小さな天才になるための46のルール

発刊
2016年1月25日
ページ数
192ページ
読了目安
153分
推薦ポイント 10P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

創造性を発揮するためのコツ
Apple、Google、Microsoft、Twitterなど世界有数の革新的企業のブランド構築プロジェクトを手掛けてきた著者が、創造性に火を点け、自分ならではの天賦の才能を発揮するためコツをまとめた一冊。

ルールを打ち破れ

創造性を発揮するためのルールを守るには破らざるを得ず、守ろうとする過程で自然と破る形になる。したがって第一のルールは「ルールを破れ」だ。創造性を発揮するためのルールは杓子定規な決まりなどではなく、大雑把な原理原則に過ぎない。

①ルールを守るにせよ打ち破るにせよ、とにかくやってみる。
②結果をよく見る。
③自身の経験を下敷きにして、ルールを書き換える。

以上をやってみると、創造性に関するルールは確かにあると実感できる。但し、それは、創造性を発揮するための自分なりのルールだ。注意点は、自分ならではのルールが見つかったと思ったら、本当にそれだけの重みや信頼性があるのか、まずは昔ながらのルールと照らし合わせてみる事だ。

 

欲しいものを望め

何かを望むことは、問題解決のためのウォーミングアップ。まずは「やりたい事を実現するにはどうしたらいいのだろう?」「やりたい事をしたら、どんな事が起こる?」といった質問をしてみよう。この段階で自分の思考に制限をかける必要はない。たとえ一瞬でも、望む事によって自分の限界から離れる事ができる。今後掘り下げる価値のあるものが見出せる。

 

考える前に感じろ

目標が見えたからといって、いきなり企画立案に突入するのはよくない。心を静めてじっくりと耳を澄ます事を覚えよう。しつこく訴えかけてくる声に、なぜだか引っかかる事柄に、注意を払うのだ。まずはグッとこらえ、十分に時間を割いて、自分の感覚や感情を探り、関連する様々な問題をじっくり考えてみよう。必要なのは感覚だ。

 

まだないものを見通せ

この世にないものを見通すポイントは、画家やデザイナーが「ネガティブスペース」と呼ぶ部分を見つけること。ネガティブスペースとは、絵画の無地の背景部分、ページの余白、台詞と台詞の間、休止符で表された無音の部分のこと。ネガティブスペースは、芸術の世界ではれっきとした意味や目的を持つ構成要素である。ビジネスではチャンスが隠れていそうな「隙間」と言える。ネガティブスペースを見つけるための手法は3つ。

①隠れた可能性を探るために、脅威を取捨選択する。
②変化がまだ部分的にしか及んでいない分野や部門に着目する。
③新たなトレンドが既存の「標準」にどう影響しそうか想像してみる。

 

より大きな問いを立てよ

「枠組み」というのは、問題の範囲を明確にし、際限なく拡散するのを防ぐための境界線だ。焦点を絞り、解決への取り組みの方向を示唆し、投資の限度を決め、解決の成否の尺度を定める。こうした枠組みが間違っていると、他の一切合切もうまくいかない。あえて批判眼を光らせ、自問し、問題を掘り下げてみよう。新しいものを生み出そうとする時にまず問うべきは、いかにではなく、何をである。

 

問題の枠組みはタイトに

境界線がないと、突破する刺激がない。自由を与え過ぎると悲惨な仕上がりになる。余計な機能が多すぎる、凝り過ぎる、焦点が定まらない。天才に与えるべき最高の贈物は、自由ではなく制限である。創造性の高い人々が行き詰まるのは、解決法が見えないからではない。問題がはっきり見えないからだ。問題を明確にする枠組みづくりのコツは次の通り。

①問題を文章に書き出す。
②制約をリストアップする。
③アフォーダンスをリストアップする。
④期待できる「成功」を書き出す。

 

「森」を見よ

人は複雑な問題を複数の部分に分けて考えたがる。複雑な問題を丸ごと抱え込むより、1つの部分に集中する方が容易だからだ。そうは言っても、全体像をしっかり把握しておかなければ、各部が全体にどう関わるかを見誤りかねない。事をさらに複雑にするのが、我々は感情や直観に惑わされがちだという点だ。初心者は自分の信念に騙されるし、上級者は自分の知識に騙される。そして最大のバイアスは、「自分にバイアスなどない」と思い込むこと。バイアスに対抗するには「森を見て考える」事が必要である。各部分がどう合体して全体を形づくるのかを見る。複雑な状況を様々な角度から見て、隠れた関係や意外な可能性を見つけ出そう。

 

「虎穴」に入れ

「虎穴」とは即ち、現状と可能性を隔てる裂け目だ。裂け目の中は真っ暗で、不安と疑念に満ちている。先の見えない不安に耐えて、アイデアを引き出せるだけ引き出す人こそが天才だ。「虎穴」に転がっている未解決の問題は、創造的なエネルギーの最大の源泉である。

創造性を発揮する秘訣は、浮かんできたいくつかのアイデアを常に「流動的な状態」にしておくというもの。こうすれば、アイデア同士がぶつかり合って突然変異を起こしたり、再結合をしたりしてくれる。

創造的思考をするためには、既知のものを捨て去り、未知の領域に踏み込まなければならない。

 

「斜め」にアプローチせよ

イノベーションによる価値の創出では、驚きを生むステップが鍵となる。みんなをアッと言わせるには、まず自分自身を驚かさなければならない。自身に目くらましを食らわせて、普段とは違う思考モードに追い込むテクニックは以下の通り。

①隠喩を使って考える。
②ビジュアルで考える。
③出発点を変えてみる。
④別分野のアイデアを盗んでみる。
⑤仲人役をする。
⑥反転してみる。
⑦シンプルな質問をする。
⑧偶然の出来事に注意を払う。
⑨書きとめる。

 

「美」をものさしに

世界中の超一流の科学者、芸術家が昔から口を揃えてこう言ってきた。美を感じられないアイデアは、おそらく革新性にも欠けていると。美とは、相互に作用し合う3つの要素「驚き」「しっくり感」「優雅さ」を兼ね備えた1つの体系とみなせば理解しやすい。この3つの要素があいまって機能するアイデアは、周囲の状況を改善できる計り知れない可能性をはらんでいる。