超速

発刊
2021年5月27日
ページ数
206ページ
読了目安
224分
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生産性を圧倒的に高める具体的な方法と考え方
世界中の起業家やCEOにヒアリングした「生産性を高めるテクニック」をまとめた一冊。いかに生産性を高めるかについて「整理」「集中」「加速」の3つのテーマで、それぞれ具体的な方法を紹介しています。

生産性を上げるためには、投資型のマインドセットを持つこと

第三次産業革命により、IT部門と通信部門の急激な成長が見込まれた。しかし、生産性は初期に急成長した後、伸びが鈍化し、2010年から2016年の北米と西ヨーロッパの生産性は、年間0.5%しか増加していない。
機械の導入は、ブルーカラーの労働時間を減らすことに成功した。しかし、新しいテクノロジーは、同じだけの恩恵を会議室にいる同僚に与えていない。

 

1つ考えられるのは、現代の仕事の取り組み方が、実は効率を下げているということだ。私たちは、会議によってあまりにも多くの時間を無駄にし、壁や仕切りがないオフィスのせいで作業を際限なく中断させられ、デジタル技術への依存が大きすぎるあまり、スマートフォンとタブレット端末とパソコンに常に意識を奪われている。メールとテキストメッセージがとめどなく流れ込んで集中を妨げるので、職場で多くの時間を使っている割には、仕事が片付かないのが現状なのだ。

 

生産性を上げるために大切なのは、正しいマインドセットを持つことだ。それは「ものぐさな自分を受け入れること」だ。価値の低いタスクをできる限り回避する道を見つけて、自分が本当にやるべきことについての戦略を立てるのだ。基本的には、繰り返しの退屈な作業に長時間はまった時には、必ずこう自問すべきだ。「2度と同じことをしないで済むために、やり方をどう調整すればいい?」

私たちが持つべきなのは、「投資型のマインドセット」だ。つまり、長期的な結果を得るために短期的に努力をする意識である。週に1度、ほんの1%の時間を節約する変更を加え続けることができれば、1年後には1週間かかる仕事がたった24時間でできる計算だ。

 

生産性は、次のシンプルな方程式で表すことができる。

完了した仕事 = 費やした時間 × 集中の度合い × 実行速度

 

超生産的になるためには、次のことが必要である。

  • 整理:作業を適切に行うために、上手に時間を割り当てる
  • 集中:作業に必要なだけの意識を向ける
  • 加速:作業をできる限り迅速かつ効率的にやり遂げる

 

整理

生産性の定義は「多くのことを行うこと」ではない。生産性とは、優先順位を戦略的に選択して、目的に最も適した内容にだけ応じることだ。

 

①誠意を持って「NO」を言う

「ノー」と言って理由を説明する方が、自分にできないことに「イエス」と言うよりも、常に良い結果が得られる。1分を使って頼みを断る方が、1時間を実りのない作業のために無駄にするよりもいい。

 

②「ToDoリスト」にすぐ書く

同時にたくさんのことを行うと、速度が低下してしまう。ToDoリストにその都度記録することで、心のメモリが解放される。コツは、終わらせたいタスクについて、できるだけ正確に書き表すこと。

 

③「2分」でできるならすぐにやる

ToDoリストに2分以内に完了できるタスクがあれば即実行する。リストを読み返したり、スケジュールを考える時間が節約できる。

 

④堂々とパスする

ToDoリストを見直すたびに、最初に自問すべきことは「このうちのどれを人に任せようか?」である。

 

⑤「優先順位」を正しくつける

時間の優先順位をつけるのに費やす1分は、10分の作業時間に相当する。どんな日でも最優先すべきは「どれが大きいものか」を把握し、そこから手を付けることだ。

 

集中

現在、平均的なオフィスの従業員は、1つの作業を連続して行える時間がわずか11分しかない。マルチタスクは、生産性の最大の敵だ。1つのタスクを完了する場合、停止と開始を繰り返すよりも、一度に集中して行う方が、かかる時間と労力がはるかに少なくて済む。

 

①「快楽」から自分を守る

SNS、広告、気晴らしの娯楽から自分自身を守ること。アプリを見えないところに置いたり、ブックマークを利用する。

 

②「雑音」をシャットアウトする

本当に集中して何かを終わらせる必要がある時には、ヘッドフォンで没入する。

 

③「メール」と「電話」は使い分ける

電話やチャットなどの同期型コミュニケーションは即時の関与を必要とするため、作業が中断して生産性を脅かす。メールで処理するには複雑すぎる用件、本当の緊急事態以外は、非同期型コミュニケーションを優先する。

 

加速

次の4つの手順を試す。

 

①基礎固め

準備に費やす時間は、実行するのに費やす時間と同じくらい重要である。1日の間に十分な休憩を取り、効率と創造性を向上させる時間にする。

 

②自動化

同じアクションを2回以上繰り返す場合は、自動化する。

 

③高速

まずは1週間のタスクに費やす時間をどのように分配しているかを把握し、改善する。ほとんどの従業員は、かなりの時間を会議に費やしている。会議を開く前に、本当に必要かどうか自問する。

 

④20/80ルール

成果に影響を与える20%に集中し、価値の低い80%のタスクを捨ててもいいと考える。