新企画 渾身の企画と発想の手の内すべて見せます

発刊
2016年3月17日
ページ数
243ページ
読了目安
251分
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人気放送作家の企画術
人気放送作家が企画を生み出すテクニックをまとめた一冊。55の企画術が紹介されています。

「出来ない」「無理」から企画は始まる

出来ないモノには意外な理由があって、だからこそ、ある場所では咲けない花でも別の場所ではキレイに咲く事がある。この企画はどこで最も輝けるか。そういう事を常に意識するのは大切である。

 

器を変える

普通は20代でやる恋愛企画を50代でやる事によって新しく見える。これを「器を変える技術」と呼ぶ。0から1を生み出す事も大事だが、既に生み出されているものの形を変えて新しく見せる事にもテクニックがいり、ハマると爆発を起こす。例えば、ほうれん草でも、和食の皿、洋食の皿に乗っている時で見え方は違う。ほうれん草の上に鰹節が乗るか、クリームソースが乗るかでも見え方は違う。器を変えてあげるだけで新しく見えるものは沢山ある。

 

「好奇心」こそ企画作りの源流

人がした事のない経験をしている人は興味を持たれる。自分が経験出来ない人生を歩んでいる人には積極的に会う。自分の仕事に関係ない人こそ、その話は刺激になる。遠いところにあるものこそ、実は一番の栄養になる。

企画というのは制限があればあるほど面白い。制限というのは、ものの意外な面白さを照らし出す事がある。その制限をかける場所によって、企画はとてつもないオリジナリティを出す。

 

「主役」を変える視点を持つ

「このおにぎりはお米よりも塩にこだわりました」。あえて主役じゃなくて脇役を前に打ち出す事でモノの見え方が変わる。本来主役じゃないモノを主役に見せるというのは、ヒット商品にも沢山使われている手法だったりする。本来アピールしてなかったところをアピールする事で目立つ。

 

「自分ごと」で興味を引き出す

視聴者にいかにリアリティーを感じてもらうかはとても大事。0.1%と言われると一瞬、他人事のように感じるかもしれない。だけど、日本で起きている様々な事件・事故が0.1%より低い可能性のものだったと示す事によって、0.1%という数字はよりリアルに感じる。

自分に遠いものをどう近く感じさせてあげるかはとても大切で難しい。その時代に合った「可能性」を提示する事が企画にとって重要である。

 

思わず「期待してしまう仕組み」を作る

期待したくなる要素が多く、期待値が大きく乗ったコンテンツは強い。例えば、通常のプロ野球中継は地上波では以前に比べて視聴率が取れなくなった。しかし、日本代表の試合や世界一になるかもという「期待」をしながら見られる試合になると、野球自体に興味がない人も見る事が出来る。視聴者が「見る」理由を作ってあげるのは大変だが、どうやって「期待」させるかを考える事は大きなヒントになる。

 

「共感」を味方にする

企画の背骨に「あるある」があるものは跳ねやすい。但し、この「あるある」あったか〜と思わせる事が大事である。そして、ポジティブな「あるある」よりも、ネガティブな「あるある」の方が視聴者はより共感しやすい。「ネガティブあるある」の方が、視聴者がそれを見た時に、上からの立場で見る事ができる。視聴者を上から目線にさせてあげるのは大事である。

「あるある」と共感する近い距離のモノを、遠くのものとくっつける。近いもの同士を掛けても見た感がある、遠いもの同士を掛けると、新しいものはできるかもしれないけど、視聴者にウケない可能性が高い。だから「近い」と「遠い」の掛け合わせる2つを見つける事は大切である。

 

「自分がワクワクするか?」を大切にする

企画を立てる時に大切な事は、まず自分がワクワク出来るかどうかである。自分のワクワクが背骨にあって走り出した時の方が結果として爆発力がある。自分がワクワクする企画を作り上げていく時に大切な事は、自分と同じセンスを持ち、一緒にワクワク、ドキドキ出来るパートナーを見つけること。

 

企画には必ず「今」が存在する

みんな「今」を知りたくて「今」を感じたい。だから「今」の見せ方がとても大事。作り手が想像していた以外のところに、視聴者は「今」を見ていたりする。

自分が今後もあまり一緒に仕事しないであろう職種の人と出会った時には、仲良くなって、ご飯に行ったりして、そこから自分が想像しなかった「今」を知るようにしている。これからの時代の「今」は意外なところに隠れていたりする。だから難しいし、積極的に色んな人の話を聞かなくてはいけない。

 

企画はタイトルが9割

商品でも番組でも「ネーミング」というのはとても大事。理想は1回聞いたら忘れないものがいい。企画のネーミングで気をつけることは「ネガティブ×ポジティブ」で、結果それがポジティブに見えれば、インパクトを与えられること。もう1つが自分が使いたくなるかどうかである。その言葉をアレンジしやすい事も大切で、タイトルを付ける時には、日常の飲み会などで、思わず使いたくなるか、アレンジしてつい使っちゃうか、なども気をつける。