プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる

発刊
2021年7月28日
ページ数
182ページ
読了目安
217分
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良いモノだけでは売れない時代にどうすべきか
完成品が簡単にコピーされる時代にあっては、プロセスこそが武器になる。制作の過程やこだわり、哲学こそが差別化の要素となり、今後より重要になってくると説く一冊。
企業の商品開発から個人のSNSや動画制作などの活動まで、今後のビジネスを考える上で必要になってくる考え方が書かれています。

プロセスエコノミーとは

今、良いものを作るだけではモノが売れない時代になった。インターネットによって一瞬で情報が行き渡って、一瞬でコピーできるようになったので、どれもこれも似たり寄ったりの機能、性能になりやすい。これは個人のクリエイターでも同じで、YouTubeやInstagramのスタイルは一度流行ると、どれも似たようなもので溢れてしまう。

このような人もモノも埋もれる時代の新しい稼ぎ方が、プロセス自体を売る「プロセスエコノミー」である。自分のこだわりを追求する姿、様々な障壁を乗り越えながらモノを生み出すドラマはこの瞬間にしか立ち会えない。プロセスはコピーができないのである。

今後多くの業態において、プロセス自体に課金をしてもらうことや、プロセスを共有することによって、初期のファンを作ったり、熱のあるコミュニティを拡大したりすることが求められてくる。

 

なぜプロセスに価値が出るのか

なぜアウトプット(完成型)と同じようにプロセス(過程)にも価値が出るのか。アウトプットの微妙な差異よりも、生産者の顔が見えたり、制作プロセスを共有したりすることに魅力を感じるようになっているのか。

生まれた時から社会に「ないものがない」時代で育ってきた30代以下は、物質的に飢えるということを経験していない。そのため、達成や快楽を満たすということに重きを置いておらず、物質的なモノより内面的なコトに価値を感じる。必然的に消費においても、他人が羨むものが欲しいというような価値観ではなく、自分が心から好きだと思えるものが欲しい。結果的にアウトプットをただ消費するのではなく、プロセスを共有すること自体に価値を感じ始めている。

 

プロセスに価値を乗せるために大事なこと

プロセスに価値を乗せるには、作り手がそこにストーリーを込めたり、なぜやるか(Why)という哲学を示すことが大切である。さらに作り手一人では限界があるので、ユーザーをファンにし、セカンドクリエイターとして巻き込み、熱量を上げていく必要がある。

ファンがコミュニティになっていけば、ファン一人ひとりが新しい物語を生み出し、さらに熱量も上がり、新しい人をひきつける。その結果、多様な物語が生まれ、さらに新しい人をひきつける。仕組みとして価値がたまるので、他と次第に差が生まれていく。

 

プロセスエコノミーを回すエンジンとなるものは「利他の心」である。自分の私利私欲のためでは共感は生まれない。誰かを喜ばせるビジョンのもとにみんなで助け合い、協力し合って進んでいく。

 

プロセスエコノミーの実践方法

ただ単に商品の制作プロセスをオープンにするだけでは、なかなか人は魅力を感じてくれない。プロセスエコノミーを実践する上で最も大切なのは、自分の中にある「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)をさらけ出すことである。

何千万人がYouTubeやSNSで発信するようになると、「What」(アウトプットの内容)だけでは差別化できない。レッドオーシャンの市場では、『What」だけで勝負しない方が賢明である。

 

楽天で商品がよく売れる店舗には、3つの特徴があり、これらは「Why」を解像度高く要素分解したものと考えることもできる。人が「Why」をもって何かに向かう時に溢れ出すポイントは次の3つである。

 

①マイクロ・インタレスト(自分ならではのこだわり)

オタくっぽい特性とこだわり、偏愛が垣間見えると、お客さんが興味を持ってくれる。

 

②コミットメント(やり切る責任感)

責任感がお客さんに伝われば「この店はきちんと仕事をしてくれる」という信頼になっていく。

 

③弱さの自己開示(ちょっとした失敗)

商売をする中でしくじった経験や裏話を共有することで、人間的な関係性までもが生まれる。