人物を交代させると決めたら、「厳格であれ、非情になるな」と自分自身に言い聞かせること。厳格でありつつ非情にならないためには、勇気と思いやりを併せ持つことが必要だ。

 

優れたリーダーに共通する要素

企業での効果的なリーダーシップは「機能」と「スタイル」という2つの要素で成り立っている。リーダーシップの機能、すなわちリーダーの最も重要な責任とは、会社共通のビジョンを明確にし、実現に向けて揺るぎない決意と熱心な取り組みを促すことだ。これはリーダシップの普遍的要件であり、どのようなスタイルを選ぶかにかかわらず、必ず果たすべき機能だ。

一方、リーダーシップのスタイルは一人ひとりに固有のものだ。リーダーシップの機能を遂行するためのスタイルには、様々な選択肢がある。

 

①誠実さ

有効なリーダーシップの最も重要な要素は、会社のビジョンを誠実に実践することだ。価値観や目標はリーダーが「何を言うか」ではなく、「何をするか」を通じて社内に浸透していく。

 

②決断力

偉大な企業をつくるリーダーは、優柔不断に陥ることがない。完璧な情報がなくても決断する。迷いなく判断を下せるほど十分な情報やデータが集まることはめったにない。不完全な情報しかない時には、最終的には冷静な分析と直感の両方を組み合わせる。

 

③集中力

有能なリーダーは集中する。優先課題を最小限に絞り、脇目もふらずに専念する。すべてをやれる人間はいない。

 

④人間味

偉大な企業を育てるリーダーは「現場型」だ。ビジネスに人間味を加えようとする。他者に冷淡で、距離を置き、よそよそしく、関わろうとしない態度は許されない。

 

⑤対人スキル

偉大な企業をつくるリーダーは、硬軟の使い分けに習熟している。社内に恐ろしく高い水準のパフォーマンスを求める一方、社員の自信を育み、自分自身と自らの能力を肯定できるようあらゆる手を尽くす。

 

⑥コミュニケーション能力

有能なリーダーはあらゆる場面でコミュニケーションをとろうとする。組織の上下左右、時には集団、個人、あるいは全社に、書面や口頭で、公式あるいは非公式に、メッセージを伝える。常に組織の中でコミュニケーションが行われている状態を生み出そうとする。

 

⑦常に前進する姿勢

偉大な企業のリーダーは、個人として常に前進、つまり向上している。さらに常に前進する精神を会社にも浸透させる。こうしたリーダーはエネルギーレベルが高く、決して慢心しない。