ラブ、ピース&カンパニー これからの仕事50の視点

発刊
2015年11月26日
ページ数
232ページ
読了目安
271分
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コミュニティをつくるカフェのつくりかた
『WIRED CAFE』ブランドを中心に88店舗の飲食店を展開するカフェ・カンパニー代表が、カフェづくりの原点やその理念について語った本。経営数字ではなく、感性を大切にする経営の視点などが紹介されています。

人が集まる風景を創る

「場に人が集まる時、そこに発信性とエネルギーが生まれ、一種のメディア性を持つ事ができる」という事を経験を経て、「場」を創造する事業をやると決めた。

コミュニティビジネスの将来性について確信を持ったのは、1999年に原宿の明治通りの裏側にあるキャットストリートという遊歩道の再開発を友人が進めていて、それに携わった事である。渋谷川の暗渠で、当時人気のなかったこの通りには、将来の街づくりのあり方や、人の新しいコミュニティ形成についての可能性を感じた。

カフェを創ったのは、今のカフェ・カンパニーのはす向かいの場所。道路が二又に分かれていて、夏みかんの大きな気があり、その下はゴミ置き場になっていたような場所だった。この夏みかんの木のまわりに人が集まる風景を創ること。それが、当時は分断されていた原宿と渋谷の回遊性をも生み出す起点になるのだと、信じて突き進んできた。

 

WIRED CAFEの原点

たった10坪の小さな店。これが最初の「WIRED CAFE」であり、僕らのカフェの原点である。当時はインターネット上のコミュニティが注目を集めていた。だけど、コミュニティは「WIRELESS」より「WIRED」、つまり人と人がリアルに会ってつながる場所、渋谷と原宿をつなぐという意味も込めて「WIRED CAFE」と名付けた。人と人、街と街、ライフスタイル=生き様をつなぐ。それが「WIRED CAFE」の原点である。

このカフェが、この街の「縁側」であり「ちゃぶ台」になればいい。おしゃれなだけでなく、創造的で信頼感のある社会創りに貢献できるのではないか。そんな事を考えながらカフェ創りが始まった。

 

コミュニティにとって大事なこと

コミュニティにとって大事な事は、記憶に残る風景を創る事である。味や接客だけでなく、記憶に残る風景を創ること。最初から飲食店事業を始めようと思っていた訳ではない。「あの時の風景は良かったな」とか「あの時の会話は良かったな」など過去の断片を散りばめながら妄想し、企画書を何度も書き直しながら空間創造に携わっていたら、結果的にカフェになっていた。

 

「CAFE」=「Community Access For Everyone」

これは、カフェ・カンパニー創業以来変わらないコンセプト。みんなが集まるコミュニティの場という意味である。街の食堂として、打ち合わせの場として、酒盛り場として、そして自分らしさを取り戻す都会のリビングとして。カフェとは「食を通じて新しい生活文化を提案する場所」。食を中心として、ファッション、アート、デザインなど、いろいろな人の生活にかかわる事を提案していく事ができる。

 

スタイルがコミュニティを創る

人が興味や関心を抱くものには、必ず魅力的なスタイルやユニークなアイデアがある。僕たちは、その地域やそこに住む人たちに適した新しいスタイルを提案し、カフェという形で実現すべく努力してきた。そこで感動や賛同が生まれ、コミュニティが形成されていった。

価値観や趣味性に感じ入る事で人が集まる。そこには「共感」がある。それを相手と分かち合いたくなる。「共有」が起こる。魂が震え、そこから新しいアクションが起こる。これが「共振」である。共感、共有、共振が生まれる舞台がカフェである。コミュニティとは、人の生き様(ライフスタイル)に魂が震えて、初めて生まれるものである。

今は、モノはモノとして売れない。モノがきっかけになって、人と人が触れ合い、何か共感が生まれた時にモノが売れる。そういう時代になってきた。「売り場」から「買い場」へ、「買い場」から「集い場」へ。そこには必ずスタイルへの共感がある。

参考文献・紹介書籍