「人を動かす」広告デザインの心理術33 ―人の無意識に影響を与える、イメージに秘められた説得力

発刊
2016年3月18日
ページ数
216ページ
読了目安
248分
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人を動かす広告手法まとめ
心理学的視点に基づいて広告を分析して得られた知見をもとに、33の人を動かす広告手法を紹介している本。人に無意識に影響を与える方法が解説されています。

抵抗感を認める

相手の抵抗感を認めたり、選択の自由を強調したりする事で、相手の迷いが消え、要求する側への好感度が高まり、要求が通る可能性が高まる。要求を出す前に「あなたは嫌がるでしょうが〜」と相手の抵抗感を認める、あるいは要求を伝えた後に「でも、受けるか断るかはあなたの自由です」と付け加える。研究論文によれば、要求を伝えた後に「決めるのはあなたの自由だ」と強調した場合は、要求を受け入れる確率が2倍になったという。相手に「ノー」と答える自由を与える事で、逆の答えを引き出す事ができ、要求する側が相手の判断を尊重していると印象づける効果もある。

 

脳にやさしいメッセージを作る

私達は、脳がスムーズに自動処理できるような情報には、無意識の内に好感を抱いている。画像なら見やすい方が、テキストなら素早く読める方が、アイデアならすぐに理解できる方が脳に優しく、好感度が高い。

・製品のネーミングの発音のしやすさで、その製品の印象が変わる
・製品名に数字をつける事で、脳のスムーズな自動処理を促進できる
・文章のフォントが読みにくいほど、文章に対するイメージも悪くなる

 

相手を段階的に感化して大きな要求を通す

最初は、通したい要求と関連性のある、より小さな要求に承諾してもらう。そして、しばらくしてから、大きな要求を伝える。小さな要求から始める事で、最初から大きな要求を持ち出すよりも、承諾を得る確率をはるかに高める事ができる。

 

夢のような効果をうたう

製品とは無関係の欲求(性的欲求、社会的欲求など)を満たすと期待させて、購買意欲を高める事ができる。私達は、うたい文句が大げさだったり、明白なウソであっても、それが私達の重要な夢を叶えるものなら、感化される事になる。

 

自分で自分を説得してもらう

人は生き方や主義について他人から指示されるのを嫌がる。人生における大きな決定は、自分がコントロールしていると思いたいのだ。そして、相手が行動を変える理由を自分で見つけた時には、行動を変えられる可能性が高い事がわかっている。人間には一度表明した事に対して、一貫性を保ちたい、または一貫性がないと思われたくない本能があるので、一度表明したら、その後も同様の行動を継続する事が多い。

但し、相手にそうした判断を下す気にさせるのは簡単ではない。メッセージを「問い」の形に変えただけでは不十分だ。相手に時間があり、問いに答える動機と能力を持っている必要がある。

 

別の役をキャスティングする

人々に社会的役割をキャスティングする事で、その役割に期待されている行動を取らせる事ができる。相手に直接、口頭や文章で伝える方法と、示唆的な画像を示して、相手に社会的役割を自発的に選ばせる方法がある。

 

「社会的証明」の力を利用する

私達には、他人の判断や行動をまねようとする本能がある。一番簡単なのは「Xの90%が、Yをやっている」と伝える事だ。

 

「保証」をつける

この手法を使う時には「顧客は満足しようがしまいが、最終的には何の損失もない」と暗に示す必要がある。顧客が製品に満足できないと思った場合は、返品できるし、代金も返してもらえる。同様にサービスやアドバイスに満足できなかったら、料金は支払わなくて構わない。保証する側のメリットは、消費者が購入するかどうかを決める時の迷いを取り除けること。もう1つは、製品やサービスの質が良い事を暗に示せる事だ。

 

魅力的な顔のモデルを起用する

私達は、商品を宣伝しているのが美男美女だからといって、自分は惑わされないと固く信じている。しかし、調査によって、私達が魅力的な人の方を意識的に選んでいる事や、外見が魅力的な人を内面的にもいい人だとみなし、そういう人が宣伝する商品に対してもいいイメージを持つ事が明らかになっている。