一品で会社を変える

発刊
2015年12月4日
ページ数
208ページ
読了目安
268分
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推薦者

自慢の一品で会社を変革する方法
一品を磨けば、業績も上がり、社員のモチベーションもアップする。会社の強みである「一品」を磨くことを通じて、企業を変革させるメソッドを紹介している一冊。

一品で会社を変える

会社を変えるには、表面ではなく根っこにあるものを変革の対象とする必要がある。やり方だけに焦点をあてても会社は変わらない。

「なりたい姿」「一品」「役割越え」は、変革の三原則である。意義のある「なりたい姿」が、役割を超えた有機的な活動の推進力を引き出す。変わるための具体策を「一品」に定める事は、変化を起こす媒介となる。組織図に縛られない「役割越え」が、今日の仕事によって未来をつくり出すスペースを生み出す。

変革の中心に「一品」を据えた変革の実践は、本業、人、組織という経営の根幹をなす要素を変化へと結び付ける。自分達の戦略的な意図を具体的に表そうとしたものが「一品」であり、協働して生み出すものであるからである。そして、仲間と生み出せた「一品」へのお客様からの評価が仕事のやりがいを高めていく。

 

「一品」で会社を変える5つのステップ

①一品を探す
「一品」で会社を変える答えは足元にあり、まだまだ活用していける「一品」を探す事から始まる。変化の足場とするために、どの商品・サービスを選択するのか。弱みの是正ではなく、強みが凝縮された「一品」を見つける事が重要になる。狙うは一点突破であるから、売れているものへ注力すればいい。売れている商品・サービスの革新が少ないエネルギーで効果を得るポイントである。

 

②一品に込める
今あるモノと自分達の関係を再構築し、前に押し出すエネルギーを蓄えるのが、「一品」に込めるという事である。指示命令が背景にある実行と「一品」に自分達の思いを込めた実践では、成果は倍違ってくる。ぐっと前に押し出すエネルギーは商品・サービスへの愛着や思い入れがつくる。売り手も作り手も「一品」に愛着を持ち直す具体策は「一品」にまつわる顧客接点でのうれしさ、悔しさ、自分達の情感が動いた出来事の振り返りである。うれしさを増やすこと、または悔しさの解消が「一品」に対する思い入れや愛着を生む。

 

③一品を伸ばす
販売個数の目標にチャレンジ性を持つのが「一品」ブレイクスルーのポイントである。ここまでいったらうれしいという感覚を大切にしてバーを設定する。自分達の思いが入った「一品」をN倍に伸ばす一品突破の試みは、チームの仕事を見直す機会を日々の仕事の中につくり出す。指示や命令が前提の上下関係から「一品」を核に、お互いが当事者として関わる自立した人同士の連携へ、関係を深化させる。

 

④一品で発見する
「一品」を探し、思いを込め、伸ばす過程で感じたうれしさや悔しさ、わかった材料を吟味して、自分達のなりたい姿を発見する。なりたい姿は飛躍する先であり、今までを含み超える存在意義のシフトを図る方向感である。勝てるポイントの発見でもあり、なりたい姿に近づく事を日常にする変革の山場である。

「一品」を限界まで伸ばす過程でお客様と交わる中での、気づきの重なり合いの上に、なりたい姿の輪郭、自分達の本音が見えてくる。お客様の仕事の成功を考えて「何をどうすべきなのか」を掘り下げる。これらを行ったり来たりしながらの対話が、飛躍する先の発見につながる。

 

⑤一品を広げる
「一品」により自分達の存在意義を深め広げていく。なりたい姿に向って、様々な客層を受容できる「一品」に広がりを持たせ、展開する取り組みである。

「一品」を磨くという行為の出発点は主観である。しかし、主観を相手から見てどうか、という客観に近い形でのプロデュースが一番の支持を獲得するための行為である。自分達本位で考えるだけでも、やみくもにお客様に合わせていくだけでも難しい。その道のプロとしての「一品」を相手以上に考え抜いた主観の客観的展開が勘所である。