マーケット感覚を身につけよう 「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

発刊
2015年2月20日
ページ数
280ページ
読了目安
322分
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これから何が売れるのかというセンスを鍛える方法
環境の変化によって、価値のあるものも変化し、新しい価値が生まれる。
人がどのようなものに価値を見出すのかという嗅覚を身につけるにはどうすれば良いのかを紹介している本。

マーケット感覚とは

マーケット感覚とは「商品やサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力」「顧客が、市場で価値を取引する場面を、直感的に思い浮かべられる能力」である。

マーケット感覚の有無によって、同じモノ、同じ人、同じ環境が「なんの取り柄もないモノ」に見えたり、「大きな価値のある、これからの世の中で強く求められるモノ=売れるモノ」に見えたりする。会社を辞める事に不安を感じない人や、ごく普通の会社員から一転、異分野での成功を収めるような人は、何か特殊な能力を持っていたというよりは、自分のごく身近にある「売れる価値に気づく能力」を持っている。

世の中の大半の問題は、1つの手法を使って考え続けるより、論理的な思考とマーケット感覚という、2つのアプローチで両側から考えた方が、圧倒的に早く、現実的で豊かな解に到達できる。1つのアプローチだけで考えていると、思考はどんどん煮詰まってしまい、深堀りできるレベルに限界ができてしまう。「マーケット感覚」を身につけると、「もう、これ以上は考えられない」と感じた地点から、再び思考を進める事が可能になる。

 

従来は価値が認められていなかったものに価値を見つけられるか

通常「市場で取引される価値」という言葉から思い浮かぶのは、食料品や衣料、家電、スマホやパソコン、ホテル、レストラン、学校、病院などで得られるサービスである。これらはずっと昔から市場で取引されてきた「伝統的な価値」である。

ところが今、従来は価値があると認められていなかったものにも、価値が生まれつつある。マーケット感覚を鍛える事のメリットは、こういった「非伝統的な価値」について、これならお金を払ってでも手に入れたいと考える人がきっといると早々に気が付ける事である。

 

マーケット感覚を鍛える5つの方法

①プライシング能力を身につける
まだ市場で取引されておらず、値札もついていない「潜在的な価値」に気付くためには、自分独自の価値基準を手に入れること。一番良い方法は、既に値札つきで売られているものについても、自分の基準に基づき、プライシングしてみる事である。モノやサービスの価値は、買い手によって異なる。マーケット感覚で求められるのは、需要者・消費者が妥当だと感じる価値を推定する力である。

②インセンティブシステムを理解する
大人は「欲しいモノをもらえた→機嫌が直る」という単純なインセンティブシステムは機能せず、複数の要素を組み合わせたり、特定の環境下でのみ現れる心理的な動きを利用するなど、状況や相手の性格も考慮しつつ、動機から行動につながる複雑な流れを理解する必要がある。インセンティブシステムを理解するために大切なのが、自分の欲望と素直に向き合う事である。日頃から「こういう事がやりたい。でも、どうせできない」と考えていると、いつしか、それが自分の欲しいものだと、わからなくなってしまう。そして、世の中の動きもわからなくなってしまう。

③市場に評価される方法を学ぶ
「組織」と「市場」の意思決定スタイルの違いを理解し、組織に評価されるのではなく、市場に評価される方法を学ぶ。

④失敗と成功の関係を理解する
何かにチャレンジした時、その結果が成功と失敗に分かれると思っている人がいるが誤解である。この考え方をしていると、失敗と成功の確率ばかり気にかかり、「失敗するかもしれない事にはチャレンジしない」という結論になる。失敗と成功は、時系列で連続的な関係である。すべては失敗から始まり、少しずつ成功に近づいていく。その過程で鍵となるのが、失敗から得られる学びである。

⑤市場性の高い環境に身を置く
人はどんな時に、どんなモノに、いくらのお金を出すのか。そのお金と交換される価値はどんな価値で、それを欲しがる人のインセンティブシステムはどういう仕組みなのか。「お金がチャリンと鳴る瞬間」を日々見る事ができ、それによってマーケット感覚が身に付く。